せっかく」と「わざわざ」の教え方、とても難しいですね。違いをどう教えたらいいか……、日本語教師養成講座の卒業生からこんな質問を受けた。確かにこの二つは同じような用法もあるし、全く異なる用法もあるので日本語学習者にしてみればかなりややこしい。でも我々日本人はそんなことほとんど意識せず何気なく使いこなしているのだが……。

“せっかく”和“わざわざ”两个词,要想讲明白很难。怎么告诉学生它们的区别呢,日语教师养成讲座的一个毕业生问我。这两个词有相同的用法,也有完全相异的用法,在日语学习者看来,是很复杂的。但是我们日本人却没怎么在意地运用自如。

「(せっかく・わざわざ)ウィスラーまで来たのだから、スキーをしよう」。この文では「せっかく」も「わざわざ」も両方使える。でも日本人はこの二つのニュアンスの違いは容易に分かるのだが、その違いを説明するとなると確かに難しい。

“(せっかく・わざわざ)ウィスラーまで来たのだから、スキーをしよう”(难得来惠斯勒加拿大滑雪胜地,去滑雪吧)。这句话中,“せっかく”和“わざわざ”两者都能使用。日本人能很容易地分别两者的微妙差异,要想解释出来就很难了。

「せっかく」は努力してウィスラーまで来たのだからそのチャンスにすばらしいこと(スキー)をしようよ。そんな感じである。そして「わざわざ」は(遠いところ時間をかけて特別に)ウィスラーまで来たのだからスキーをしなければ損だよ。こんなニュアンスの違いであろうか。

“せっかく”表示经过努力来到了惠斯勒,所以不要错过这次机会去滑雪吧。而“わざわざ”是从很远的地方花费很多时间特别来到惠斯勒,不去滑雪就亏了。两者有这样微妙的差异。

「せっかく覚えたのに試験に出なかった」はとても残念な気持ちであり、「わざわざ覚えたのに試験に出なかった」はとても腹立たしい気持ち、いわゆる話し手の気持ちの違いであろう。

“好不容易背下来的,结果考试没考”表达很遗憾的心情,“特意记下来的,结果考试没考”表示非常生气的心情,两者表示的说话者的心情是不一样的。

また「せっかく」の漢字は「折角」てある。なぜ角を折るのか……。これは中国の故事からきており、当初の意味は「骨を折ること・力を尽くすこと」の意味とのこと。古くは「せっかく勉学に励みます」のような使い方をしていたようである。

“せっかく”的汉字是“折角”。为什么要把角折起来呢……。这来源于中国的故事,当初的意思是“尽力、卖力”的意思。“せっかく勉学に励みます”(努力学习)过去好像曾这样使用。

一般的には敬語表現の「せっかくお越しいただきましたのに留守をして申し訳ございません」など相手の行為に用いると申し訳なさが強調されて効果的である。また、「せっかくの休日」などのようにそのものを大切にする気持ちを表す用法もある。

在一般的敬语表达中,像“难得(せっかく)您过来一趟,我却不在家,真不好意思”这样,用在对方的行为上,有强调抱歉心情的效果。另外,像“难得的假日”这样,也可以表示珍惜某种事物的心情。

一方「わざわざ」の漢字は「態態」である。こんな漢字を知っている方はごくまれであろう。なぜこんな漢字を書くのかよく分からないが、辞書にちゃんと載っている。でも一般的にはひらがなで書くほうが無難であろう。

另一方面,“わざわざ”的汉字是“態態”。知道这个汉字写法的人非常少。虽然不太清楚为什么汉字这样写,但字典上有记载。一般还是写作平假名比较好。

この「わざわざ」は日本人としてもいろいろ大変である。特に相手の行為に使う場合は要注意である。例えば「雨の中、わざわざお越しくださいまして……」、この表現は取りようによっては「こんな大雨の中、来なくてもいいのに……」、こんな意味にもなってしまう恐れがある。

这个“わざわざ”对于日本人来说也麻烦。特别是使用在对方的行为上时,要特别注意。例如“下着雨,您还特意(わざわざ)过来……”,这个表达方式根据听话人的不同感受,也可能被理解成“下这么大雨,你不来也可以的……”。

この「わざわざ」は「その事だけのために特別にする行為」と「しなくてもいい事を故意にする行為」の二つの意味があるのでややこしい。確かに相手の行為を表現する場合は「わざわざ」をわざわざ使う必要はないのかも……。

“わざわざ”有“单独为了这件事,特别做出的行为”和“这个行为不用做也可以的,却故意做了”这两种意思,所以很麻烦。可能也没必要特意在对方的行为表达上用“わざわざ”。

「先生、せっかくのお休みにわざわざ日本語の授業をしていただきありがとうございました」生徒からこんなメールをもらったら……、確かに素直に喜べない感じがする。

我从学生那儿收到了这样的短信……“老师,好不容易才有的假期,您还特意过来教我日语,真是太谢谢了”。看到这句话,老实说,我一点都不高兴。

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