最新版・世界各国の「繁栄指数」を見てみると、社会や地域における人々の信頼関係や結びつきを表す「ソーシャル・キャピタル(社会関係資本)」のランキングで、日本は全世界149カ国中、101位。先進国の中では最低だといいます。

纵观最新版全球繁荣指数,会发现日本在反映人们在社会和地区中信赖关系及相互联系的“社会关系资本”这一排名中,是全球149个国家和地区中的第101位。是发达国家中排名最低的。

*全球繁荣指数是英国列格坦研究机构基于经济、创业机遇、政府管制、教育、健康、安全、个人自由、社会关系资本,八个方面对全球一百多个国家和地区进行考量,进而形成的综合榜单,反映国民财富水平和幸福程度。

日本はほかの指標、例えば「健康」や「安全性」などでは高い数値を獲得しているが、この「ソーシャル・キャピタル」だけが突出して低い。

日本在诸如“健康”、“安全”等方面都获得了高评分,唯有“社会关系资本”这一项明显的低。

「中高年の男性にとって最大の脅威は喫煙でも肥満でもない。それは孤独だ」(ボストン・グローブ紙)、「慢性的な孤独は現代の伝染病」(フォーチュン誌)――。海外では、「孤独」は健康に甚大な影響を与える最大のリスクである、という認識が急速に広がっている。

“对于中老年男性来说,最危险的不是吸烟或肥胖,而是孤独。”(波士顿环球报)

“慢性孤独是现代传染病。”(财富杂志)

“孤独”是对健康有着重大影响的最大风险,这一认知在海外正广泛而快速地传播着。

その根拠となっているのが、近年、欧米で明らかになった数多くの学術的研究だ。

而支撑这一观点的依据则来自于近年来欧美公布的许多学术研究成果。

約30万人以上のデータを対象としたアメリカの調査では、「孤独な人は、人的つながりを持つ人に比べて早死リスクが50%高くなる」という結果が出た。

根据美国以30万以上的人为调查对象的研究结果表明,比起维持着人际关系的人,孤独者的早死风险要高50%。

また、「孤独」の死亡リスクに対する影響は(1)一日にタバコ15本を吸うことに匹敵、(2) アルコール依存症であることに匹敵、(3) 運動をしないことよりも大きい、(4) 肥満の2倍大きい、と結論づけられた。孤独は心臓病や認知症など多くの疾患のリスクを高めることもわかっている。

而且结论称,孤独对健康造成的危害:

(1)堪比一天吸15支烟

(2)堪比患有酒精依赖症

(3)比不运动的危害还要大

(4) 是肥胖造成危害的两倍

孤独还会使患上心脏病、痴呆症等许多病症的风险提高。

昨年10月には、アメリカ連邦政府の前公衆衛生局長官、ビベック・マーシー氏が「孤独は深刻化する伝染病」という論文を発表し、話題を集めた。

去年十月,前美国卫生部长维韦克·默菲发表文章称“孤独是严重的传染病”,成为话题。

2018年1月17日には、イギリス政府が、「孤独担当相」を新たに任命すると発表して、世間を驚かせたが、これは、この切実な問題に国を挙げて取り組むべき、という危機意識の表れだった。

英国政府在2018年1月17日任命了首位孤独部长,使世人震惊。但这也表明了英国政府有举全国之力应对这一迫切问题的危机意识。

こうした流れと逆行するように、日本では、「孤独のすすめ」「おひとりさま」などと、「孤独」を美化し、奨励する考え方が人気を集めているが、実はその裏で、日本は世界に冠たる孤独大国になりつつある。

和这一趋势相悖,日本则通过“孤独のすすめ(日本84岁作家五木宽之的著作,提出人生后半除了儿孙绕膝,也可以选择享受孤独,发现自我的幸福。)”“おひとりさま(对一人用餐的客人尊称,逐渐成为一种生活方式,一人唱歌、一人烤肉等等;此外也用来形容过了婚期的女性,包含赞颂单身的意义。)”等等,将孤独美化,鼓励人们接受孤独的思考方式很受追捧,而这背后是日本正成为世界第一孤独大国的事实。

国際機関OECD(経済協力開発機構)の調査によれば、友人、同僚、その他コミュニティの人と「ほとんど付き合わない人」の比率は15.3%と平均(6.7%)の2倍以上、加盟国中トップだった。オランダの2.0%、アメリカの3.1%、ドイツの3.5%などに比べると差は歴然だ。

根据国际经济合作与发展组织OECD的调查,日本人中基本不与朋友、同事、或有着其他社会关系的人交往的比例为15.3%是平均(6.7%)的两倍以上,是这一组织加盟国中比例最高的。和荷兰的2.0%、美国的3.1%、德国的3.5%相比,差距十分明显。

「孤独に耐えろ」は「水を飲まずに我慢しろ」と同じくらい残酷

“忍耐孤独”和“渴的时候忍着不喝水”一样残酷

「孤独」とはそもそも、「頼りになる人や心の通じ合う人がなく、ひとりぼっちで、さびしいこと(さま)」を指す。

孤独本来是指,孤身一人,没有值得信赖和心意相通的人,很寂寞的状态(人)。

「孤」は誰にも頼れず、精神的に「孤立」し、苦痛を覚えるというネガティブな主観だ。

“孤”是没有人能依赖,精神上处于孤立状态,感受到痛苦的消极的主观意识。

一方で、日本では、「独りで独自」の時間を過ごし、楽しむことをも「孤独」ととらえられている。

而另一方面,在日本,“孤独”也有一个人度过特有的时间,享受其中的意思。

英語では、ポジティブな意味合いの「Solitude」(個人が能動的・自発的に一人を楽しむこと)と、ネガティブな「Loneliness」(自らの意思に反して、疎外感や孤立感を味わうこと)とに分かれているが、日本語では、「個独」という「良いこどく」と、「孤独」という「悪いこどく」がひとくくりになり、結果として、「孤独」が美化されているきらいがあるように感じる。

英语中会用积极意义的“Solitude”,形容个人能动自发地享受一个人的状态,以及消极意义的“Loneliness”,形容有别于自我意志,觉得被疏远、被孤立,这样两个词来进行区分。而在日语中,积极意义的「個独」却和消极意义的「孤独」被一概而论,结果「孤独」一词感觉还是有被美化了的倾向。

人間は本来、自らの生存のために、何より、他者との結びつきを必要とする「社会的動物」だ。敵を倒すために共に戦う。食べ物を共に確保し、分け合う。孤立はすなわち「死」を意味していた。

人类本就是为了生存必须和他人产生联系的社会性动物。为了打倒敌人一起战斗。一起保存和共享食物。被孤立也就意味着死亡。

「孤独」は、のどの渇きや空腹、身体的な痛みと同じ脳の回路によって処理され、同等、もしくはそれ以上の苦痛をもたらす。

孤独和口渴、饥饿、疼痛一样,由大脑中同一神经环路处理,孤独和这三者一样,甚至更能使人感到苦楚。

そのつらさを避けようと、水を飲んだり、食べ物を口にするように、孤独な人も「苦痛」から逃れるために、自らつながりを求める。これが人を孤独から遠ざける、本能的なディフェンスメカニズム(防御機能)の基本的な仕組みだ。

我们为了避开这一痛苦而喝水、吃东西,而孤独的人为了逃避被孤立,也会自己寻求和他人的联系,这是人体本能的防御机制。

しかし、我慢強さが美徳の日本では「孤独」という気持ちにフタをして、それに耐えるべきだという精神論がまかり通っている。

但是,在以忍耐为美德的日本,孤独这种感情被放置不理,流行着应该经受住孤独的论调。

全国民の問題となりつつある孤独だが、特に事態が深刻なのが、中高年の男性だ。

孤独正成为日本全民的问题,而其中情况最为严峻的是中老年男性。

その背景には、日本の特殊な労働文化がある。

这一问题背后是日本特殊的职场文化。

長時間労働の中で、友人や趣味などを作る暇もなく、汗水たらして働き、気がつくと退職の日を迎えるという人も少なくない。

不少人在长时间的工作之外,没有交友和培养爱好的空闲,只是一味埋头工作,等发现的时候已经面临退休。

散々、「やりがい」を搾取された挙句に、定年で会社システムから「強制退去」という憂き目にあう。転職することもなく、一生、同じ会社に働き続けることの多い日本のオジサン。

一直以来,用“工作是你人生的价值”来榨取劳动力,结果到了退休的年龄却要一尝被公司体制强制驱逐的苦头。很多日本大叔都是一辈子没有换过工作就这样在同一家公司工作到老。

40年近くも引っ越しもせず、住み慣れた「家」を追い出される恐怖感・絶望感は、例えようのないものだろう。

40年没有搬过家,从住惯了的房子里被赶出来的恐惧和绝望,是难以形容的。

「仕事が、生きがいなわけではない」。そう思っていても、やりがいや仲間、居場所を提供してくれていた職場を失い、「認められない」「必要とされていない」といった思いにとらわれる。まるで、自分が「透明人間」になってしまったような寂しさと満たされぬ承認欲求を抱えた「不機嫌なオジサン」が増えていく。

即使认为“工作并不是人生的全部”,可一旦失去了获得自我价值、伙伴、居所的职场,难免会觉得“自己不被认可”“自己不被需要”。自己好似透明人一般,因为寂寞和不被认可而成为不快的老头的人正在增加。

精神科医は「サラリーマン男性の場合、退職して、肩書きを失うと、何者でもなくなってしまう。家庭内でも外のコミュニティでも居場所が見出せず、気がつけば趣味もなく、被害者的になり、何でも他人のせいにするような歪んだ精神構造になる」と指摘する。

精神科医生指出“作为公司职员过了一辈子的男性,退休后失去头衔,不论是家庭内还是社会上都找不到立足之地,也没有个人爱好。精神开始扭曲,把自己放在被害者的立场上,觉得什么都是别人的错。”

もう一つ、「男性の孤独」の裏にあるのが、「男のプライド」という厄介な代物だ。特に、終身雇用、年功序列制度という「タテ社会」の中で、上意下達の「ポジショントーク」を40年間続けると、フラットな立ち位置で胸襟を開いたコミュニケーションがなかなかできなくなってくる。

而还有一个造成“男性孤独”的要因则是“男人的自尊”这一麻烦的东西。特别是在终身雇佣和年功序列制度下的格差社会生活了40年,习惯了在组织内用命令的口吻和下级说话,已经很难在平等的位置和别人进行敞开心胸的对话。

実際に、こうした要因から、定年退職後に、家に引きこもる高齢男性が激増している。

实际上,正因为如此,退休后选择家里蹲的高龄男性急剧增加。

別にいつも人と群れることをおススメするものでもない。趣味でもいい、近所の友人でもいい、何らかの形で社会とつながりながら、一人の時間を楽しむ心構えを現役の内からしておくことが必要だろう。

并不是说一直要和别人一起行动。而是还在工作的时候,培养兴趣爱好也好,和住得近的友人相聚也好,有必要在和社会保持一些联系的基础上,做好享受一个人时间的思想准备。

人的一辈子终究是一个人的战斗,但最强的斗士不会只为自己一人而战。

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