女優・ 門脇麦(28)の存在感が年を追うごとに増してきている。今やテレビドラマや映画の世界で欠かすことのできない役者と言ってもいいだろう。同世代の若手女優が数多く台頭するなか、彼女はなぜ独自のポジションを築き上げるに至ったのだろうか。

女演员门胁麦(28)的存在感在逐年增强。说她是当下电影电视剧行业不可欠缺的演员也不为过。在众多飞速成长的同时代年轻女演员中,她是如何确立自己独特的地位的呢?

1992年生まれの門脇は、2011年に学園ドラマ『美咲ナンバーワン!!』(日本テレビ系)で生徒役の一人として女優デビューを飾った。その後2014年に複数の出演映画での演技が認められ、各新人賞を獲得。2016年には初の単独主演を務めた映画『二重生活』が公開されることとなる。

1992年出生的门胁,于2011年出演校园剧《美咲NO.1!!》(日本电视台)中的学生一角,以女演员的身份出道。之后在2014年出演的多部电影中的演技得到认可,获得了各项新人奖。2016年首次单独主演的电影《双重生活》即将上映。

そんな彼女が役者の道に進むきっかけとなったのは、宮崎あおいと蒼井優という二人の女優が10代にして映画で活躍している姿を高校時代に目にしたことだったという。映画評論家の小野寺系氏は、これら二人の先輩女優と比較しつつ、門脇の特徴をこのように解説する。

在高中时代,宫崎葵和苍井优两位女演员在十几岁时活跃在电影中的身姿成为了她走上演员之路的契机。电影评论家小野寺系在与这两位前辈女演员进行比较的同时,对门胁的特征进行了这样的解说。

「憧れの俳優二人とも、誰もが知る圧倒的なキャリアの持ち主で、10代の頃から名を馳せている存在です。宮崎あおいは、『EUREKA ユリイカ』や『害虫』、蒼井優は『花とアリス』と、代表的な日本のフィルムメイカーの作品に出演し、10代の頃から認知されている強みがあります。

“她憧憬的两位演员都拥有着无人不知的绝佳演绎经历,从十几岁起就是名声大振的存在。宫崎葵参演了《人造天堂》和《害虫》,苍井优参演了《花与爱丽丝》等代表性的日本电影制作者的作品。有着从十几岁开始就被大众熟知的优势。

対して門脇は、デビューが少し遅く、目覚ましい活躍が始まるのは20代からです。10代の清廉で強烈なイメージが無いことは、日本のトップ俳優としてはハンデになっているといえますし、見た目の印象も、陽と陰でいえば、陰の雰囲気を持っていると思います。そのため、二人のように初めから主演級の俳優として扱われるわけではなかったと思います」

而相较起门胁出道稍晚,二十多岁开始了惊人的活跃。十来岁时印象全无这一点,可以说不利于成为日本顶级演员,而她外表的印象若以阴阳来形容的话,会给人一种阴森的氛围。因此,我觉得她并没有像那两人一样一开始就被当做主演级的演员来对待。”

女優デビュー時すでに10代の終わりに差し掛かっていた門脇。だが今では宮崎あおいや蒼井優に匹敵する仕事をこなしていると小野寺氏は指摘する。

门胁演员出道时刚好站在十九岁的尾巴上,但是小野寺氏指出她现在已经可以与宫崎葵和苍井优匹敌。

「初めから主演級の俳優ではなかったのですが、それだけに脇役としての存在感は強く、陰にまわることで魅力を発揮してきた部分があります。転機となったのは、過激なシーンを演じた2014年の映画『愛の渦』で、思い切った演技によって、ここから主演を務める機会が増えています」(小野寺氏)

“虽然不是从主演级别的演员起步,但正因如此,她作为配角的存在感很强烈,还将其阴郁魅力的部分发挥了出来。迎来门胁演艺转机的是在2014年的电影《爱之涡》中的激情戏,因为全身心地投入演绎,自此由她来担当主演的机会开始增多。”(小野寺氏)

「そして、さらに状況が変わってきたのは、2017年頃からの大きな役どころの仕事と、2018年からの怒涛の主演作ラッシュです。『止められるか、俺たちを』、『チワワちゃん』、『さよならくちびる』、『あのこは貴族』での主演に加え、『花筐/HANAGATAMI』や『ここは退屈迎えに来て』でも重要な役を演じています。

“随后,形势发生了进一步的变化。2017年起她开始担任重要的角色,2018年主演的作品更是爆发式地涌现出来。《我们无法阻挡》、《吉娃娃》、《再见,嘴唇》、《东京贵族女子》,除去这些主演,还在《花框》和《这里好无聊,快来接我》里面担任了重要角色。

現在、年単位のキャリアでいうと、宮崎あおい、蒼井優と並ぶ仕事をしているといえます。二人とは違う状況と出発点からのルートではありますが、個性や状況が違うからこそ、むしろ近いステージに辿り着いたのかもしれません」(小野寺氏)

现在,以年为单位,门胁的工作已经可以说是与宫崎葵、苍井优齐名了。虽然与她们二人的路线和起点不同,但正因为她自身的个性和情况的差异,反而到达了更近的舞台。”(小野寺氏)

門脇の活躍ぶりは、NHK大河ドラマ『麒麟がくる』で演じたヒロイン・駒役からもうかがえるだろう。そんな彼女が主演を務める最新の映画が『あのこは貴族』(2月26日公開)だ。小野寺氏は同作における彼女の姿を「いまの時代が求める俳優」と評価する。

门胁的活跃程度,从NHK大河剧《麒麟来了》中饰演的女主人公——驹一角也可以窥见吧。她主演的最新电影是《东京贵族女子》(2月26日上映)。小野寺评价她在该作品中的形象是“当下这个时代所寻求的女演员”。

「『さよならくちびる』、『花筐/HANAGATAMI』でも门胁麦はやはり陰にまわる側の役でしたし、今回の『あのこは貴族』では、上流階級の女性を演じながらも、能動的に生きる水原希子の役に対し、なかなか前に出ることができない役を演じています。そうした、ある意味鬱屈した役柄というのは、俳優として、われわれ観客に共感を抱かせるイメージがあるといえます。

“在《再见,嘴唇》、《花框》里面门胁麦也是饰演阴沉沉的角色,此次在《东京贵族女子》里,演绎了上流阶层的女性,与积极主动生活的角色水原希子形成对比,是一个难以向前迈进的角色。如此从某种意义上来说也是一个阴郁的人物,也可以说是她作为演员,为我们观众带来共鸣的一种形象。

そういう意味では、いまの映画には、主役に観客とつながる部分が必要とされるケースが増えているのではないかと感じます。そういった見方では、門脇はいまの時代が求める俳優だといえると思います」(小野寺氏)

按照这个说法,我感觉现在的电影,需要主角与观众相通的部分的情况越来越多了。从这个角度来看,我觉得门胁是当今时代所寻求的演员。”(小野寺氏)

10代の頃の宮崎あおいと蒼井優も、当時の時代に求められていた側面があったのではないだろうか。そんな二人の女優に憧れて一人の高校生が稀有な役者へと変貌を遂げたように、銀幕に映る門脇麦の姿に魅せられた少年少女の中から、今後役者の道へと進んでいく人物も現れるのかもしれない。

青少年时期的宫崎葵和苍井优,也反映了当时时代所需求的一面吧。就像一名高中生因为憧憬这两位女演员而蜕变成稀有演员一样,被荧幕上门胁麦的形象所吸引的少男少女中,今后也可能会出现迈向演员之路的人物。

本内容为沪江日语原创翻译,严禁转载。

相关阅读推荐:

“我并不是演员”草彅刚:我做的事情都只是“喜欢”而已