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むかしむかし、千歳山のに、あこや姫という、とても琴の上手なおさまが住んでいました。

很久很久以前,在千岁山的山脚下,住着很擅长弹琴的女子叫阿古矢姬。

ある夜の事、あこや姫が琴を弾いていると、♪ピーヒャララと、どこかからか素晴らしい笛の音が聞こえてきました。

一天晚上,阿古矢姬正在弹琴的时候,不知道从哪里传来了嘟嘟啦啦的美妙的笛子声。

あこや姫がその笛の音色に聞き惚れて、思わず琴の手を止めると、その笛の主である若者が姿を現して、こう言いました。「私は、名取の左衛門太郎という者です。あなたの琴の音に惹かれて、ここまでやって来ました。さあ、あなたの琴をお聞かせ下さい」

阿古矢姬被笛子的音色迷住了,不知不觉中停止了弹琴。这时,笛子的主人出现了,年轻人说道:“我是名取的左卫门太郎。我被你的琴声吸引来到这里。请让我听你弹琴吧。”

「はい。それでは、ご一緒に」

“好的。那我们一起吧。”

それからというもの、あこや姫が琴を弾き始めると、若者は笛を吹きながら現れるようになったのです。

话说从那之后,阿古矢姬只要一开始弹琴,年轻人就会吹着笛子现身。

そんなある日の事、今日も笛を吹きながらやって来た若者が、沈んだ表情であこや姫に言いました。「実は私は、千歳山の老松なのです。明日、私は、流された名取川の橋材として切り倒される事になったのです。ですから、もうここには来られなくなりました」

有一天,如往常一样吹着笛子出现的年轻人一脸沉重的表情,对阿古矢姬这样说道:“其实我是千岁山的老松树。明天我要被砍掉做被冲走的名取川的桥了。所以以后就不能到这里来了。”

若者はそう言って悲しくほほえむと、すーっと、煙のように姿を消してしまいました。

年轻人说完苦笑着就嗖的一下好像烟雾一般消失了。

次の日、あこや姫が名取川にいってみると、左衛門太郎が言っていた通り、村では名取川の大橋が洪水で流されていて、その代わりに老松が切られる事になっていたのです。

第二天,阿古矢姬去了名取川一看,正如左卫门太郎所说的一样,村子里名取川的大桥被洪水冲走了,所以要砍老松树来做桥。

「そんな・・・」びっくりしたあこや姫が、その老松の所へ行ってみると、すでに老松は切り倒された後でした。

“怎么可能・・・”阿古矢姬吃了一惊,来到老松树地方一看,老松树已经被砍倒了。

けれど不思議な事に、村人たちがその老松を運ぼうとしても、老松は見えない根でも生えているかのように、びくとも動かないのです。

但是不可思议的是,村民们想要搬运老松树时,那老松树就好像生了根一样纹丝不动。

けれど、あこや姫が老松のそばに来て、切られた老松に手をかけると、今までびくともしなかったのが嘘のように、老松は動き出したのです。

可是,阿古矢姬来到老松树旁边,将手放在砍倒的老松树上时,奇迹发生了,一直纹丝不动的老松树居然开始动了。

それから数日後、あこや姫は老松が切られた場所に若松を植えて、万松寺を建てて菩提を弔ったのです。

在那之后过了几天,阿古矢姬在老松树被砍倒的地方种了小松树,建了万松寺替死者祈福。

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