知恵か邪悪か、魔術的象徴として

フクロウ—その歴史・文化・生態　[著]デズモンド・モリス

[評者]横尾忠則（美術家） [掲載]2012年02月05日　[ジャンル]文芸

魔化的象征：智慧与邪恶并存

猫头鹰——其历史、文化、生态【著】Desmond Morris

【评论者】横尾忠则（美术家）【刊登时间】2012年2月5日  【类型】文艺

评论者简介

横尾忠則（美術家）

1936年兵庫県生まれ。美術家。60年代からグラフィックデザイナーとして活躍、80年に画家に転向。画集に『赤の魔笛』『横尾忠則Ｙ字路』『人工庭園』、随想や絵画論に『インドへ』『名画感応術』、対談集に『芸術ウソつかない』など。

横尾忠则（美术家）

1936年出生于兵库县。美术家。60年代作为画刊设计师展开活动，80年向画家转型。画集有《红色的魔笛》、《横尾忠则Y字路》、《人工庭院》，随想集和绘画理论作品有《到印度去》、《名画感应术》，会话集有《不会撒谎的艺术》等。

本書を執筆した著者の動機に僕は背筋が凍えるような悪寒と同時に言葉にならない切ないものを感じた。著者がまだ幼い少年の頃、野原の片隅で血まみれになったフクロウが悲しみと苦しみを浮かべた表情で死の予兆に耐えているところに遭遇した。

执笔本书的作者，其写作动机令我不寒而栗的同时，也让我感受到无法言语的悲伤。作者还是小孩子的时候，在野地的角落里，遭遇了一只满身是血的猫头鹰，猫头鹰忍耐痛苦的样子仿佛预兆着死亡，浮现出哀伤、痛苦的表情。

少年はフクロウの苦痛を解いてやろうと、大きい石で人間そっくりの形をしたフクロウの頭に一撃を加えて殺してしまった。少年の哀れみから発した善行であろうが、少年は最悪の気分に襲われた。そんなフクロウに対する「罪滅ぼし」が本書である。

少年为了解除猫头鹰的痛苦，用一块大石头猛击与人类长得非常像的猫头鹰的头部，致其死亡。这虽是少年由怜悯而生的善举，却受到了最糟糕的情绪攻击。因而写出了这本对猫头鹰“赎罪”的书。

フクロウは「知恵と邪悪の象徴」としての二つの属性が優勢と劣勢を繰り返しながら、各国で異なったとらえ方をされてきたようだ。古代エジプトでは人間の魂とつながり、ギリシャでは神聖な生き物、ローマでは魔女の使いで死の象徴、中国では来世の案内者、南北アメリカでは死者の魂という具合に、フクロウはどうやら冥界と深く関わる魔力的な存在のようである。

猫头鹰，作为“智慧与邪恶的象征”，这两种属性在优势和劣势之间反复。各个国家也有不同的说法。在古埃及是与人类灵魂相联系的，在希腊是神圣的生物，在古罗马是巫女的使者、死亡的象征，而在中国代表着来世的引路人，在美洲则是作为死者的灵魂，猫头鹰貌似总是与冥界有着很深的关联，是一种有魔力的存在。

そんなフクロウはまた芸術家の格好のモチーフにもなり、ボス、デューラー、ミケランジェロ、ゴヤ、マグリットらがフクロウの魔術的呪術性に魅せられ、死や夜の闇や破壊や邪悪的なものの象徴としても描かれている。ピカソはフクロウを飼い、自画像のように描いているが、近代の画家は象徴としてのフクロウには無関心で、「フクロウはフクロウであり、フクロウであり、フクロウである……」（ガートルード・スタイン）とフクロウの歴史や神話や伝説とは無関係にフクロウのフォルム（形）の表現に徹している。

猫头鹰还成为了艺术家们创作的灵感，波斯、米勒、米开朗基罗、戈雅、马格里特都着迷于猫头鹰魔术般的符咒，作为死亡、夜之黑暗、破坏、邪恶等的象征被描述着。毕加索饲养猫头鹰，当做自画像似的描绘着。近代的画家对于猫头鹰的象征性不感兴趣。“猫头鹰就是猫头鹰，猫头鹰还是猫头鹰……”（格特鲁德·斯泰因）和猫头鹰的历史、神话、传说毫无关系，却用猫头鹰的表现形式贯彻始终。

そういえばピカソが描いたガートルード・スタインの肖像画の彼女は巨大フクロウのワシミミズクにその顔や体形がそっくり。ついでに長野五輪のフクロウのマスコットは「スポーツ会場より相撲の土俵の上」に似合うと、画家でもある著者は皮肉っている。

如此说来，毕加索描绘的格特鲁德·斯泰因的肖像画，其颜面与体型和大型猫头鹰十分相似。顺便说一句，长野冬季奥运会的猫头鹰吉祥物，“比起在运动会场还是相扑台”更适合，作为画家的作者这样讽刺道。

伊達淳訳、白水社・２７３０円／Ｄｅｓｍｏｎｄ　Ｍｏｒｒｉｓ　２８年生まれ。英国の動物行動学者。『裸のサル』ほか。

伊达淳翻译、白水社出版  2730日元/Desmond Morris 出生于1928年。是英国的动物行为学家。另有作品《裸猴》等。

声明：双语文章中，中文翻译仅代表译者个人观点，仅供参考。如有不妥之处，欢迎指正。

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