DEARS 花言葉物語 青の季節
気が付くと神様は最後に一色まで使い果たしていたのです。その時、小さな声が神様を呼びました。「神様、お願いです。私にも色をつけてくださいな。」それは地面の隅っこにいた雪です。その頃の雪はまだ透き通っているだけで、何の色もありませんでした。神様は雪にも色をつけてやりたかったのですが、困ったことに、もう絵の具は残っていません。そこで神様は「誰か雪に色を分けておやり、お前たちの花びらを一つでも雪に落とせば、雪に色が付く。雪の一片は花びらにそっくりなのだから、仲良くやっておくれ。」と言いました。そこで雪は青い露草のところへ行き、色を分けてもらおうとしましたが、残念ながら、断られてしまいました。私と同じ青色だと、空の色になってしまいます。それだと、空から君を降ってきたとき、見分けがつけないでしょう。次に雪は向日葵のところへ行って、色を分けてもらうようにお願いしました。でも、向日葵は大声で叫びます。「私はお日様の親戚なの。お日様の天敵みたいなあなたと同じ色にする気なんてないわ。」そういわれて、雪は悲しくなってしまいました。そのときです。雪を呼んだ花がありました。その花こそスノードロップです。「雪さん、雪さん、私の色でよければ、お分けしますよ。」スノードロップは野原の隅にひっそりと咲いている花でした。その形は雫の形をしており、花は清らかな純白です。「何で素敵な白色なんでしょう。ぜひ貴方の色を僕に分けてくださいな。」雪はスノードロップに近づいて、色を分けてもらいました。こうして雪は白くなったのです。冬の最中、雪が地面を埋め尽くす際、花たちは枯れてしますが、スノードロップだけは雪に優しく抱かれて、美しく咲き続けるのでした。以上、スノードロップのお話でした。