子どもを産んだ際に受け取れる出産育児一時金が、2023年度から8万円増の50万円となることが決まった。岸田文雄首相が2年以上取り組んできた肝いりの政策で「引き上げ幅は過去最高だ」と誇示した。子育て世帯からは歓迎の声が上がったものの、一方で「これだけではもう1人産もうと思わない」と冷静な声が聞こえてくる。

据报道,日本将在2023年度将生产时可以领取的生产育儿一时金(一次性生产补助金)增加8万日元,共增至50万日元。这是日本首相岸田文雄磨合了两年多的政策,对此他也表示“此次是历史最高增幅”。该政策受到了育儿家庭的欢迎,但另一方面也有人十分冷静地评价“这点钱可不会让我们多生一个孩子”。

菅前首相に対抗する形で打ち出した政策

与前首相菅相对抗的政策

岸田首相が出産育児一時金に言及したのは、2020年9月の自民党総裁選。当時政調会長だった岸田首相は初めて出馬し、当時官房長官だった菅義偉氏の少子化対策に対抗する形で、一時金の引き上げによる「出産費用の実質無償化」を掲げた。一方、菅氏は「不妊治療の保険適用」を掲げた。

岸田首相是在2020年9月的自民党总裁竞选当中首次提及生产育儿一时金的。当时,还是政务调查会长的岸田首相首次出马,以增加一时金的“生产费用实质无偿化”政策来对抗当时官房长官菅义伟的少子化对策。另一方面,菅则倡导“将不孕不育的治疗纳入保险适用范围”。

総裁選に敗れて菅政権が発足した後、出産費用の負担軽減に関する国会議員連盟を立ち上げ、共同代表に就いた。議員連盟として出産育児一時金の引き上げを政府に提言したものの、待機児童解消など他の子育て政策に財源が必要となり、見送られた経緯がある。首相に就任した今回はリベンジの意味合いが強く、2022年6月に「大幅に増額する」と早々に宣言した。

总裁竞选失败后,菅义伟政权建立。之后菅政府为减轻女性生产费用负担而组建了相关的国会议员联盟,岸田担任共同代表。作为议员联盟成员,岸田再次向政府提及增加生产育儿一时金的想法,但政府以待机儿童(需要进入保育所,但由于设施和人手不足等原因只能在家排队等待保育所空位的幼儿)问题等其它育儿政策需要财政支持而告吹。就任首相后,本次政策的出台颇有反击含义,于是在2022年6月岸田便早早宣布将“大幅度增加生产育儿一时金”。

出産にかかる費用は、年々上昇している。2021年度の公的病院の平均額は約45万5千円に上る。これに加え、出産事故に備える「産科医療補償制度」の掛け金1万2千円もかかる。合計約47万円が必要だ。

在日本,生产相关费用每年上涨。2021年度,公立医院平均生产费用涨至约45.5万日元。在此基础上,为避免生产事故,每月还有1.2万日元的“产科医疗补偿制度”保险。合计约需要47万日元。

現行の出産育児一時金は42万円で、出産費用の支払いの際には平均で5万円足りない計算だ。一時金の引き上げ幅はこれまで5万円が過去最大だったが、今回は8万円増の50万円になった。理由は、岸田首相が「47万円では大幅増額とは言えない」として一層の上積みにこだわったからだ、と政府関係者は説明する。「せめて出産時にかかる平均費用は一時金でカバーしたい」との思いもあったという。

目前的生产育儿一时金为42万日元,按此计算,每人需要支付的生产费用平均不足5万日元。过去一时金的最大增幅是5万日元,本次则增长了8万日元,增至50万日元。政府相关人士称,岸田首相认为“如果增到47万的话称不上是大幅增加”,所以才坚持进一步增加。他“希望一时金至少要超过女性生产时所需的平均费用”。

ただ、出産育児一時金の主な財源は、現役世代の公的医療保険の保険料。増額すれば、負担は若い世代にのしかかる。このため政府は2024年度以降、75歳以上の保険料からも一部を拠出する仕組みへ変更することも決めた。

然而,生产育儿一时金的主要财政来源是现世代公共医疗保险的保费。一旦增长一时金,这项负担就会加到年轻人身上。因此,日本政府还决定,2024年度后,将从75岁以上人群的保险费用中筹措一部分用于补充一时金的增额。

政府はさらに、出産前後で計10万円相当を配る「出産・子育て応援交付金」も新たに創設した。相次ぐ閣僚の不祥事や、世界平和統一家庭連合(旧統一 教会)問題などの逆風に直面する中、政府一丸での少子化対策をアピールする狙いだ。

此外,政府还新设“生产育儿支援补助金”,向生产前后的孕妇支付10万日元。在内阁丑闻层出不穷、世界和平统一家庭联合会(原统一教会)等一系列负面问题背景下,政府在将所有注意力放在少子化对策上。

女性が産み育てやすい環境を

为女性创造良好生育环境

日本は少子化に歯止めがかからず、2022年の国内の出生数は統計開始後、初めて80万人を割る見通しとなっている。女性の出産年齢も上昇。背景には、低賃金で子どもを持つ余裕がなかったり、キャリア確立のため先送りせざるを得なかったりする事情がある。

日本的少子化现象仍未得到遏制,预计2022年日本国内的出生人数将在有数据统计以来首次跌破80万人。女性的生产年龄也在上升。这背后的原因有工资低无力承担生产育儿费用、为工作晋升不得不推迟生育计划等等。

日本総研の西沢和彦主席研究員は、そもそも出産費用を抑える工夫も必要だと指摘する。出産年齢が上がると高度な措置が必要となるケースも増えるなど、費用も上昇する相関関係があるため「女性が産みたい時に産めるように環境を整えることが必要だ」。政府にはこう注文を付けた。「政府は各論に終始するのではなく、労働環境の整備や男性の意識改革など、複数の政策を組み合わせた『青写真』をきちんと描くべきだ」

日本总研主席研究员西则和彦指出,很有必要想办法降低生产费用。随着女性生产年龄的增长,很多时候女性需要更全面的生产应对措施,相关费用也会上涨,因此“有必要创造一个可以让女性想生的时候就能生的环境”。并且对政府提出了这样的要求。“政府不应该单方面考虑这件事,而应严谨绘制出台一项包含整改劳动环境、转换男性意识等多项政策的组合型‘蓝图’”。

東京都の小池百合子知事は4日、都庁で行った職員に向けた新年のあいさつで、少子化対策として、0歳から18歳の子どもがいる都内の子育て家庭に対し、子ども1人当たり月額約5000円の給付を行うことを検討していると明かした。

4日,东京都知事小池百合子在都厅内向市政府职员恭贺新年,之后,针对少子化对策,她表示正在商讨针对都内有0~18岁儿童的家庭,每月给予每个儿童5000日元的补助。

小池氏は約10分のあいさつで、最も多くの時間を少子化対策に割いた。「0歳から18歳の子どもに対し(1人当たり)月5000円程度を念頭に、育ちを切れ目なくサポートする給付を行うなど、大胆な取り組みを考える。皆さん全員が、わが事としてこの問題と向き合うように強く求めます」と職員に呼びかけた。

小池进行了约10分钟的致辞,之后用大量的时间提及少子化对策。她呼吁市政府职员“我们考虑了一系列大胆激进的鼓励措施,例如向0岁到18岁的孩子(每人)每月支付5000日元左右的补助金,无间断的支援家庭育儿等等。我强烈希望每一位职员都把这件事当做自己的事情来面对”。

また、22年の出生率が初めて80万人を切る見通しと、昨年末に発表された国の速報値に触れ「社会の基盤を揺るがす衝撃的な事態。人口問題は国づくりの根幹で、本来、少子化対策は国家100年の計に位置づけて国策として戦略設計に取り組む課題だが、昨年末に発表された国の来年度予算案では、ただちに少子化から脱却して反転攻勢に出るぞ、という勢いにはなっていない」と述べ、国の現状の対応は不十分との認識を表明。「現状は一刻の猶予も許されない。だからこそ、都が先駆けて具体的な対策を充実させていかなければならない」と述べた。

之后,小池还提及22年出生率首次跌破80万人以及去年年末发表的国家速报值,并表示:“这是动摇到社会根基的极具冲击性的事实。人口问题是国家根本问题,本来,少子化对策是作为国家百年大计的国策而纳入国家战略设计当中的课题,然而从去年年末公布的国家下年度预算案中,我们丝毫没有感受到国家想要立即摆脱低生育率,展开反击攻势的意思”。坦言国家对现状的应对方式很是不足。还说:“目前的状况已经容不得我们有一丝的犹豫。所以,东京都才有必要带头完善具体措施”。

小池氏は「(2016年に)知事に就任し、真っ先に取り組んだのが待機児童対策。これを機に、子どもや子育て家庭が抱えるさまざまな困難に寄り添った政策を進めてきた。22年度からは子供政策連携室を新設し、チルドレンファーストの社会実現へさらなる取り組みを進めている」と、これまで取り組んだ少子化対策に言及。「この問題を先送りすることは今を生きる私たちの責任を放棄するも同然だ。望む人だれもが子供を産み育てられ、継続的に寄り添って支えていく考えに立ち、(都の)来年度予算は、対策を強力、迅速に推し進める必要がある」とも訴えた。

谈到现行少子化对策时,小池说:“我(自2016年)就任知事之后就是先从待机儿童对策入手的。之后也在不断推进相关政策,旨在解决儿童育儿家庭可能存在的各种困难和问题。2022年东京都新设儿童政策联合室,为实现儿童优先社会做出进一步努力”。“如果当下我们忽视了生育问题,就相当于丢下了当今社会背景下我们应负的责任。我们希望想生孩子的人都能生儿育女,所以出于持续帮助和扶持的考量,(东京都)下一年度的预算有必要强力、迅速地推进相关对策”。

本内容为沪江日语原创翻译,严禁转载。

精彩阅读推荐:疫情时代下久违的没有行动限制的新年怎么过?看看日本专家怎么说