日本大学入試問題1999年国語I問題二
来源:沪江博客
2008-07-04 22:37
第2問 |
次の文章は,如月小春(きさらぎこはる)の小説「子規からの手紙」の一節である。これを読んで,後の問い(~)に答えよ。
(配点 50)
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傍線部~の語句の本文中における意味として最も適当なものを,次の各群の~のうちから,それぞれ一つずつ選べ。解答番号は~。
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誰(だれ)かに見張られている感じ | |
何かに追い立てられる感じ | |
ふいに閉じ込められた感じ | |
一人だけ取り残された感じ | |
別世界に引き込まれた感じ |
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思い出したくない世界 | |
思いもよらない世界 | |
思い出すしかない世界 | |
思い焦がれる世界 | |
思い出にひたる世界 |
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ぼんやりして頼りない | |
人情味がなくて素っ気ない | |
散漫で落ちつかない | |
雑然として先が見えない | |
活気がなくて物足りない |
傍線部「ふいに,草木の葉の一つ一つ,細い枝の一本一本を撫でたい衝動にかられた」とあるが,「私」がそのように思ったのはなぜか。その説明として最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
あわただしい都市の一角で淡々と繰り返されてきた植物たちの生の営みに,都会暮らしで「私」が見失ったつつましやかな命の鼓動を見いだしたようで,いとおしく思われたから。 | |
あわただしさを感じさせない植物たちのひそやかな生の営みが,今後も続く「私」の都会暮らしの毎日をしっかり支えてくれるようで,頼もしく思われたから。 | |
あわただしい生活とは無縁な植物たちの生の営みが,都会で生きてきた「私」に反省をうながし緑ゆたかな田舎のよさに気づかせてくれたようで,ありがたく思われたから。 | |
あわただしい毎日からかけ離れた植物たちの生の営みが,不満を抱きながらも都会暮らしを捨てきれない「私」を哀れんでいるようで,やるせなく思われたから。 | |
あわただしい都会の生活とはかかわりのない植物たちの生の営みに,孤独を感じながら都会で生きてきた「私」のさびしい境遇を重ね見たようで,たえがたく思われたから。 |
傍線部「この六尺の病牀が余には広過ぎる」とあるが,「私」は「シキ」と同じように横たわることによって,この言葉をどのようなものとして受け止めたか。その説明として最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
「シキ」が身を横たえるための場所として,「六尺の病牀」は手足を広げてもなお余裕があるが,それがかえって彼の孤独を深めることになった。 | |
虫ピンで止められた昆虫のようだと自分を意識した「シキ」には,見えるものすべてが手の届かないものとなり,「六尺の病牀」が逆に広いものとなった。 | |
身を横たえた「シキ」には空想する自由だけが残されており,広大な宇宙を思い描くことによって,「六尺の病牀」の狭さを忘れることができるようになった。 | |
ガラス障子に隔てられた「シキ」の「六尺の病牀」はあまりにも静かすぎて,気持ちを落ちつけることができず,かえって脈絡のない夢想の世界が広がることとなった。 | |
「六尺の病牀」に身を横たえた「シキ」の目は対象の細部へと迫り,対象の一つ一つが小さな宇宙のように果てしない複雑さと奥行きをもつようになった。 |
傍線部「にも生命がある,あるのだろう」とあるが,このように表現した「私」の気持ちを説明したものとして最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
目を閉じると聞こえてくる様々な音に,外への思いをかき立てられるのだが,外の世界の存在を認めてしまうと,広いと感じられるまでになった「六尺の病牀」が単調なもとの世界に戻ってしまうのではないかと恐れている。 | |
目を閉じると聞こえてくる様々な音は,たえまなく繰り返される生命の営みを感じとらせ,身を横たえたままでは十分に確認できないものの,活発にうごめき変化する外の世界が確かにあると信じようとしている。 | |
目を閉じると聞こえてくる様々な音に,外の世界の存在は確かに感じとれるものの,畳の上に一人で横たわる者にとって外の世界を思い描くことは刺激が強すぎるので,なるべくほかのことを考えて気を紛らそうとしている。 | |
目を閉じると聞こえてくる様々な音は,外の世界に生命の営みがあることを感じとらせるのだが,人々がいがみ合い,殺し合うことを考えると,そこにも生命の営みがあると軽々しく言い切ることはできないと思われた。 | |
目を閉じると聞こえてくる様々な音に,「六尺の病牀」の外にも生命の営みがあることを気づかされたのだが,想像でとらえるしかない外の世界より,与えられた目の前の世界の方がより現実感のあるものと思われた。 |
傍線部「ゴロゴロと肉や野菜のように揺られてみたかった」とあるが,この表現を通して「私」が表そうとしている「シキ」の気持ちはどのようなものか。最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
たとえ病気が治らず,自分の体が自由に身動きできないとしても,生き生きとしていることで,やがてやってくる死に抵抗してみたかった。 | |
外界の生の営みを実感するためには,昆虫が風に逆らって飛ぶような努力をする必要があり,自由のきかない体でも戸外に出て活動してみたかった。 | |
外界への憧れが強まり,ほかのことが考えられなくなったので,買い物に行くといった日常的な行為をすることで,ふたたび精神の平衡を取り戻してみたかった。 | |
破壊と生産が同時におこなわれる外界にあっては,自分を命の通わないものと考えて,されるがままに生きることで,ひそかに自分を守りとおしてみたかった。 | |
じっとして目や耳だけを働かせるのではなく,人ごみにもまれながらほかの人々と同じように,ごく普通の生活を自分の体全体で味わってみたかった。 |
傍線部「あ,猫。……見つけることが出来なかった」とあるが,この一節の本文中における役割を述べたものとして最も適当なものを,次の~のうちから一つ選べ。解答番号は。
消えた「シキ」の世界に不吉な雰囲気を漂わせるとともに,死に際しても貪欲(どんよく)に外の世界を見続けた「シキ」のたくましさを暗示することによって,いずれやってくる死をいさぎよく受け入れようとする「私」の今後を示している。 | |
消えた「シキ」の世界をすっきりと振り捨てさせるとともに,「私」を引きつける鮮やかな色彩を配することによって,これまで見てきた世界とは違う活気ある世界を「私」が求め始めようとしていることを示している。 | |
消えた「シキ」の世界から立ち去ろうとする「私」を引き止めるとともに,「シキ」の世界をあらためて思い起こさせることによって,これまで見てきたことが特異な場所におけるひとときの感覚的体験であったことを示している。 | |
消えた「シキ」の世界に神秘的な雰囲気をつけ加えるとともに,「私」に「シキ」の世界を再確認する機会を与えることによって,これまで見てきた世界が結局他人に説明することのできないものだということを示している。 | |
消えた「シキ」の世界に区切りをつけて「私」を現実に立ち戻らせるとともに,まだ知られていない「シキ」の世界の存在を暗示することによって,「私」が近い将来に再びこの場所を訪れるであろうことを示している。 |
問11 | 問12 | 問13 | |
正解 | 5 | 3 | 4 |
配点 | 4 | 4 | 4 |
問14 | 問15 | 問16 | |
正解 | 1 | 5 | 2 |
配点 | 7 | 7 | 8 |
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