「日本に来るたびに、ここのクリニックでアンチエイジングの施術を受けているわ」

“每次来日本,我都会在这边的诊所做抗衰老手术。”

そう話すのは、中国東北部の大連から来日した、50代の中国人女性、付美玲さん。付さんは東京・銀座にあるクリニックを訪れ、血液を浄化させる血液クレンジングと美肌効果のあるビタミンC点滴を受けた。

说这句话的是来自中国东北部城市大连的50代女性付美玲。付女士来到位于东京银座的医美诊所,在这里做了血液净化,挂了有美肌效果的维C点滴。

3年間で1.6倍に増えた医療目的の訪日中国人

以医疗为目的访日的中国人数量三年间增至1.6倍

いま、付さんのように美容整形や健康診断、がん治療などの医療を受けることを目的に来日する、「医療ツーリズム」目的の中国人富裕層が増えている。

如今,像付女士这样为美容整形、体检、癌症治疗等目的赴日,即进行“医疗旅行”的中国富裕阶层增加了。

日本を訪れる外国人観光客は、ここ数年右肩上がりで上昇している。2018年は3119万人で、日本政府観光局(JNTO)が統計を取り始めた1964年以降、過去最高の数字になった。その中で最も多いのが、全体の27%を占める中国人観光客だ。

近几年,访日外国游客人数持续攀升。日本国家旅游局(JNTO)自1964年开始统计访日外国人数,2018年总计3119万人,创历史新高,其中中国游客人数最多,占总数的27%。

2018年に日本を訪れた中国人観光客数は、前年比13.9%増の838万人。

2018年访日中国游客共838万人,比上年增加13.9%。

その中国人観光客の間で、医療を目的とする訪日が急増している。外務省によると、中国人への医療滞在ビザ発給件数は2015年の829件から2018年は1390件へと、3年間で1.6倍に拡大している。

在中国游客中,以医疗为目的访日人数急速增加。据日本外务省数据显示,自2015至2018年,发行给中国人的医疗滞留护照数由829件提高到1390件,三年间增至1.6倍。

この背景にあるのが、2010年に当時の民主党政権が閣議決定した「新成長戦略」だ。民主党政権は、高齢化が進むアジア諸国・地域において医療分野は高い需要が見込まれるとし、同地域の富裕層を対象に、医療と観光を連携・強化することを目標として掲げた。

这一现象的背景是2010年,当时民主党政权在内阁会议上通过的“新成长战略”。民主党政权认为亚洲各国及地区老龄化逐渐加剧,医疗需求高,由此确立了面向各地区富裕阶层的医疗与旅游合作强化目标。

こうした流れを受け、2011年から訪日外国人への医療滞在ビザの発給がスタートした。これにより、医療目的で来日する外国人は期限内であれば必要に応じて6カ月間、複数回滞在できるようになった(90日を超える場合は入院が前提となる)。日本の医療滞在ビザを取得する外国人の中でも中国人の割合は高く、全体の8割を占める。

在此影响下,自2011年起,日本开始向访日外国人发行医疗滞留护照,如有必要,只要在期限内,因医疗目的访日外国人于六个月内可多次滞留日本(超过90天需要住院证明)。取得日本医疗滞留护照的外国人中,中国人的比例也很高,占整体八成。

医療目的でやってくる中国人が増えつつある一方、基本的に日本語を話せない彼らが自分たちで健康診断や治療の予約をするのはかなりハードルが高い。そこで、こうした中国人の心理的負担を減らす存在として注目されるのが、患者と医療機関をつなぐ「医療コーディネーター」である。

虽然为医疗访日的中国人不断增加,但因他们基本不会说日语,独自预约体检或治疗的难度很大。因此,为减轻这些中国人的心理负担,联系患者与医疗机构的“医疗中介”出现了。

外国人患者の要望をきめ細かくヒアリング

仔细倾听外国病患的需求

今後特に成長が見込まれるのがアンチエイジング施術などを含めた再生医療の分野だ。日本では2014年に再生医療関連法が施行される一方、中国では再生医療に関する法律がまだ整備されていない。医療コーディネーターを手配する在日中国企業「医信」の李婧(リ・ジン)社長は、「昨年末から問い合わせが格段に増えるようになった」と話す。

包含抗衰老手术在内的再生医疗今后的发展令人瞩目。日本自2014年开始施行再生医疗相关法律,但中国还没有相关法律。经营医疗中介的在日中国企业“医信”的社长李婧说“从去年年末起,咨询再生医疗相关内容的人数大幅提升了。”

日本の旅行会社大手JTBは2010年、医療コーディネーター事業を展開する「ジャパン・メディカル&ヘルスツーリズムセンター(JMHC)」を社内に立ち上げた。同センターの松嶋孝典所長は、「中国人観光客が医療目的で訪れるのは、現在のところ東京など大都市圏が主流だ。ただ、中国人は地方にもレジャー目的で訪れるようになったので、医療ツーリズムも地方に広がっていくことを期待する」と語る。

日本知名旅游公司JTB在2010年创办了提供医疗中介服务的“日本医疗&健康旅行中心(JMHC)”。该中心所长松嶋孝典表示:“目前因医疗目的赴日的中国游客,其主要目的地是东京等大都市圈。不过现在中国客人也开始到地方旅游了,我非常期待医疗旅游在地方也能盛行起来。”

ただ、医療ツーリズムの普及には課題もある。医療コーディネーターの質の問題だ。都内のある美容整形外科の院長は、「中国人が『医療コーディネーターをやりたい』と連絡してくることもある。ただ、医療通訳なので専門用語がわからないといけないが、明らかにそういった知識がないのに売り込んでくることが多い」と明かす。中には医療知識が乏しいコーディネーターを採用してしまった医療機関もあり、患者に間違った通訳をすることでトラブルに発展するケースもある。

不过,普及医疗旅游也存在难题,那就是如何解决医疗中介的质量问题。东京都内一所美容整形外科院长透露“曾经有中国人联系我们表示‘想做我们医院的医疗中介’。但是医疗翻译必须了解专门用语,但现在完全没有相关知识就到处宣传的人太多了”。其中就发生过医疗机构录用缺乏医疗知识的中介,给患者翻译错误而引发纠纷的例子。

松嶋所長は「医療ツーリズムへの人気が高まる中で、医療ツーリズムやコーディネーターへの規制は基本的にはない。政府としても悪質な医療コーディネーターを取り締まるための枠組みを作る必要があるのではないか」と口にする。

松嶋所长表示:“医疗旅行人气走高,但基本还没有针对医疗旅行及中介的规范制度。政府应当建立相关机构来取缔性质恶劣的医疗中介。”

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