規範的には「十本」は「じっぽん」と読みます。他にも「十」がついて促音化する「十分」や「十回」、「十杯」などはそれぞれ「じっぷん」、「じっかい」、「じっぱい」などと読むのが規範的です。

“十本”标准的读音是“じっぽん”。此外,类似这种促音化读法的还有“十分”、“十回”、“十杯”等数量词,它们的标准读法分别是“じっぷん”、“ じっかい”、“ じっぱい”。


しかし、実際にこれらが用いられているのを聞くと「じゅっぽん」、「じゅっかい」、「じゅっぱい」と発音されていることが多いと思います。中にはあらためて「十本」は「じっぽん」だと言われると、自分の普段の発音と比べて違和感を感じる人もいるかもしれません。

但是,如果问起实际运用中是不是按标准读音读了,我想还是有很多人把“十本”“ 十回”“十杯”读成“じゅっぽん”“ じゅっかい”“ じゅっぱい”。如果你跟他说“十本”应读成“じっぽん”,有人还会觉得怎么和自己平常的读音不一样了呢。

これは「十」の発音の仕方が歴史を経て変わってきていることに起因していると考えられます。「十」はもともと「じふ」と読まれていました。「じふ」は歴史的仮名遣いですが、これは「じふ」と書いて「じゅう」と読んでいたのではなく、当時は「じふ」と書いて実際に「じふ」(あるいは「じう」)と発音していました。「十」の発音が「じふ」であった当初は「本」のようなものが後続して「っ」が現れると、「じふっぽん」ではなく「じっぽん」と「ふ」を落としていました。しかし、「十」が「じゅう」と発音されるようになると、「ゅ」を落とすことなく「じゅっぽん」と読むこともできるようになったと思われます。

“十”读音的不同是因这个字经历了读音的变化。“十”原来读作“じふ”。“じふ”是古代的假名写法,但不读作“じゅう”,当时就读作“じふ”(或“じう”)。当“十”后跟上量词,比如“本”,这时读作“じっぽん”而不读作“じふっぽん”,因为“ふ”被去掉了。但是,现在的“十”读作“じゅう”,于是很多人便把“う”去掉了,而留下了“ゅ”于是“十本”就读作“じゅっぽん”。

このようにして、「十本」には古来の読み方が慣習として残った「じっぽん」と現代の音に合わせた「じゅっぽん」の2通りが見られると考えられます。

就这样,“十本”这个词就有了古时候的读音留下来的“じっぽん”和现代音合成的“じゅっぽん”两种发音。