突然ですが、問題です。秋の空模様と移り気な心模様を重ねたことわざといえば、何でしょう?

很突然的问大家一个问题,同时表达了秋天的天气和易变的心情的语言是什么呢?

A:「男心と秋の空」
B:「女心と秋の空」

A:“男人心,秋季天”
B:“女人心,秋季天”

実は、どちらも正解です。
しかし、そのニュアンスが微妙に違うからおもしろいですよ。

其实上述两个回答都正确。
但是,其语感却有着微妙的差异,这一点很有趣。

なぜ「秋の空」は移り気なの?

为什么“秋季的天空”就见异思迁了呢?

秋晴れも長くは続かず…
「○心と秋の空」
そもそも、どうしてそんなふうに言うのでしょう?

秋高气爽的天气也无法持久……
“X的心,秋季天”
到底为什么会有这样的说法呢?

秋の空は、空気も澄んでおり、すがすがしい青空が広がります。抜けるような青空を「秋晴れ」といったり、「天高く馬肥ゆる秋」といったりしますが、これは、夏は太平洋高気圧で湿った空気中の水蒸気に光が乱反射して白っぽく見えるのに対し、秋は移動性高気圧の乾いた空気のために澄み渡り、いつもより上空の雲までよく見えるからです。だから、秋の月が美しく見え、お月見にも最適な時季なんですね。

秋季空气清澈,碧空万里。如同能穿透般的碧空被称作“秋高气爽”,也叫做“天高马肥之秋”,夏天时由于太平洋的高压,光在空气中潮湿的水蒸气里发生漫反射,因而显得白白的。与此相对的,秋天却由于移动性高气压的干燥空气而显得碧空万里,因此能看到比平时位置更高的云彩。因此,秋月看起来也尤为美丽,因此也是最适合赏月的季节。

ところが、低気圧と高気圧が日本の上空を交互に通るため、お天気が変わりやすいのもこの時季の特徴で、これを変わりやすい人の心になぞらえ、「男心と秋の空」「女心と秋の空」と言うようになりました。

话说回来,由于低气压和高气压在日本上空交互通过,因此天气易变也是秋季的特征,这种易变性被用来形容人的内心,所以有了“男人心,秋季天”和“女人心,秋季天”的说法。

「男心と秋の空」

“男人心,秋季天”

もともとは「男心と秋の空」です。男性の変わりやすい心を例えていますが、主に女性に対する愛情が変わりやすいことをさしています。

原本只有“男人心,秋季天”。用来比喻男性易变的心,主要是指对女性的爱情易变。

このことわざができたのは江戸時代。当時は既婚女性の浮気は命を落とすほどの重罪でしたが、既婚男性の浮気には寛大だったこともあり、移り気なのはもっぱら男性だったのです。また、若い娘に男性を警戒するよう戒めたり、ふられた際の未練を断ち切る慰めにも使われました。

这种说法形成于江户时代。当时已婚女性如有外遇,就是会被处死的重罪,而对于已婚男性的不忠却很宽容,移情别恋是男性的专利。还有,这也用在让年轻姑娘警戒男性,以及在安慰被抛弃的女性切断旧情的时候。

それ以前の和歌でも男心は移ろいやすいものとして扱われ、室町時代の狂言『墨塗』に「男心と秋の空は一夜にして七度変わる」という有名なセリフがあります。

在此前的和歌中也认为男人的心易变,室町时代的狂言《墨涂》中也有着“男人的心如同秋季的天空,一夜七变”的著名台词。