むかしむかし、金沢(かなざわ)に、お銀(おぎん)と小金(こきん)という仲の良い姉妹がいました。

很久很久以前,在金泽住着关系很好的小银小金两姐妹。

でも、その姉妹は腹違いの姉妹で、それぞれに産んでくれたお母さんが違います。

但是,那两姐妹是同父异母的姐妹,两人的母亲不一样。

姉のお銀の母親はお銀が小さい頃に死んでしまい、妹の小金の母親はお銀の父親と結婚してから小金を生んだのです。

姐姐小银的母亲在小银很小的时候就死了,妹妹小金的母亲和小银的父亲结婚之后生下了小金。

そして新しい母親は自分が産んだ小金ばかり可愛がって、血のつながっていないお銀には冷たくあたります。

新妈妈只疼爱自己生的小金,对没有血缘关系的小银却很冷漠。

母親は、お銀が不幸になっても、小金さえ幸せなら良いと思っていました。

母亲认为即使小银很不幸,但是只要小金幸福就好了。

ある日の事、お銀の父親が仕事で江戸(えど→東京都)に行く事になりました。

有一天,小银的父亲因为工作关系去了江户。

母親は良いチャンスだと思い、お銀を山へ連れて行って殺してやろうと思ったのです。

母亲认为这是个好机会,就想着把小银带到山上去把她杀了。

そうとは知らない、お銀と小金は、「わあ、きれいなお花だこと」「こっちにも、きれいなお花が」と、言いながら母親に連れられるまま、どんどんどんどんと山奥へ入って行きました。

完全不知情的小银和小金,一边说着「哇,好漂亮的花啊」「这里也是,好漂亮的花啊」一边由母亲带着,渐渐地渐渐地往山里走去。

そして母親はお銀に気づかれない様に、小金だけを連れて家へ帰ってしまいました。

母亲趁着小银没发现的时候,只带着小金回家了。

お銀がふと気がつくと、小金も母親も見当たりません。

小银突然注意的时候,发现已经找不到小金和母亲了。

悲しくなったお銀は、「かあさま!小金ちゃん!」と、泣きながら、帰り道を探しました。

悲伤的小银一边哭喊着「妈妈!小金!」一边找回家的路。

そしてその日の夜遅く、お銀は泥だらけになりながらも家に帰って来ました。

那天晚上很晚了,小银一身泥巴总算回到了家。

心配していた小金は、涙を流して喜び、「よかったわ、よかったわ」と、言いながら心の中で、(ごめんね、お銀ちゃん。かあさまを許してやってね)と、謝るのでした。

小金很担心,看到回来的小银流着泪高兴地说道「太好了,太好了」,而在心里却默默地道歉「对不起,小银。请原谅妈妈」

ところが母親は、くやしそうな顔で、「道に迷うなんて、馬鹿な子だよ」と、言うと、また次の方法を考えていました。

而母亲却一脸不甘地说道「居然会迷路,真是个笨小孩」一边又在想别的方法。

それから数日後のある日、母親はまたお銀を殺そうと、下男(げなん)に犀川(さいがわ)の岸辺に大きな穴を掘らせました。

过了几天之后,母亲又想杀了小银,就让男仆在犀川岸边给她挖了个大坑。

そして、嫌がるお銀を無理矢理引っ張って行って、その穴の中に突き落したのです。「さあ、今度こそ、お前も終わりだよ!」母親はそう言うと、そのまま帰ってしまいました。

母亲硬是把讨厌的小银强拉到坑边,把她推了下去。「这次,你死定了」母亲说完就回家去了。

すると、この様子を見ていた小金は、その穴に近づいて、「お銀ちゃん!大丈夫!」と、呼びかけました。

看到这一幕的小金走到坑边,喊道「小银!你还好吗!」

すると穴の中から、「小金ちゃん助けて!水が入ってくるの。どんどん深くなってくるの」と、お銀の声がします。

从坑里传来了小银的声音「小金救救我!有水进来了。正在一点点变深呢」

でも、子どもの小金には、どうする事も出来ません。

但是,还是个小孩子的小金什么忙都帮不上。

やがて、お銀の声は全く聞こえなくなってしまいました。

不久,就完全听不到小银的声音了。

「お銀ちゃん!お銀ちゃん!かあさまを許してあげてね。その代わりにわたしも、お銀ちゃんのそばへ行くから」小金はそう言うと、自分も深い穴の中に飛び込んでしまいました。

「小银!小银!你要原谅妈妈啊。为了替她赎罪,我来陪你吧」小金这样说着,自己也跳进了深坑里。

今でも法年寺(ほうねんじ)には、この二人のお墓があるそうです。

听说即使现在,在法年寺还有这两个人的墓。

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