大学生のみなさんの中には「将来小説家になりたい」と思う人もいらっしゃるでしょう。でも、小説家になる方法にはどのようなものがあるのでしょうか?現役大学生のときに小説家デビューし話題になった小嶋陽太郎さんにお話を伺いました。

大学生中也有将来想成为小说家的人吧。但是,成为小说家的方法有哪些呢?我们询问了在上学时就成为小说家并成为了话题的小岛阳太郎。

小説家になるにはとにかく書くこと!まずは1本書き上げる

要成为小说家总之就是要写!首先写1本书

小嶋陽太郎さんは、信州大学在学中の2014年、『気障(きざ)でけっこうです』(KADOKAWA)で第16回ボイルドエッグズ新人賞を受賞してデビュー。デビューから現在までの2年4カ月で5冊の本を出版。軽快な文体と爽やかな読後感で多くの読者を魅了しています。

2014年,小岛阳太郎在信州大学上学,以《装模作样足够了》获得了第16界Boiled Eggs新人奖而作为作家出道。到现在2年4个月的时间,出版了5本书。轻快的文体和清爽的读后感让很多读者入迷。

――小説家になるにはどんな方法があるのでしょうか?

――要成为小说家有什么方法?

小嶋さん 僕自身がまだ自分のことを小説家だとは思えていないので、僕がその質問に答えていいのかなあという気持ちがあるのですが……。

小岛先生 我自己不认为自己是小说家,让我回答这个问题好吗?

――すでに5冊も本を出していらっしゃるので十分「小説家」だと思いますが。

――您已经出了5本书了,我认为足够称为小说家了。

小嶋さん 小説家になるには、当たり前ですが書かないとどうにもならないと思います。1本でも書いて仕上げること。そしてどこかの文学賞に応募すること、が小説家になるためにやらなければいけないことです。誰でもわかるようなことしか言えなくて申し訳ないのですが。

小岛先生 要成为小说家,理所当然的,不写的话就什么也做不成。即便是1本,也要完成。然后去应征哪里的文学奖,这是要成为小说家必须做的。说了一些大家都知道的事,非常抱歉。

――漫画家になる方法と同じですね。その書くのが難しいと。

――和要成为漫画家的方法一样啊。写是很难的。

小嶋さん 自分の場合は、書いている間はしんどいなぁと思っていることが多いです。でも、とにかく書き上げないと……途中でやめてしまったら小説家としてデビューできる可能性がゼロになるので。書き上げることによって可能性を0から1(よりもっと少ないかもしれないですが)にすることが何より肝心かなと思います。これが越えなければいけない最初のハードルなので。

小岛先生 我自己写的过程中经常觉得很辛苦。但是,不写的话……中途放弃的话成为小说家的可能性就是零。通过完成写书,可能性从0可以变成1(或许更少),我觉得这比什么都关键。这是刚开始必须跨越的门槛。

――「ボイルドエッグズ新人賞」を選んで応募したきっかけは何でしたか?

――选择应征“Boiled Eggs新人奖”的契机是什么?

小嶋さん 文学賞をネットでいろいろ調べたんですが、応募期間がタイミング的にちょうどよかったことと、受賞が決まるまでの時間が短かったことがよかったです。できるだけ早く結果がほしかったので。それから、過去の受賞作、惜しかった作品などに対する講評がホームページに詳しく書かれていたことも大きかったです。ああ、ちゃんと読まれているんだなあと実感できて。それで、ここに応募してみようと。

小岛先生 在网上查了很多文学奖,这个应征期间时间上正合适,并且决定授奖的时间很短,很好。因为想早点出结果。另外,主页上详细写了对过去的得奖作品、未获奖作品的讲评,这点也是很大的原因。能实际感觉到是认真读了。因此就想试试应征这里。

――それですぐに受賞したのはすごいです。

――然后马上就得奖了很厉害啊。

小嶋さん 僕は「就活の代わりに小説を書こう」と思った人間なので、すぐに結果がわかったのはうれしかったですね。

小岛先生 我是用写小说代替求职的人,所以马上知道了结果非常开心。

小説家になろうと思ったら、「書いて応募する」。これが全てかなと思います。そこから先の、例えば技術的なことに関して僕に言えることはひとつもなくて申し訳ないのですが……。

想成为小说家的话,写,然后投稿。这是全部吧。从那里,刚才说的比如关于技术性的东西,我能讲的一样都没有,非常抱歉。

小説家になるには「自分には何があるだろう?」「自分にしかないものは何だろう?」を考えること!

要成为小说家需要思考“自己有什么?”“只有自己有的是什么?”

――気持ちの上で大事なことはありますか?

――在心境上有什么重要的吗?

小嶋さん そうですね、これはあくまでも個人的な意見ですが、「自分なりの感覚や言葉を持っている人間であること」「その人に固有のパーソナルなものがあるか」というのが大事だと思います。普段から自分の思考と言葉をもって生きることを意識したいなと自分には言いきかせています。自分なりの思考とか言語感覚が小説では武器になると思うので。むしろ、そういうものは小説に限らず、生きている限りどんな場面でも大事だと思いますし。

小岛先生 是,这只是个人意见,但是“持有自己特有的感觉和语言”、“那个人有没有自己固有的个人的东西”是非常重要的。平时会教导自己要意识到带着自己的思考和语言生活。因为自己特有的思考和语言感觉在小说里能成为武器。或者说,这些东西不仅在小说里,只要活着,在什么场合都很重要。

――なるほど。平たく言うと「個性」でしょうか。

――原来如此。简单地说就是个性吧。

小嶋さん あとは……人と無意味に群れないことでしょうか。お互いを高め合うような関係だったらいいんですけど、そうじゃないならその付き合いをしている間に小説を書いた方がいいと思います。小説は一人で黙々と書くものなので。何かと同化して安心したりするのは避けるべきというか。例えば集団に属することによって自分の思考や感覚や言語が削がれてしまうようなことは、誰しもに起こり得るので。集団に属しても、根本的なところでぶれない自分を持っていれば全然大丈夫だとは思いますが。

小岛先生 然后……不和人无意义的结群吧。互相提高的关系的话还好,不是的话,在交往过程中写小说比较好。因为小说是一个人默默写的东西。要避开被什么同化变得安心吧。比如从属于一个集体然后自己的思考、感觉、语言会被削减,这是谁都会发生的事。即使属于一个集体,根本性的地方自己掌握好不动摇的话也完全没有问题。

――孤独な作業ですものね。

――是一种孤独的作业啊。

小嶋さん それと「小説家になりたい」というのはあまり人に言わない方がいいんじゃないかなと思います。口に出して言うとその分エネルギーがなくなってしまう気がします。信頼している人に決意を語る場合などは別だと思いますが、むやみに言わないほうがいいです。僕は、趣味で書き始めたときは「小説家になるわー」と冗談で言っていたんですが、就活シーズンになって真面目に書き出したときにはそういう冗談は言わない、というか、言えなくなりました。あくまで自分の場合はそうだった、ということなんですが。

小岛先生 还有我认为不要总对别人说“想成为小说家”比较好吧。感觉说出口的话那份能量就没有了。向信赖的人表达决心另当别论,不要乱说比较好。我在因为兴趣开始写作的时候开玩笑说“要成为小说家了”,但是到了求职季认真写作的时候,就不开这样的玩笑了。或者说,就说不出口了。至少自己是这样。

――人間本気になったらその決意は言わなくなる、ということでしょうか。

――是因为人认真起来的话就不言决心了吗?

小嶋さん これは自分が常々意識しないといけないと思っていることでもあるのですが、小説を書くときにも、それ以外の局面でも、自分の思考、自分の感覚、自分自身が本来持っているものを意識して、それを見失わないことが大事だと思います。繰り返しになるんですが!

小岛先生 我觉得这也是自己经常要意识到的事。写小说的时候也是,其他的场合也是,意识到自己的思考、自己的感觉、自己本身拥有的东西,并且不要失去。这点很重要。不好意思又讲了重复的。

――ありがとうございました。

――非常感谢。

今回の取材には、作家・小嶋陽太郎をボイルドエッグズ新人賞で見いだした作家エージェント・村上達朗さんも同席していらっしゃったのですが、村上さんからは「小説家は『小説家という職業』なんですね。1作書いてデビューしただけでは小説家とは言えず、何作も書き続けることができて『小説家』になれるんだと思います。小説家になりたい人にはぜひその点も意識していただきたいです」との指摘がありました。こちらもまた「小説家になりたい」と思う人が留意しておかないといけないポイントでしょう。

这次的采访,在Boiled Eggs新人奖上发掘了作家小岛阳太郎的作家经纪人——村上达郎也在席。村上先生认为小说家是叫做小说家的职业。只写一本书出道的不能称为小说家,能继续写几部作品的才能成为小说家。想成为小说家的人一定要认识到这一点。这也是要成为小说家的人必须留意的关键点吧。

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