本当は怖い日本の童話

日本童话的恐怖真相

100万部突破の大ヒットシリーズ第2弾。
シリーズ累計100万部突破、桜澤麻衣「恐怖の童話シリーズ」日本編。にほんの童話の中から、“男と女”の皮肉な関係、残酷なドラマを擁する全10話を厳選。なぜ男は女を裏切り、なぜ女は男をだますのか。昔から変わらない人間の愚かさが手に取るようにわかります。そして愛が憎悪へと変化し、信頼が壊れる“恐怖”の瞬間を、童話が鮮明に描き出す――。さあ、残酷かつ妖艶な新しい日本の童話の世界へ、いざ。

【収録作品】『鶴の恩返し』『藁しべ長者』『人柱伝説』ほか全10本。千葉大学教授・三浦佑之氏監修

突破100万部大热系列第2弹。
系列累计突破100万部,樱泽麻衣《恐怖童话系列》日本篇。从日本童话中,精选拥有“男与女”的讽刺关系、残酷的戏剧全10集。为什么男人要背叛女人?为什么女人要欺骗男人?让你对自古不曾改变的人类愚昧了如指掌。还有爱到憎恶的变化、信赖崩坏的恐怖瞬间、童话都一一鲜明地描绘出来。那么,向着残酷又妖艳的新日本童话世界,出发!

【收录作品】《鹤的报恩》、《稻秸长者》、《人柱传说》等共10篇。千叶大学教授三浦佑之氏主编。

童話に隠された暗号を読み取る楽しさ
民族のルーツと「死」が指し示す
21世紀の新・日本の童話――まえがきにかえて
童話研究家  桜澤麻衣

读取童话中隐藏密码的乐趣
民族之根和“死”的指示
21世界的新日本童话——代前言
童话研究家   樱泽麻衣

グリム童話ブームが一段落し、改めて自分たちの祖先が伝承してきた物語へ、熱い視線が注がれている。
「日本の童話」に関する数多くの書物が出版され、日本童話ブームの様相を呈している昨今、本書では「男と女の恐ろしい情念」と、「日本人のルーツ」に焦点を当て、昔話をまとめることにした。
ところで、なぜ昔話を読み解くことで、「日本人のルーツ」を知ることができるのだろうか?

格林童话热潮暂告一个段落,热烈的视线重新聚焦在祖先流传下来的故事上。
近来大量有关“日本童话”的书籍出版,市场涌现日本童话热潮。本书就“男女之间可怕的感情”,以“日本人的祖先”为焦点,汇集过往的传说故事。
但是,为何解说过去的传说故事,能够了解“日本人的根源”呢?

それは、古来より庶民の口から口へと口承で語り継がれ、伝えられてきた昔話には、正式な歴史的文書では決して残されることのなかった“暗号”が数多く隠されているからである。

那是因为,从古至今,平民百姓之间口头传诵的传说故事,没有正式在历史文书上留下记载,因此多数“暗号”也就被隐藏起来。

たとえば、庶民の生活に暗く影を落としていた貧困、その苦労によって引き起こされる悲惨な事件、また人間の心に潜む残虐性……。民俗学的知識だけでは語りつくせない人間の心の暗部が、メタファーとして巧妙に形を変え内包されている昔話には、もともと日本人が持っていた感受性や死生観、風俗習性などが色濃く、またいきいきと描かれている。

比如,给平民生活留下黑暗阴影的贫瘠、由这种辛劳引发的悲惨事件、人类内心潜藏着的凶残性……。仅用民俗学知识无法阐明的人类内心黑暗,作为隐喻改变形态巧妙地包含在过去的传说里。在这些传说中,原本日本人所拥有的感受性、生死观、风俗习性等被作者浓墨重彩、活灵活现地描绘出来。

たとえば、今回本書で収録した『かちかち山』は、飢えた人間たちによる食人という戦慄すべき事例をタヌキという人間以外の悪者を登場させることによって、「被害者は人間」としてすり替えて語っているし、『桃太郎』では、中央政権に従わない異民族に対する征伐を、正義感あふれるヒーローを登場させることにより焦点をぼかして語っている。
物語の中に巧妙に潜む暗号を、読者がそれぞれの見解でつながっているのではないだろうか。

例如,这次本书收录的《啄木山》,其实是在饥饿的人类中发生的吃人恐怖事件,却让非人类的狐狸作为恶魔登场,从而被害者被人类所代替。《桃太郎》的故事中,不遵从中央政权的外来民族的讨伐,被暧昧地描述成以充满正义感的英雄登场为焦点的内容。
这些故事中巧妙潜藏的暗号,读者难道不会用各自的解读联系起来嘛。

しかし、時代が進むにつれて、昔話がそうした隠されたて暗号や教訓的要素を無視し、口当たりのいい娯楽作品として、あるいは子どもに聞かせることのできるハッピーエンドの物語として、広く流布されるにいたったことは残念なことだともいえる。

可是,随着时代的进步,无视过去传说中所隐藏的暗号和教训性因素,(仅仅)作为口碑好的娱乐作品,或者作为能够讲给孩子们听的大团圆故事,被广泛传播着,可以说是非常遗憾的。

現在広く流布した健全童話の数々は、ほとんど「死」のにおいなしに語られる夢物語である。本来の昔話には、人間がもつ残虐性、いやらしさ、そして狡猾さも描かれていたし、何より「死」が隠されることなく、自然に語られていた。しかも因果応報な死ばかりではなく突然おとずれる理不尽な「死」も描かれていた。つまりかつての子どもたちは、小さなころから、生きることと同時に「死」を自然なものとして意識することができたのではないだろうか。昔話に「死」の要素が薄まってしまったことが、現代の子どもたちの自殺率の増加につながっているなどと考えるのは、うがちすぎだろうか。

现在大量流传的健康童话里,多数是除却“死”而写成的梦想故事。原来故事中人类所持有的残虐性、卑鄙和狡猾,包括“死”都没有被隐藏,而是自然地阐述出来。并且“死”不都是因果报应的死,还描写了突然而至的不合理的“死”。也就是说,过去的孩子们,从小时候开始,在“生”的同时,潜意识里也许已经将“死”作为一种自然体来看待。认为过去传说中“死”的要素的薄弱,导致现在的孩子自杀率增加,是否是过于臆测呢。

ともあれ、本書で意識した日本人のルーツと「死」。読者がそれらについて考えるきっかけとなれば幸いである。

总之,本书刻画了日本人的根源和“死”,读者能够由此引发思考实为万幸。

声明:双语文章中,中文翻译仅代表译者个人观点,仅供参考。如有不妥之处,欢迎指正。

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