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夜行観覧車 [著]湊かなえ

[文]佐々木敦(批評家) [掲載]2010年08月01日

夜行观览车  【著】凑佳苗

【文】佐佐木敦(评论家) 【刊登】2010年8月1日

人間の生々しい真実の姿

人类生动、真实的形象

湊かなえの小説は、言ってみれば「負のエンターテインメント」である。映画も大ヒットしたデビュー長編『告白』以来、彼女が一貫して描き続けているのは、人間という生き物が持っている、どうしようもない愚かさ、弱さ、卑しさ、残酷さ、などなどの、浅いようで深い、深いようで浅い、なまなましくも儚(はかな)い真実の姿である。その赤裸々な露呈の舞台となるのは、家庭と学校。これでもかと繰り出される人の心のネガティブさの連鎖攻撃は、読み進めるのが辛(つら)いほどのディープインパクトなのに、いつしかなぜだかハマってしまう。それは単なる露悪趣味とは違う、厭(いや)な話もとことん突き詰めれば、一種の痛快さを帯びてくるという事実の証明なのだと思う。

凑佳苗的小说,可以说是“负面的娱乐”。自处女作长篇小说《告白》被翻拍成电影并大受好评以来,作者一贯坚持描写人类无可救药的愚蠢、软弱、卑贱、残酷等等,呈现了似浅却深、似深却浅、生动而脆弱的真实形象。而家庭和学校成为了这些赤裸裸的描写的舞台。如此不断地对人类内心阴暗面的连锁攻击,阅读时产生的强烈震撼令人痛苦。但不知为何,人会不知不觉沉迷于其中。我认为,那并非只是暴露恶趣味,而是对彻底追究那些令人厌恶的事,能够带来一种快感这一事实的证明。

『夜行観覧車』は、高級住宅地で起こった親族殺人事件を描いている。他人からは何不自由なく見えたエリート医師の一家。なぜ突然、母親は夫を殺したのか?家族の間に問題があった様子はなく、動機は杳として知れない。事件当夜、家に居たはずの中学生の次男が失踪(しっそう)する。一体、ほんとうに母親が犯人なのか?友人宅に泊まっていて家に居なかった姉と、離れた土地に住む大学生の長男は、何とかして真相を知ろうとする。物語はこの家族〈高橋家〉と、中学生の娘の家庭内暴力を抱える向かい側の一家〈遠藤家〉を交互に描くことで進行してゆく。この作家が得意中の得意とする、登場人物たちの視点が多角的に交錯してゆくスタイルが何ともスリリングだ。

《夜行观览车》描写的是发生在高级住宅区的亲属杀人案。外人看来幸福美满的精英医生一家,母亲为何突然杀死父亲?并不像是家人之间的问题,动机不明。案发当晚,本应在家的上中学的次子却失踪了。究竟,母亲真的是凶手吗?借宿朋友家的女儿和在异地上大学的长子竭力弄清真相。故事围绕事件起源的高桥家和存在家暴(施暴者:上中学的女儿)的对面一家——远藤家之间交错展开。这位作家最擅长的风格就是出场人物视角的多方面交汇,这样的描写令人毛骨悚然。

異様なまでに淡々とした筆致でクールかつハードに活写されてゆく「救いの無さ」の徹底が、やがて奇妙なカタルシスを招き寄せ、ついには、あろうことか希望の光(のような何か?)さえほの見えてくる。不思議な魅力の小説だと思う。ここには確かに、今という時代が、いびつに、いや、正確に映し出されている。湊かなえの快進撃は、まだまだ続くことだろう。

用与众不同的淡然的笔调,冷静、有力而生动地描写彻底的“绝望”,结果却带来奇妙的感情净化。最后,居然甚至能看见模糊的希望之光(类似的某种事物?)。真是不可思议的有魅力的小说。小说确实歪曲,不,是正确地反映了当今这一时代的情况。凑佳苗的破竹之势还会持续吧?

(双葉社=1575円、6刷20万部)

(佐々木敦 批評家)

(双叶社=1575日元,6次印刷20万本)

(佐佐木敦 评论家)

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