声明:以下内容为节选,仅代表作者个人观点,仅供参考。

みなさんは、「『うまい』と『おいしい』の違いは?」と聞かれたら、どう答えますか。

若被问道“‘うまい’和‘おいしい’之间的区别是什么?”,你会如何去回答呢?

「うまい」は「おいしい」よりもぞんざいな感じがする。
改まった場所では「うまい」より「おいしい」と言ったほうがいい。
女性が「うまい」と言うと、男性が言うのとは違って品がない感じがする。
――こんな違いを思い浮かべる方が少なくないと思います。

“うまい”比起“おいしい”要更加粗鲁。
在正式场合用“おいしい”比“うまい”合适。
和男性不同,女性用“うまい”会显得没品。
——我想有不少人脑海里会浮现出这些区别吧。

確かに、辞書を見ると、どちらも「ものの味がよい、美味だ」という意味を持っていますが、「『うまい』は『おいしい』に比べ、ぞんざいな感じを与える」、逆に「『おいしい』は『うまい』に比べて丁寧・上品な感じが強い」と、語感上の差が説明されています。

两者确实都有“东西味道好、美味”之意,不过辞典上对于它们的语感差别是这样解释的——“‘うまい’与‘おいしい’相比,会给人以粗鲁的感觉”,反之“‘おいしい’与‘うまい’相比更显礼貌、优雅”。

注(辞典释义)
うまい:(「美味い」とも書く)食物などの味がよい。おいしい。
おいしい:食べ物の味がよい。美味だ。「うまい」に比べて丁寧・上品な感じが強い。

テレビでも、また、身近な日常の場面でも、男女ともに「うまい」を使っているのを聞くことが増えた気がします。インターネット上で世の中の人の感じ方を調べてみると、「うまい」の多用に違和感を覚えるという声は確かにたくさんありますが、逆に積極的に「うまい」を使いたいと考える人や、まったく違う感覚で「うまい」と「おいしい」を区別している人たちもいるようです。

个人感觉如今在电视及身边的日常生活中,无论男女都越来越多地开始使用“うまい”。我在网络上查了下人们对于这种现象的反应,确实有很多人表示不太适应,反之想要主动积极地去用的人、以及觉得”うまい”和”おいしい”完全不同而将它们区分使用的人似乎也有。

うまい&おいしい使用习惯的地域差异

今回は「うまい」と「おいしい」の語感とその背景を探ってみたいと思います。ネット上の意見を紹介します。

本次我想就这两者的语感及背景做一些深入探讨。接下来介绍下网络上的一些意见。

【A】東京の古い人たちは、女性が「うまい」と言うのを嫌う。「おいしい」は上品~普通に聞こえ、「うまい」は下品に聞こえる。私は小さいころから「うまい」は使わないようにしてきた。でも、北関東の女性に聞いたら、北関東では男女の区別なく「うまい」というのが普通だそうだ。(東京・女性)
【B】東北の田舎に住む私は「んめっ」「うめぇ」と言う。「おいしい」のイメージは「標準語・テレビでいう言葉」「都会のお上品な言葉」「東京の言葉」。なじみにくいというか、はっきり言えば使いたくない。(東北・男性)

【A】东京的一些老人们对女性使用“うまい”会感到厌烦。“おいしい”听起来较为正常甚至优雅,“うまい”则较为粗鲁。我从小就养成了不用后者的习惯。不过后来从北关东的女性那听说,在他们那边“うまい”很常用,且不分男女。(东京·女性)
【B】住在东北乡下的我平时用“んめっ”、“うめぇ”这些词来表达美味。“おいしい”给人感觉是“标准语·电视用语”、“城市里的优雅表达”、“东京话”。可以说不太适应吧,说白了我一点都不想用。(东北·男性)    

ここで浮かび上がるのは地域による感覚の差です。「おいしい」は東京の言葉で、女性は「おいしい」を使うべきだというのも「東京の考え」なのでしょうか。時代劇や落語の東京(江戸)の言葉では「うまい」もよく使われていますが……。

地域性的感受差异此时就浮现出来了。“おいしい”是东京话,女性就该用这个词也是出于“东京式想法”么?虽然在时代剧以及落语的东京(江户)话中“うまい”也会经常出现……

国立国語研究所が1950~60年代に調査を行い作成した「日本言語地図」(インターネット上で公開)に「おいしい」「うまい」の分布があります。これを見ると、「うまい」の系統の言葉(「うめえ」「んまい」「うまか」などを含む)が全国に広がっていますが、「おいしい」は関東~中部地方のあたりと、北陸から関西、中国・四国地方にかけた一帯に散在するにとどまっています。「ウマイ類が全国的に古くからの表現であり、オイシイの類が新しく中央から広がっていったことを示す」結果と分析されています。

国立国语研究所在1950年~60年代通过调查绘制成的“日本语言地图”(网络公开发布)上有“おいしい”与“うまい”的分布情况。地图显示,“うまい”系列词语(包含“うめえ”、“んまい”、“うまか”等)遍布全国,而“おいしい”仅零散分布在关东~中部地区一带,北陆到关西地区、中国·四国地区一带。分析得出的结果是,“ウマイ类词属于全国性的历史较为悠久的表达,而オイシイ类词则是后来新从中央地区向其他地区普及开的”。

半世紀ほど前の調査ですが、各地への浸透の度合いには地域差があることがわかります。とくに東北は「日本言語地図」で「おいしい」がほとんど現れていません。【B】の東北の男性のような「おいしい=なじみにくい」という受け止め方の背景がうかがえます。ただ、「おいしい」は西日本にもかなり分布しているので、「東京の言葉」かどうかはこれではよくわかりません。また、上品さや「女性の言葉」という性質はどこから来たのでしょうか。

虽然是半个多世纪前的调查了,但我们可以发现语言对于各地的渗透度有着地域性差别。特别在东北,从“日本语言地图”上看几乎没有“おいしい”的身影。由此我们能够窥见像【B】中的东北男性那样对于“おいしい=难适应”这一认识的背景。只是,这一表达在西日本分布也相当之广,仅凭这个无法判断它是否属于“东京话”。另外,该表达的优雅性及“女性用语”这些性质又是从何而来的呢?

下页更精彩:おいしい为什么听起来比うまい优雅?