ヒント:


1人

そのほうが〜

んかも知らない。〜

出来高

これア案外大丈夫だど

びくびく

気でいる

本当のこと

云う

先の成算

1回

1度


书写方式参考:【听写规范】日语听写酷听写规范(2013年5月版)

あらすじ

博光丸は蟹を獲り、缶詰に加工する蟹工船。そこで働くのは出稼ぎ労働者など社会の底辺で生きる人々。彼らは、人を人とも思わない作業監督の浅川のもと、暴力と不衛生が横行する劣悪(れつあく)な環境の中で安い賃金で扱き使われている。ある日、とうとう死人が出た。浅川は葬儀に来ようともせず、遺体を海に捨てさせる。これを機に労働者のストライキが始まった。それは成功したかに見えたが、帝国海軍の駆逐艦(くちくかん)によりストライキの首謀者は捕らえられ、労働者は本当の敵は浅川ではなく資本者だと知るのだった。

解説

社会主義の思想が国家の体制にまで及んだ時代、その思想を背景にした文学も生まれた。これがプロレタリア文学。その筆頭(ふでがしら)である小林多喜二(こばやし たきじ)の代表作が『蟹工船』だ。志賀直哉(しが なおや)はこの作品を絶賛する一方で、思想があまり前に出すぎると文学性は低くなる、と小林多喜二に手紙で注意した。さすが志賀直哉先生といったところだ。この作品で一番いいと思うのは、一人ひとりの叫びが重なって、ひとつの勢いになるところ。日本の小説は、個人の内面を掘り下げる私小説は多いが、こういった演劇のような集団的な叫びの文学は少ない。ちなみに、ある番組で桑田佳祐(くわた けいすけ)さんがこれを曲に乗せて歌ったのだが、叫びの文学は音楽によく合うものだ。

「それでももし駆逐艦を呼んだら、皆でこの時こそ力を合わせて1人も残らず引き渡されよう!そのほうがかえって助かるんだ」
「んかも知らない。しかし、考えてみれば、そんなことになったら、監督が第一慌てるよ、会社の手前。代わりを函館から取り寄せるのには遅すぎるし、出来高だって問題にならないほど少ないし。……うまくやったら、これア案外大丈夫だど」
「大丈夫だよ。それに不思議に誰だってびくびくしていないしな。皆、畜生!って気でいる」
「本当のことを云えば、そんな先の成算なんて、どうでもいいんだ。死ぬか生きるか、だからな」
「ん、もう1回だ!」
そして、彼らは立ち上がった。もう1度!

林少华 译
“假如还把驱逐舰叫来,这回可要齐心合力,一个不剩地由他交出去!那样反倒谢天谢地。”
“有可能。不过细想起来,果真那样,第一个狼狈的是监工,公司那边不好交代。从函馆找人替他太迟了,产量又少得提不起来……弄得好,这个办法倒行得通。”
“行得通!再说也怪,谁都不战战兢兢了,谁都想骂一句‘畜生’!”
“说实话,下一步的成败利钝,怎么都无所谓了,是死是活反正豁出去了。”
“好,再来一次!”
他们站起来了——再来一次!

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