むかしむかし、日向の国(ひゅうがのくに→宮崎県)に、伊波礼毘古命(いわれびこのみこと)という人がいました。

很久很久以前,在日向国(ひゅうがのくに→宮崎県),有个叫伊波礼毘古命的人。

伊波礼毘古命は、高千穂(たかちほ)というところで国を治めていましたが、そこはあまりにも小さくはしっこの国だったので、もっと東の方へ移ろうと軍隊をひきいてそこを出発しました。

伊波礼毘古命治理着一个叫做高千穗的地方,但是由于那里太小了,是个边境国家,所以想再往东边迁移,就召集军队出发了。

そして海を渡ったり陸を進んだりと、長い月日を歩きまわりました。

然后漂洋过海,穿山越岭,长年累月地行进着。

ある年の夏、伊波礼毘古命の軍隊が今の大阪湾から陸へあがろうとした時の事です。

有一年夏天,伊波礼毘古命的军队从现在的大阪湾登陆。

大和の国(やまとのくに→奈良県)の田舎に方にいた、長髄彦(ながすれひこ)という人が、「伊波礼毘古命の軍隊がここへ来たのは、きっと、わたしたちの国を奪い取るつもりなのだろう」と、思い、たくさんの兵隊を集めて待ち構えました。

在大和国(やまとのくに→奈良県)的乡下,有个叫长髓彦的人,他想着「伊波礼毘古命的人来这里,肯定是想占领我们的国家」,就召集了很多兵队等候着,

そして伊波礼毘古命の軍隊が乗った船が浜辺に着くと、いきなり弓矢を放ってきたのです。

等到伊波礼毘古命的军队乘的船只一靠岸,就突然放箭。

伊波礼毘古命の軍隊は盾で飛んで来る矢を防ぎながら、陸に上がって戦いました。

伊波礼毘古命的军队一边用盾挡飞来的箭,一边登陆作战。

この戦いで伊波礼毘古命の兄さんが、長髄彦の矢に当たって深い傷を受けました。

因为这次战斗,伊波礼毘古命的哥哥被长髓彦的箭射中受了重伤。

兄さんは、その傷を押さえながら言いました。「わたしたちは太陽の子でありながら、太陽の方に向かって戦ったのが間違いだった。これから遠回りをして、太陽を後ろにして戦おう」

哥哥按着伤口说道「我们是太阳之子,所以向着太阳方向作战是错误的。我们绕远路背着太阳作战吧」

そこで伊波礼毘古命の軍隊は、もう一度船に乗って南の方へ回る事にしました。

因此伊波礼毘古命的军队的再一次坐上船,绕到南方去了。

その途中、兄さんは矢の傷が原因で亡くなってしまいました。「よし、兄さんのかたきは、きっと取ってみせるぞ」伊波礼毘古命は、長髄彦を倒す決心をしました。

在那途中,哥哥因为剑伤死了。「好,一定要为哥哥报仇」伊波礼毘古命下定决心要打倒长髓彦。

伊波礼毘古命の軍隊が陸にあがると、別の新しい敵がいました。

伊波礼毘古命的军队登陆后又遇到了新的敌人。

この敵を倒すため、けわしい山道を道案内をしてくれたのは、『八咫(やた)ガラス』という、カラスでした。

为了打败敌人,为他们行进险峻山路带路的是只叫做「八咫玻璃」的乌鸦。

こうして伊波礼毘古命の軍隊は、ようやく長髄彦のいるあたりへ来ました。

就这样,伊波礼毘古命的军队终于来到了长髓彦所在地的周围。

長髄彦も、伊波礼毘古命の軍隊が攻め込んでくる事を早くから知っていたので、敵ながら力一杯戦いました。

长髓彦早就知道伊波礼毘古命的军队会来进攻,所以全力应战。

そのうちに長髄彦の方の兵隊の勢いが強くなり、伊波礼毘古命の軍隊は負けそうになってきました。

渐渐地长髓彦的军队气势强大,伊波礼毘古命的军队好像就要输了。

「このままでは、味方がやられる!」伊波礼毘古命がそう思った時、にわかに空が暗くなって大雨が降って来ました。

「这样下去,就要被打败了!」伊波礼毘古命这样想着的时候,突然天空暗了下来,下起了大雨。

そして大雨の中を、どこからか金色のトビが飛んで来て、軍隊を指揮している伊波礼毘古命が持った弓のてっぺんに止まったのです。

而且,大雨中不知从哪里飞来一只金色的老鹰,停在了指挥军队的伊波礼毘古命的弓箭的顶端。

「うわっ、まぶしい!」長髄彦の兵隊は、驚いて叫びました。

「呜哇,好刺眼啊!」长髓彦的兵队吃惊地叫了起来。

その金色のトビの放つ光が、まるで稲光の様に見えたのです。

那只金色老鹰放出来的光,就好像闪电一般。

「これは、たまらん!」敵はまぶしさに目がくらんでしまい、戦うどころではありません。

「这可受不了啊!」敌人受那刺眼的光影响,头昏眼花的,更别说战斗了。

おかげで味方の軍隊は勢いを取り戻して、伊波礼毘古命は長髄彦を討ち滅ぼす事が出来たのです。

为此自己这一方的军队又恢复气势,伊波礼毘古命也成功消灭了长髓彦。

この伊波礼毘古命という人が、神武天皇(じんむてんのう)なのです。

这个叫做伊波礼毘古命的人就是神武天皇。

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