高級観賞魚・ニシキゴイの人気が、中国などアジアの富裕層の間で急速に高まっている。いまや、高価格帯購入者の約8割を外国人オーナーが占めると言われ、昨年のオークションでは、最高1匹2億円もの高値で中国人に競り落とされた。

高级景观鱼·锦鲤在中国等亚洲国家的富人阶层中人气极速攀高。据说目前以高价购入锦鲤的顾客中80%是外国人,去年的拍卖会上,一条锦鲤以2亿日元的高价被中国人成功竞拍到。

日本政府は、農林水産物・食品の輸出額1兆円の達成を目標とする中、主要品目として海外への販路拡大を進めようとしている。自民党でも、ニシキゴイの輸出振興を目指す議員連盟が発足。果たして、その実態は。

日本政府制定了农林水产品·食品出口额要达到1兆日元的目标,其中锦鲤作为主要出口产品计划扩大其海外销路。自民党更是组建了旨在振兴锦鲤出口的议员联盟。这一系列现象的背后,究竟是。

1匹2億円の「泳ぐ宝石」

一条2亿日元的“游动宝石”

ニシキゴイは日本原産の観賞魚で、高級魚では1匹数千万円以上もの値がつくため、「泳ぐ宝石」とも呼ばれてきた。新潟県が発祥で、いまも業者の6割が集中する。長年、多くの日本人に一種のステータスシンボルとして親しまれてきたが、近年では自宅の庭に池を作る人も少なく、かつてほどはみられなくなった。

锦鲤是日本原产的观赏鱼,高级品种单条的价格就可高达千万日元以上,被称作’游动宝石’。新泻县是锦鲤的故乡,如今60%的锦鲤养殖者依旧集中于此地。多年来,锦鲤被众多日本人视为身份地位的象征而深受喜爱,但近些年越来越少的人在自家庭院内安置池塘,人们对锦鲤的热情也大不如前。

一方、海外での人気は近年高まっており、欧米に加え、中国、タイなどアジア向けの輸出が伸びている。財務省貿易統計によると、2018年の輸出額は15年前の3倍となる43億円に上った。

另一方面,近年锦鲤在海外的人气高升,除欧美外,出口中国、泰国等亚洲国家的数量也在增加。根据财务省贸易统计,2018年的出口额达到43亿日元,是15年前的3倍。

近年のニシキゴイを取り巻く状況について、中国の顧客とも取引がある新潟県の養鯉業者はこう明かす。

与中国顾客有贸易往来的新泻县锦鲤养殖者对近年来锦鲤的市场情况进行了如下说明。

「中国人のお客さんが増えてきたのは、大体10年くらい前からですかね。ニシキゴイといってもピンキリで、安いものは1匹数百円からありますし、高いものだと1匹1000万円以上するものもあります。

“大概在10年前中国客人开始逐渐增加。锦鲤也是有优有劣的,便宜的一条只要几百日元,一条值1000多万日元的高级锦鲤也是有的。

1000万円以上の高級魚となると全体の1%くらいですが、この部分のおよそ8割を外国人、特に中国人富裕層オーナーが所有してます。中国にも日本文化が好きな人がいて、日本庭園を造るとき、『やっぱりニシキゴイがなくちゃ』と考えるみたいですよ。

而价值1000万日元以上的高级锦鲤占整体的1成左右,而购买高级锦鲤的人中外国人尤其是中国的富豪占了八成。中国也有一些热爱日本文化的人,在修建日本庭院时会考虑‘果然还是得买几条锦鲤啊’

また彼らにとっては、日本の品評会で勝った鯉を持つのがブランドになるみたいで、育てるのは日本国内で、という契約にしています。サラブレッドみたいなものですね。もちろん生き物ですから、売却したあとに死んでしまう場合もありますが、購入から1年以上経過した場合はおとがめなしということがほとんどです。日本である程度実績を上げたニシキゴイを、中国の自宅に戻して鑑賞するという人が多いです」

对于他们来说,拥有在日本品评会上获胜的锦鲤就如同有了名牌品,于是签下协议将买入的锦鲤放在日本国内培育参赛。和英国纯种马是差不多的。但锦鲤毕竟是活物,也有售出后死掉的情况,不过售出后一年以上的锦鲤死掉是无可厚非的。很多人会把在日本获得一定成绩的锦鲤带回中国自己家欣赏。”

国内で飼育委託されている分を入れれば、ニシキゴイマーケットは財務省貿易統計の倍以上、100億円規模の立派な「輸出市場」になるという。

如果算上日本国内被买主委托饲养的锦鲤在内,锦鲤市场是财务省贸易统计的一倍以上,即100亿日元的庞大‘出口市场’。

事実、全日本錦鯉振興会が毎年開催する品評会では、今年2月に開催されたものを含めた直近5回のうち、中国人が所有するニシキゴイが4回優勝している。

事实上,全日本锦鲤振兴会每年都会举办品评会,包括今年2月举办的在内,在最近5次品评会中,中国人所有的锦鲤获得了4次优胜。

「実はこの5回のうち、1回だけ日本人オーナーの持つニシキゴイが優勝したのですが、これを中国人オーナーが買い取って再出品したのが、5回目で優勝したニシキゴイなんです。

“事实上这5次比赛中,日本人所有的锦鲤只赢得了第五次比赛这一次,那条锦鲤还是从中国顾客那里买回来的。

このコイは、昨年に広島県三原市で開かれたオークションで、約2億円という史上最高額で落札されたものです。この時はさすがに異例の高値ですから、現地に集まった国内外のバイヤーの反響はすごかったですね。

这条鲤鱼是去年在广岛县三原市举行的拍卖会上以将近2亿日元的史上最高价竞拍买下的。因创下史无前例的价格,集聚在会场的国内外买家的反响极为强烈。

(大手寿司チェーンの)すしざんまいが、今年の初競りでクロマグロを史上最高額の約3億3000万円で落札していましたが、マグロはあくまで売り物ですからね。その点、ニシキゴイは解体してお店で出すわけでもないですから、贅沢品としての性格は余計に強いと思います」(前出の養鯉業者)

(大型寿司连锁店)喜代村寿司的老板在今年的初次竞拍中以史上最高价约3亿3000日元拍下一条金枪鱼,但金枪鱼毕竟是可售的商品。而锦鲤被拍下后并不会在店里出售,作为奢侈品更显其强势。”(前文提到过的锦鲤饲养者)

だが最近では、日本から輸入したニシキゴイを中国で繁殖させて、販売する中国人業者が増え始めているという。広島県のある養鯉業者は、こう懸念する。

而且最近,从日本进口锦鲤到中国繁殖再进行售卖的中国锦鲤业者开始增多。广岛县的一些养鲤业者对此很是担忧。

「最高級グレードの鯉を育てる技術は向こうにありませんから、数百円から数万円までのグレードを育てて、中国国内やタイなどの東南アジア諸国で販売しているようです。単価がそれほど高くはないとはいえ、この価格帯はボリュームゾーンですから、早めにマーケットを取りに行かないと今後の輸出に影響が出てしまいます。

“中国没有饲养最高级品种锦鲤的技术,所以一般是饲养出价值几百日元到几万日元的锦鲤销售到中国国内、泰国等东南亚国家。虽说单价并不高,但是价格正好面向收入中等的消费者,因此不尽早抢占市场的话会影响今后的出口贸易。

最近話題になっている和牛の国外流出でも、オーストラリアで外国人業者が『WAGYU』として繁殖させ、東南アジアのマーケットを取られてしまった歴史がある。あながち、中国産の『NISHIKIGOI』が海外で幅をきかせるようになる可能性が低いとは言えません」

最近和牛出口成为了热门话题,历史上曾有过澳大利亚的外国养殖者繁殖“和牛”并抢夺下东南亚市场的事。很难说中国产的“日本锦鲤”不会在海外市场得到一片天地。”

本内容为沪江日语原创翻译,严禁转载。

相关阅读推荐:小林制药:中国人“爆买”奶活的日本企业