先ごろ、脚本家の宮藤官九郎が2019年のNHK大河ドラマの脚本を手掛けることが発表され、“クドカン”ファンたちをざわつかせている。クドカンといえば『大人計画』出身の脚本家で、『池袋ウエストゲートパーク』(2000年/TBS系)をはじめ、第29回向田邦子賞を受賞した『うぬぼれ刑事』(2010年/TBS系)など話題作が尽きないが、王道ではなく、どこかサブカル寄りのイメージがあった。だが朝の連続テレビ小説『あまちゃん』(2013年/NHK総合)の大ヒットにより、その人気はお茶の間のものに。今や国民的脚本家の道を歩み始めているクドカンが描く大河ドラマ、しかも近代史の物語はどのような展開になっていくのか? 注目度は高い。

前段时间,发表了编剧宫藤官九郎将担任2019年NHK大河剧编剧的消息,这让宫九饭议论纷纷。宫九是所属于剧团大人计画的编剧,以《池袋西口公园》(2000年/TBS电视台)开始,凭借《自恋刑事》(2010年/TBS电视台)获第29届向田邦子赏,创作了众多话题作品,他的作品并非日剧“王道题材”,总给人留下“亚文化”的印象。但是因晨间剧《海女》(2013年/NHK电视台)爆红后,宫九的人气也开始延伸至主流观众。如今,朝着国民编剧发展的宫九将要着笔大河剧,而且讲述的还是近代史故事,这将擦出怎样的火花?观众们十分在意。

数々の名作を経て“若者ウケの脚本家”からも脱却

产出众多名作后摆脱“面向年轻人的编剧”这一定位

宮藤官九郎は1970年生まれの46歳。俳優、作詞家、作曲家、放送作家、映画監督、ミュージシャンなど数々の肩書を持つ。『大人計画』との出合いは、ボランティアスタッフ募集から松尾の舞台に参加。自ら『大人計画』に電話して、同劇団が脚本·演出家を養成する新設の文芸部に入ったのがきっかけだ。

宫藤官九郎出生于1970年,现年46岁。编剧之外,他还是演员、词作家、曲作家、广播导演、电影导演、音乐人。之所以能进入剧团大人计画是他自己应募了志愿工作人员。当时他自己给剧团打电话,加入了当时同剧团为培养编剧、导演而设立的文艺部,以此为契机进入了这一行业。

当時は北野武監督の映画『キッズ·リターン』(1996年)や、ドラマ『二千年の恋』(2000年/フジテレビ系)で俳優としても出演していたが、そんな彼の名を劇的に有名にしたのは、今や盟友となった俳優·長瀬智也主演のドラマ『池袋ウエストゲートパーク』。その後、『木更津キャッツアイ』(2002年/TBS系)などの脚本を手掛け、阿部サダヲらとのバンド·グループ魂など、その幅広い活動が認められて2003年、ゴールデン·アロー賞特別賞を受賞。2011年には『うぬぼれ刑事』で向田邦子賞を受賞し、2013年『あまちゃん』の大ヒットでは、「朝ドラ人気を復活させた」とまで言われた。「そんなクドカンさんが大河ドラマの脚本を担当するというニュースの驚きは、個人的には斉藤由貴さん主演の昼ドラ『吾輩は主婦である』(2006年/TBS系)以来」と語るのは、長年、クドカンを取材しているテレビ誌のライター。

当时宫藤官九郎曾作为演员在北野武导演的电影《坏孩子的天空》(1996年)、日剧《两千年之恋》(2000年/富士电视台)中出镜,但使他真正成名的还是因为现在的盟友长濑智也主演的日剧《池袋西口公园》。在那之后,他又创作了《木更津猫眼》(2002年/TBS电视台),并和阿部真夫等人组成乐队魂,2003年获得杂志艺能记者会特别奖,之后在2011年凭借《自恋刑事》获得向田邦子赏,2013年又因《海女》迅速蹿红,甚至有观众称“这是晨间剧人气复活之作”。而本次进军大河剧,长期采访宫九的电视杂志记者都说:“宫九将担任大河剧的编剧,这一新闻的惊人程度就我个人而言已经能和当年操刀齐藤由贵主演的午间剧《吾辈是主妇》(2006年/TBS电视台)相提并论了。”

「クドカンさんはシナリオ教室などに通うことなく、自己流で脚本の技術を学んだ叩き上げ。さらには若者という狭い層に受けるニッチな脚本家と思われていただけに、主婦層が主なターゲットで安定した筆力も必要となる昼ドラでの起用には驚かされました。危ぶまれもしましたが、蓋を開けてみれば同年のギャラクシー賞月間賞を受賞。見事“若者ウケの脚本家”のレッテルから脱却を果たしたのです。その後、朝ドラ『あまちゃん』での成功と成長は言うに及ばず、特筆すべきは2016年の『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)。“ゆとり世代”をテーマにした社会派コメディに挑戦したのですが、ギミックなどを使わなくても充分におもしろいその脚本にテレビ誌の記者たちは唸ったものです。実際、このときのインタビューでクドカンさんは『これまで『木更津~』の“裏”と“表”のようなギミックのある作品を書くのが好きだったが、『ゆとり~』では敢えてこれを止めシンプルに描いた。自身にとって初のチャレンジ』と語っています」(同ライター)

这位记者还说,“宫九并不是科班出身,而是用自己的方式练就编剧本领。再加上他一直被认为是面向年轻人这群体有针对性的编剧,所以他着笔以主妇层为主要目标需要稳定文笔的午间剧让人很吃惊。虽然具有挑战性,但其实他因此获得2014年银河赏月间赏。可以说完美从“年轻向”编剧脱离。在那之后,我们不仅从晨间剧《海女》中看到了他的成功和成长,值得一提的是2016年新剧《宽松世代又怎样》(日本电视台),这部剧以“宽松世代”为主题,是宫九首次尝试社会派喜剧,电视杂志的记者称这部剧即使不耍机关包袱也已经足够好玩。实际上,在那时的采访中,宫九就说过“一直以来都很喜欢写《木更津》里面那种存在表里有机关的故事,在《宽松世代》中故意没有这样,而是简单地去描绘故事。这对自己来说也是新的尝试”。”

小ネタ全開の“クドカン節”が大河ドラマでも展開されるのか?

到处埋梗的“宫九风格”在大河剧中也会有吗?

そんなクドカンによる大河ドラマのテーマは“オリンピック”。1912年の日本のオリンピック初参加から1964年の「東京オリンピック」開催までの激動の52年間を描く。大河ドラマと言えば、そのイメージは時代劇。舞台となる時代は戦国時代から明治初期までが多く、現代史や近代史が描かれることは稀。だが1984年から1986年までは「近現代三部作」として山崎豊子原作·市川森一ら脚本による『山河燃ゆ』、杉本苑子原作·中島丈博脚本の『春の波涛』、橋田壽賀子オリジナル脚本による『いのち』が放送されており、大河ドラマが近代史を描くのは33年ぶりとなる。

这样的宫九将要执笔的大河剧主题为“奥林匹克”。描写从1912年日本首次参战奥运会到1964年“东京奥运会”举办令人激动的52年。说起大河剧,很多人的印象是时代剧。大河剧的舞台大多是战国时代到明治初期,很少有描写现代史或是近代史的。但是在1984年到1986年的山崎丰子原作,市川森一担任脚本的《山河燃烧》、杉本苑子原作,中岛丈博担任脚本的《春之波涛》以及有桥田寿贺子原创脚本的《命》这三部“近现代三部曲”播出之后,大河剧已经有33年没有描写过近代史了。

大河ドラマには“歴史の教科書”的な王道ドラマの印象もあるが、決して史実でガチガチに固められた作品ばかりな訳ではない。とくに当初は歴史“小説”の原作が多かったこともあり、司馬遼太郎原作の『竜馬がゆく』を筆頭に、登場人物を活き活きと描くことに重点を置いた“娯楽作品”または“時代劇の名を借りた青春劇”として成立していた。また実在の人物だけが描かれるわけではなく、大佛次郎原作?9?9岡田茉莉子ら出演の『三姉妹』(1967年)では、初めて架空の人物がヒロインに。1980年にも架空の人物を菅原文太が演じる『獅子の時代』が放送されており、同作では宇崎竜童が音楽を担当。BGMにロック系のギターが流れるというチャレンジングな作品もある。

大河剧给人“历史的教科书”一般王道电视剧的印象,但绝对不是描写实际历史的生硬作品。特别是在一开始,大河剧以历史“小说”为原作的情况很多,比如以司马辽太郎原作的《时代英雄传》为首,他们将重点放在将登场人物描绘得栩栩如生,更像是“娱乐作品”或者说“以时代剧之名的青春剧”。另外,他们不仅描写真实存在的人物,在大佛次郎原作,冈田茉莉子出演的作品《三姐妹》(1967年)中,初次以架空人物为主人公。1980年也播放了由菅原文太饰演的架空人物的《狮子的时代》,这部作品的音乐有宇崎龙童担当。BGM也挑战了实用摇滚系的吉他演奏。

「権威的、メインストリーム的なイメージがついてしまうと、どうしても挑戦がしづらくなったりフットワークが鈍ったりする。そういった意味で今回のクドカンさんの起用は、大河ドラマが勢いのあった初期~80年代に立ち返ろうとする狙いも見られます。またクドカンさんは過去のインタビューで『決して新しいことをやることが目的ではない。オーソドックスな作風であっても、自分のなかに“新しさ”があればよい』と語っていますが、同時に『見れば宮藤官九郎の作品だと分かる自分らしさも欲しい』とも話しています。“伝統”という大地の上で、少年のように歌い、踊り、笑い、遊ぶ……そんなクドカンさんらしい、これまでに観たこともない大河ドラマがお茶の間を沸かせることになるのではと期待しています」

“任何剧种只要给人留下权威、主流的印象,就会因很难挑战而停滞不前。在这一点上,本次起用宫九,可以看出是想要重返80年代大河剧势头正旺的时代。另外,宫九也在过去的采访中说过,“自己不是以新的东西为目标。就算是正统派的东西,只要里面有自己的元素就可以了”,但同时也说“想要做出让大家一看就知道是宫藤官九郎风格的作品”。在名为“传统”的土地上,像孩子一样歌唱、舞动、欢笑、玩耍....我们想要看到这样宫九风格的作品,期待这部至今从未见过的大河剧成为脍炙人口的名作。”

『池袋~』に熱狂した視聴者ももう40代以上。クドカンというとターゲットは“若者”のイメージだが、実は幅広い層にファンを持っている。そんな彼が『あまちゃん』の制作陣を得て、どのような大河ドラマを描いてくれるのか。リズム感のある心地よい笑いのなかにじんわりとした心温まる感動が織り込まれる作風が予想できる。

当年《池袋西口公园》的狂热粉丝如今也大多40多岁。虽说宫九给人的印象一直是以“年轻人”为主攻群体,但他其实有很广泛的支持者。这样的宫九在《海女》团队的基础上,将会制作出怎样的大河剧呢?想必会是一部节奏感强,让人在会心一笑的同时感受到暖意的风格吧。

同じく舞台出身の脚本家で現在放送中の『真田丸』を手がけている三谷幸喜ともその出自、経歴が重なるクドカン。その時代の空気をすくいとったエンタテインメントに仕上げ、幅広い層の共感を得るというウデも似ている。『真田丸』の評判が良いだけにクドカン大河への期待も自然と高まる。1年間という長い期間を通してどのような物語を紡ぎ出すのか、傑作が生まれることを期待して待っていてもよいのではないだろうか。

现在正在热播的《真田丸》的编剧三谷幸喜也是舞台剧出道。他们将当时时代的风格融合到现在的娱乐当中,获得了广泛的支持和认可,在这一点上两人很是相似。由于《真田丸》口碑甚好,人们对于宫九的大河剧自然也就越发期待。在一年这一漫长的创作期间,宫九将会给我们带来怎样的故事呢,就让我们一起期待,是否能见证一部新的杰作的产生吧。

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