相扑世界 希望之星

手もとの辞書で「貧乏神」を引いてみると、意外な意味にでくわす。一つはよく知られるとおり、人を貧乏にさせるという神のこと。そして二つ目に、相撲で十両の筆頭力士の称、とある。関取といえば福々しさが持ち味なのに、はて?

在手边的辞书中查了一下“贫困神”这一词汇,发现增加了一个出乎意料的意思。一个意思如众所周知的那样,既指使人贫困的神;第二个,便是相扑方面对十两级力士中名列最高者的称谓。一说到十两级以上的关取力士,都会给人一种胖墩墩的福相,怎么会用这个词呢?

別の辞書には「給金は十両でありながら、幕内力士とも取り組まされるから」と説明がある。さらに、この地位は、下は入幕を狙う者、上は十両落ちはまっぴらな者にはさまれる。勝ちたい気迫がひとしおの相手と連日組まされるからでもあるらしいと、調べてわかった

经查才知道,别的辞书里还有如下的补充解释,“尽管拿的薪金是十两级的,可还须同其以上的幕内力士交手过招,故名”而且,处于该地位的力士,下有一心想着入幕者,上有决不愿意跌落十两者,正好夹在中间。还有每天必须和那些求胜心特别强烈的对手交战的缘故。

幕内の人気者、遠藤を貧乏神になぞらえるのは失礼か。給金はともかく、負かしてやろうという相手の気迫を一身に受けつつの初場所15日間だったろう。そこでの11勝4敗は、まずは角界のホープの名に恥じない

不知道称呼幕内力士最有人气者远藤为贫困神是否有大不敬之嫌。薪金暂且不论,年首赛季这15天里,恐怕每天都要独自一人面对一心想着获胜的对手在气势上的压力。总而言之,在这种情况下所取得的11胜4败的战绩绝不会辱没角力界希望之星的名声。

「相撲取りには何処ようて惚れた 稽古帰りの乱れ髪」と粋な都々逸(どどいつ)は唄う。出世が早すぎてザンバラ髪ながら、場所入りする姿に女性ファンがため息をつく。どっこい国技、本田選手やマー君に負けない存在感を期待したい

堪称艺术精粹的都都逸说唱也对这些力士们赞美有加,“相扑力士真潇洒,浑身上下人人夸,每天训练归来时,零乱飘逸好秀发”。因为出名较早,尽管还是不梳理的散发状,可进入赛场的形象令那些女性粉丝们赞叹不已。加油!国技,对于毫不逊色于本田圭佑及田中将大的远藤我们满怀期待。

といっても「時分の花」ではいけない。能の世界に言う、若さがもたらす一時的な芸の面白さのことだ。対する「真(まこと)の花」は鍛錬の末の本当の面白さ。相撲なら「強さ」である。あわてずおごらず熟成してほしい

即便如此,也绝不能当“时令之花”。这是在能乐的世界里常用的一个词,比喻那些以青春的靓丽而创造出的一时性艺术趣味。与此相对应的“真花”则指的是因训练的结果而最终获得的真正的品味。这在相扑界就是“强大”了。希望他不慌不忙不急不躁逐步走向功成名就。

28回目の優勝を決めた横綱白鵬は、ゆるぎない「真の花」だろう。三月場所では両者の取組も期待できる。春の触れ太鼓を待ちかねる浪速っ子の足踏みが、聞こえてきそうだ。

荣获第28个冠军的横纲力士白鹏以其无可撼动的实力堪称“真花”。三月赛季他们两者之间的交手令人期待。我们似乎已经能够感受到,在那春意盎然的氛围里,焦急地盼望着击鼓阵阵的大阪人的脚步声。

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