むかしむかし、山奥の一軒家に、木こりとおかみさんと、生まれたばかりの赤ちゃんがいました。

很久很久之前,在山里住着由卖柴为生的夫妇以及一个刚出生的小孩组成的一家人。

ある日の事、木こりが仕事から戻って来ると、いろりのそばに二人のおかみさんが座っているのです。

有一天,柴夫卖柴回来,看到炕边坐着两位夫人。

「これは?」顔も着ている着物もそっくりで、どっちが本当のおかみさんか見分けがつきません。

「这是?」长相和穿着一模一样,哪个看上去都像是真的,完全分不出来。

おまけに二人とも赤ちゃんを抱いていて、赤ちゃんの顔と着物もそっくりです。(ははーん。さては、タヌキのしわざだな)

而且两人还都抱着孩子,就连孩子的脸和穿着都是一模一样的。(哈,这是狸子干的好事啊!)

木こりはわざと平気な顔でおかみさんたちの横に座ると、いろりの中に火ばし(ひばし→炭火などをつかむ金属製のはし)を入れました。

柴夫故意装出一副很冷静的样子,坐在夫人们旁边,在地炕里放入火钳(火钳→夹炭火用的金属制的棍子)。

いろりの火で、火ばしはまっ赤になりました。

因为炕火,火钳变得通红。

それをつかんで、木こりが言いました。「はて、どっちが本物かな?わしの嫁なら、耳を動かすはずだが。」

柴夫拿着火钳说道「那么,哪个才是真的呢?我的夫人,有能动耳朵的绝活呢。」

そのとたん、一人のおかみさんの耳が、ピクピクと動きました。

就在这时候,其中一个夫人的耳朵抽动起来。

「お前が偽者だ!」 木こりはいきなり、その動いた耳に火ばしをつきさしました。

「你是假冒的!」柴夫突然将火钳刺向那抽动的耳朵。

「フギャーーー!」火ばしで耳に突き刺されたおかみさんは、たちまちタヌキの姿に戻って、転げる様に逃げて行きました。

「呀—」被火钳刺到的夫人立刻恢复了狸子的原型,连滚带爬的逃走了。

「まったく、しようのないタヌキだ。」木こりはホッとして、本物のおかみさんと赤ちゃんを優しく抱きしめました。

「哎,对这狸子真是没办法啊。」柴夫松了口气,和真的夫人和孩子紧紧得抱在一起。

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