ヒント:

书名和作者的名字也需要听写。


実に

すすめる

白々しい

罅割れ

脅かす(おびや・かす)

ヨシ子

謂わば

撃つ

微笑

ガチャンと

鍵をおろす


书写方式参考:【听写规范】日语听写酷听写规范(2013年5月版)


あらすじ

物心がついたときから自分以外の人間に恐怖し、他人の望むように振る舞う、他人本位な主人公、大庭葉蔵。成長して上京した彼は、友人の画学生堀木に教えられた左翼(さよく)思想と淫売婦に溺れていく。銀座の女給と心中を図ったものの、自分だけが助かった葉蔵は、やがてたばこ屋の娘ヨシ子と内縁関係になる。しかし、ヨシ子の浮気現場を見たのをきっかけに麻薬中毒に陥り、ついには友人たちによって脳病院に入れられてしまう。家族からも見放され、廃人同様の自分に自ら人間失格の烙印(らくいん)を押すのだった。

解説

タイトルのインパクトが強烈。自由であるがゆえに不安もある現代の若いものにとっても、この四文字で表される絶望感は心に届くものがあるだろう。禅、儒教(じゅきょう)、武士道のように自分で自分を作る精神的財産が継承されなくなってしまった昨今(さっこん)、アイデンティティは他人の目を意識したものとなりがちだ。主人公に武士道の精神があったなら「人間失格」とは思わないだろう。主人公は太宰そのものではないが、かなり太宰的なキャラクターが入っている。そういう意味では、命がけの文学と言える。

実に、珍らしいことでした。すすめられて、それを拒否したのは、自分のそれまでの生涯において、その時ただ一度、と言っても過言でないくらいなのです。自分の不幸は、拒否の能力の無い者の不幸でした。すすめられて拒否すると、相手の心にも自分の心にも、永遠に修繕し得ない白々しい罅割れができるような恐怖に脅かされているのでした。けれども、自分はその時、あれほど半狂乱になって求めていたモルヒネを、実に自然に拒否しました。ヨシ子の謂わば「神の如き無智」に撃たれたのでしょうか。自分は、あの瞬間、すでに中毒でなくなっていたのではないでしょうか。
けれども、自分はそれからすぐに、あのはにかむような微笑をする若い医師に案内せられ、ある病棟に入れられて、ガチャンと鍵をおろされました。脳病院でした。

> 烨伊 译 
真难得!我生平首次主动拒绝别人递来的东西,竟是在这种时候。我的不幸,恰恰在于我缺乏拒绝的能力。我害怕一旦拒绝别人,便会在彼此心里留下永远无法愈合的裂痕。但那一刻,我竟无比自然地拒绝了曾让我几近疯狂的吗啡。或许是被祝子那“神圣的无知”打动了吧。哪怕只是一瞬,我也算是摆脱过毒瘾吧?
但随即,我就被那位带着腼腆笑容的年轻医生带到一栋病房中,“咔嚓”一声,大门紧锁。这是一家精神病院。
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> 陆求实 译 
这绝对是一件难得的事。说是我生平唯一一次拒绝别人的诱惑,也一点不为过。我的不幸,乃是因为没有拒绝的能力,因此一旦别人劝诱,我便觉得假如拒绝的话,会在对方心里和自己的心里都留下一道显而易见、永远也无法修补的裂痕。我已习惯畏服于这种恐惧。但当时,我却及其自然地拒绝了曾经令我疯狂渴求的吗啡,或许是被由子那种“如神明般的无知”打动了吧。那一瞬间,我应该已经摆脱掉毒瘾的纠缠了吧?
很快,我被那名挂着腼腆微笑的年轻医生领着,进入一栋病房,随即大门被“哐当”一声上了锁。这里是疯人院。

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