30 とってもいい子で嬉しいわ

人物:晴子(娘) 修(孫) 正治(婿) 父  母
場面:嫁に行った娘が久しぶりに実家に帰り、祖父母が孫の成長を喜ぶ

娘:母さん、ただいまー!今、着いたわおー。
孫:お婆ちゃん、ただいまー!
母:まあ、修ちゃん、よく来たねー。おじいさん、晴子たち、帰ってきましたよ。
婿:お父さん、お母さん、ご無沙汰しております。お元気そうでなんよりです。
父:堅苦しい挨拶はいいから、さ、上がんなさい。修ちゃんもこっちおいで。
母:修ちゃん、ずいぶん大きくなったおわねー。おいで、おいしいお菓子あげよう。
孫:お婆ちゃん、ありがとう。
母:お利口さんねえ、ちゃんと、「ありがとう」言えるんだね。幼稚園は楽しいかい?
孫:うん。とっても楽しいよ。友達もたくさんできたよ。
母:そう。お婆ちゃん、修ちゃんがとってもいい子で嬉しいわ。
父:修ちゃん、おじいちゃんとこおいで。どーれ、抱っこしてあげよう。おっとっと。こりゃ、しばらく見ないうちに、こんなに重くなったんだ。すごいねえ。
母:子供は成長するのがほんとに早いですものねえ。
娘:父さん、修の相手もほどほどにしたほうがいいわよ。ぎっくり腰になっても知らないから。
父:なーに言っとる。久しぶりに修に会えて嬉しいんだよ。
母:そうよ。この人ったら、晴子たちが遊びに来るって電話もらった日から、ほんとに嬉しそうでね。毎日毎日、修はまだか、修はまだかって、おんなじこと繰り返してね。うるさいのなんのって。
父:そういう婆ちゃんこそ、やれ、修が来たらあれを食べさせよう、これも食べさせようって、おとといからいろんなの作りまくって、大騒ぎしとったくせに。
母:あら、誰だって孫はかわいいですもんねー。それに修は、私たちにとっては70過ぎてやっとできた初孫なんですよ。目に入れても痛くないわ。
娘:父さんと母さんが修のこと大事にしてくれるのはありがたいけど、あんまり甘やかさないでちょうだいね。ただでさえ、この人が甘やかし放題なんだから。
婿:そんなこと言ったって無理だよ。修は僕の一番大切な宝物なんだから。
娘:あら、結婚前は、私のことをこの世で一番大切だって言ってたじゃない。
母:これこれ、痴話喧嘩はよしなさい。みっともない。修ちゃんに笑われますよ。
父:よーし。修。今度はお馬さんやろう。はい、おじいちゃんの背中に乗っかって。
母:おじいさんがあんなに喜んでんだから、ほっときなさい。修ちゃんはほんとに可愛いんだから、甘やかすなってのが無理な相談ですよ。

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