初級は、あらゆる習慣、あらゆる考え方を身に付ける要の期間である。
当校は、一年間で『日本語能力検定試験一級』合格を目指している。毎年多くの学習者が検定に合格し、日系企業をはじめとする企業での就職を勝ち取っている。また、日本への留学も積極的で、留学担当の指導教官は、初級クラスの担当から留学までを一貫して指導している。

    しかし、検定に合格するだけでは無意味である。教養を感じさせる正確な日本語を話すことによって、仕事や人とのコミュニケーションに役立て、よりよい人間関係を築いていくことが日本語を学んで本当によかったと実感できる瞬間であろう。習った日本語をそのまま使えばいいというものではない。例えば、年齢や結婚の話題を学習したとしよう。「失礼ですが、おいくつですか?」「あなたはいつ結婚しますか?」といった質問は、学校の中でならまだ許されるが、企業内で特に女性に言った場合、ハラスメントとして訴えられかねない。

    品性を尊び、相手に失礼にならない日本語を上手に使う、どの場面でどう使うか、それを考えさせることも大切である。  
 
    『日本語能力検定試験』は現在、一年に一回の受験機会しかない。(主催者側は将来的には複数の受験日を検討しているとのことだが、将来いつの段階で実現するかは全くの未定である。) 試験当日、万が一、寝坊や体調不良で受験できないと言うことも起こり得る。取り返しのつかない事態を事前に回避するため、全寮制の当校では、規則正しい生活をはじめとする基本的な生活習慣、自宅学習の徹底、授業への出席を厳しく学習者に求めている。

    教師側には、初期の段階で問題なく日本語学習に入っていくための配慮が求められている。クラスマネージメントは、時間を無駄にせず、余計なことを排除し、学習効果が最大限に発揮されるよう取り組んでいかなければならない。

    中国人の先生が出来ることは中国人の先生に指導を依頼する。しかし、ネイティブスピーカーの日本人でなければ出来ない指導がある。外国での日本語学習は、先生そのものが日本である。その点を見極め、有意義な授業を日々実施する必要がある。

 日本語を全く初めて学ぶ学習者にとって、日本語の言語野が発達するまでには、大変な労力を要する。言語処理は、人間の脳では特別な意味を持っている。出来れば、64分間(60分以上)継続して日本語を耳からいれる学習方法を採る。これを続けていくことにより、言語野が徐々に拡大し、日本語に反応する脳が完成していくといわれている。授業中も、学習者同士の母語会話を極力避け、学習言語を使用することによって、学習効果が上がっているのは日々実感するところである。

 学習者に対する教師の態度も非常に大切である。学習が進まないからといって学習者に対して横柄な態度を取るべきではないし、決して、「この学習者はダメだ」と思ってはならない。自身の教授法を反省すべきである。この点は、日本語教師が陥りやすい誤りである。

 初級クラスを担当したなら、まず、具体的な目標を持つべきである。このクラスをどう運営していくのか。学習者は一人一人全く違った個性と能力を持っている。全員に同じ指導をするのでは効果的とはいえない。それぞれに合った指導を行うことが教師側の力量ということになる。

以上由精华日语提供

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