むかしむかし、あるところに、一軒のそまつな宿屋がありました。

很久很久以前,在某个地方,有一家很简陋的客栈。

おばあさんがたった一人いるだけでしたが、とても親切そうなおばあさんだったので、時々泊まって行く人がいました。

虽然只有一个老奶奶,可是由于是个很亲切的老奶奶,所以时不时地会有人来投宿。

ところが不思議な事に、宿屋に泊まった人はみんな姿を消してしまうのです。

可是不可思议的是,凡是来住宿过的人都消失不见了。

そしてその宿屋では、お百姓仕事もしないのに牛を何頭も飼っていました。

而且,虽然没有干农活,可是在这客栈里却养着几头牛。

ある時、一人のお坊さんがこの宿屋に泊まりました。

有一次,有个和尚来这家客栈住宿。

「よく来てくれました。さあ、ゆっくり休んで行ってください」おばあさんは、一生懸命お坊さんをもてなしました。

「欢迎光临。那么,请好好休息吧」老奶奶热情招待和尚。

(ほほう。見かけは悪いが、なかなか親切な宿屋だ)お坊さんはとても喜んで寝床につきましたが、その真夜中、ごそごそと音がするので目が覚めました。

(哈哈。虽然外表看上去不怎么好,可是倒是蛮亲切的嘛)和尚高兴地钻进了被窝,可是半夜却被嘎吱嘎吱的声音吵醒了。

(はて、何の音だろう?)お坊さんは起きあがって、音のする方の部屋をこっそりのぞいてみました。

(咦,这是什么声音?)和尚起床,朝着发出声音的房间偷偷看去。

すると、どうでしょう。

结果,看到了什么呢。

おばあさんがいろりの回りに、せっせとごまの種をまいているのです。

老奶奶在炕炉周围一个劲地撒芝麻种子。

(おや?あんなところにごまの種をまいて、いったいどうするつもりだろう?)不思議に思いながら見ていると、床の上にみるみるごまの芽が伸びてきて大きくなりました。

(呀?在那种地方撒芝麻种子是想干什么呢?)觉得不可思议极了,眼看着地上抽出芝麻的芽,长的飞快。

おばあさんはそれをつみ取り、何やらあやしげな粉と混ぜ合わせて、おいしそうなまんじゅうを作りました。

老奶奶摘下那个,然后和很奇怪的面粉混合,做出了看上去很好吃的馒头。

(これは面妖な。しかし、あのまんじゅうをどうするつもりだろう?)お坊さんは怖くなって逃げ出そうと思いましたが、こんな真夜中では、どこへ行ってよいかわかりません。

(这真可疑。可是,为什么要做馒头呢?)和尚觉得害怕想逃,可是半夜三更的不知道要去哪里。

仕方なく部屋に戻って、夜が明けるまでがまんしていました。

没办法只好回房间里,一直熬到天亮。

すると朝早く、おばあさんがお皿にまんじゅうを乗せて持って来ました。「お客さん、朝ごはんの代わりに、まんじゅうを食べてください」

第二天,老奶奶拿着放了馒头的盆子来了。「客人,吃个馒头做早饭吧」

(ややっ。これは、あのまんじゅうに間違いない)そう思ったお坊さんは、「いやいや。ゆうべごちそうをいただいたから、まだお腹がいっぱいです」と、言って、断りました。

(呀呀,这一定是那个馒头)和尚这样想着,就拒绝道「不用不用,昨晚吃的太饱,现在肚子还撑着呢」

するとおばあさんは、がっかりして部屋を出て行きました。

老奶奶失望地出了房间。

その時、近くの部屋で、「モー」と、言う牛の鳴き声がしました。

这时,旁边屋子里传来一声「哞ー」的牛叫声。

お坊さんがびっくりして駆け付けてみると、部屋からおばあさんに引かれた牛が出て来ました。

和尚大吃一惊,就走出去看,看到老奶奶牵着一头牛从屋子里出来。

「これはいったい、どうしたのです?」お坊さんが尋ねると、「なに、わたしの飼っている牛が、部屋に上がり込んでしまったんですよ」と、おばあさんはにこにこしながら、牛を庭の方へ連れて行きました。

「这是怎么回事啊?」和尚问道。「是我养的牛不小心跑到楼上来了」老奶奶笑着把牛牵到院子里去了。

その時、牛の出て行った部屋をのぞいてみると、お客さんの荷物が置いたままです。

这时,偷偷看了一下牛出来的房间,看到里面放着客人的行李。

(わかったぞ。あのまんじゅうを食べると、牛になるんだ)お坊さんの思った通り、おばあさんは宿屋に泊まったお客を牛にして、牛買いに売っていたのです。

(我明白了。吃了那个馒头就会变成牛的)正如和尚所想,老奶奶把来投宿的客人变成牛,再把牛卖掉。

(なんて、恐ろしい事を)でもお坊さんは、何くわぬ顔で、「すまんが、今夜も泊めてもらいます」と、言って、宿屋を出て行きました。

(这可真恐怖)可是和尚装作什么都不知道的样子,说道「不好意思,今晚我再住一晚」然后就出了房间。

そしてお坊さんは町で本当のまんじゅうを買うと、その日の夕方、宿屋へ戻って来ました。

然后和尚在街上买了个真的馒头,那天傍晚回到了客栈。

すると、おばあさんは、「お腹が空いたでしょう。すぐに夕ご飯を作りますから、それまでこのまんじゅうでも食べていてください」と、言って、牛になるまんじゅうを出しました。

这时,老奶奶说着「肚子饿了吧。马上晚饭就可以做好了,在那之前吃个馒头吧」拿出了会变牛的馒头。

するとお坊さんは、町で買ってきたまんじゅうをその横へ置き、「いや、わたしもまんじゅうを買って来たところです。おばあさんのまんじゅうもおいしそうだが、こっちも食べてみてくださいよ」と、言いながら、牛になるまんじゅうと素早くすり替えて、おばあさんに渡しました。

于是和尚把在街上买的馒头放在它旁边,一边说着「哎呀,我也买了馒头。老奶奶的馒头看着也很好吃,不过你吃吃我这个吧」,一边把会变牛的馒头偷换掉,递给老奶奶。

「それなら、先にあなたのまんじゅうをいただきましょうか」そう言っておばあさんは、お坊さんに渡されたまんじゅうを食べました。

「这样的话,就先吃你的馒头吧」老奶奶这样说着,就把和尚递过来的馒头吃掉了。

するとその途端、おばあさんの姿はみるみる牛になってしまったのです。

刚吃掉馒头,就眼看着老奶奶变成了牛。

こうしてお坊さんは、恐ろしい宿屋の主人を退治したのでした。

和尚就这样惩罚了可怕的客栈主人。

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