むかしむかし、ある村のお寺に、とても力持ちの和尚さんがいました。

很久很久以前,在某个村庄的寺庙里,有个力大无穷的和尚。

もう、すっかり年を取っているのに、重い米だわらをヒョイと持ち上げてしまうのです。

虽然已经是一大把年纪了,但是扛沉重的米袋却轻而易举一般。

そればかりか、力の弱い若者たちを見ては、「こらこら、若い者が米だわら一つ持ち上げられないでどうする。そんな事じゃ、一人前のお百姓になれんぞ!」と、叱りつけるのです。

而且不仅如此,他还经常责备那些手无缚鸡之力的年轻人「看看,一个年轻人连袋米都扛不起来可怎么办啊。这样的话,可成不了一个像样的农民啊!」

だから村の若者たちは、面白くありません。

为此,村里的年轻人很不服。

「年寄りの和尚さんから馬鹿にされるなんて、くやしいなあ。」

「居然被和尚老头看扁可真是不爽啊。」

「そうだ。何とかして、和尚さんをやっつける方法を考えよう。」

「就是啊。一定要想个办法教训一下那和尚」

若者たちは集まって、相談をしました。

年轻人聚在一起讨论。

すると、一人の若者が言いました。「いくら和尚さんだって、お金入りの米だわらは担げまい」「何?お金入りの米だわらだって?」みんな、首をかしげました。

这时,有一个年轻人说道「这和尚再怎么厉害,也肯定扛不动装了金子的米袋啊。」「什么?装金子的米袋?」大家都觉得不可思议。

「そうさ、米だわらの中に、米と一緒にお金をどっさりと入れておくのさ。すると米だわらは何倍も重たくなる。そいつを和尚さんに担がせるんだ。」

「是的,就是往米袋里装入米,在加上很大一部分的金子。这样就比米袋重了很多倍。再让那和尚扛扛看。」

「なるほど。」

「原来如此。」

「さあ、わかったら出来るだけ重いお金を集めて来い。」

「那么,明白了的话就去多收集点金子来吧。」

若者たちは手分けして、重い銅のお金をたくさん集めてきました。

年轻人分开后,收集了很多重铜铸成的金币。

「しかしな、もしこのお金を取られてしまったらどうする?」

「但是,如果这些金币被拿走了怎么办啊?」

「大丈夫さ。こんなに重たいんだ、いくら和尚さんでも、持てるはずがない。」

「没关系的。这么重,就算和尚再厉害,也不可能扛得动啊」

「なるほど、これは確かにこれなら担げん。」

「原来如此,这的确是扛不动的。」

そこでみんなは、お金の入った米だわらをお寺へ持って行きました。

于是大家扛着装了金子的米袋去了寺庙。

すると、和尚さんが出て来て言いました。「何だ。いい若い者が、たった一ぴょうの米だわらをみんなで担ぐとは。全くなさけない。」

和尚出来后说道「什么。年轻人,就一个米袋还要这么多人扛啊。可真是可悲啊。」

若者の一人が、くやしいのを我慢して言いました。「とんでもない。この米だわらは特別で、いくら力持ちの和尚さんでも一人では担げませんよ。もし一人で担げたら、わしらはどんな事でもしましょう。でも、担げなかったら二度と、わしらを叱ったり、馬鹿にしたりしないで下さいよ。

其中一个年轻人忍着不爽说道「没关系。这个米袋比较特别,就算再怎么厉害的和尚也不可能一个人扛得动。如果能一个人扛起来的话,那么让我们做什么都可以。但是,如果不能扛起来的话那么就不许再责备我们,或是小看我们。」

「よしよし、わかった。約束しよう。何が入っているか知らんが、この米だわらを一人でかつぐ事が出来たら、この米だわらをもらっても良いかな?」

「好的好的,明白了。那么我们约好了,虽然不知道里面装了什么,但是如果能一个人扛起这米袋的话,这个米袋就归我了吧?」

「いいですとも。まあ、担げるならね」若者たちみんなは、(いくら何でも、こんなに重たい物を担げるはずはない。この勝負はおれたちの勝ちだ)と、思いました。

「当然可以啦。那要扛起来才行哦。」年轻人都想着再怎么厉害也不可能扛得动这么重的东西啊。所以这次打赌我们赢定了。

「それじゃあ、担ぐぞ。ペッペッ」和尚さんは両手に滑り止めのつばをつけると、米だわらをグイッと掴みました。「おおっ! なるほど、確かにこいつは重いわい。」

「那么,我要扛了哦。呸呸。」和尚往两手掌吐了口唾沫防止手滑,然后拍了拍米袋。「喔唷,这的确很重嘛。」

それを見て、若者たちは顔を見合わせて喜びました。

年轻人看到这一幕,都目目相视,暗自窃喜。

(見ろ。やっぱり、持ち上がらないぞ)

(看。还是举不起来啊。)

(さあ、今に手を離すぞ。手を離したら、みんなで大笑いしてやろう。)

(那现在就要放手喽。一旦放手,我们就大声嘲笑他。)

ところが和尚さんは、重い米だわらをヒョイと持ち上げると、そのまま肩に乗せました。「あはははは、多少は重たいが、この程度ならあと三つは担げるぞ。さて、約束通りにこいつはもらったよ」と、言って、そのままお寺に帰って行きました。

但是和尚一下子把重米袋举起来,就这样扛在了肩上。「啊哈哈哈哈,是有点重,不过这种程度的话还能再扛三袋呢。那么,按照我们的约定,这个我就收下喽」一边说着一边扛着米袋回寺庙去了。