裕福な中国人留学生が増加

富裕中国留学生增加

「中国にいる親からの仕送りは毎月30万円です。それ以外に、マンションの家賃、13万5000円も出してもらっています。楽器を練習するため、防音設備のあるマンションを選んだので、1人暮らしにしては高いところに住んでいます」

“父母每个月给我的生活费有30万日元(约1.4万元)。此外还会给我13万5000日元(约6300元)的房租。为了练习乐器我租了一间有隔音设备的公寓,一个人住的话租金还是比较高的”。

こう語るのは、都内の音楽大学に通う23歳の中国人留学生だ。この留学生の友だちで、別の音楽大学に通う女性も会ったが、毎月の仕送りは25万円ほどで、同じように防音設備にあるマンションの家賃も別途出してもらっているとのこと。

一位在都内某音乐大学就读的23岁中国留学生这样说。笔者还和这位留学生的朋友,就读于另一所音乐大学的女性留学生见了面,她每个月的生活费也有25万日元(约1.16万元),同样也租了有隔音设施的公寓,房租父母会另出。

「ずいぶん多いな」と感じたが、他大学の留学生はどうなのかと思い、知り合いのツテを辿り、早稲田大学や東京大学などに通う中国人留学生数人にも間接的に仕送り金額を聞いてみた。すると、同じく毎月20万~30万円という答えが返ってきた。さらに、「50万円以上送ってもらっているという友人もいます」とのこと。

笔者深感“生活费好多”,也想确认一下其他大学留学生的生活费情况,于是找了好友的圈子,间接询问了在早稻田大学、东京大学等高校就读的中国留学生生活费。结果同样得到了每个月20万~30万日元的答案。甚至“还有朋友一个月生活费有50多万日元(约2.33万元)”。

あるいは、「毎月の金額は決めず、親がほぼ毎月のように日本に旅行や仕事を兼ねてやってくるので、そのときに必要な金額をまとめてもらっている」という回答もあった。

也有些留学生回答“每个月生活费不固定,因为父母基本上每个月都会来日本旅行或者工作,那个时候会得到一笔必要的生活费”。

親の職業などはあまり聞けなかったが、一部は企業経営者で、かなり裕福なようだ。すでに親から不動産(マンション)を買い与えられている若者もいる。

虽然没有深入询问这些父母的职业,但有一部分家长是企业经营者,基本属于富裕层。还有些父母已经给孩子在日本置办了不动产(公寓)。

以前からある程度「最近の中国人留学生は経済的な余裕がある」と知っていたが、改めてその金額の多さに驚いた。むろん、私が取材した人は数人に過ぎないが、日本の全国大学生活協同組合連合会が22年10~11月に行った調査によると、日本の大学生の仕送り額(月額平均)は約6万7650円。それに比べると、かなり多い印象だ。

之前,笔者在某种程度上了解“最近几年中国留学生经济上越来越富裕了”这一事实,但这次再次让笔者惊叹于生活费之高。自然,笔者采访的留学生不过数人,但根据日本全国大学生活协同组合联合会(大学生协连)22年10月~11月的调查,日本大学生的生活费(月均)约为6万7650日元(约3154元)。与这一数字相比,中国留学生的生活费就很高了。

思い出したのは10年前の2014年頃のこと。当時は、中国でよく使われる銀聯カードを持ってきている若者が多く、「大きな買い物をするときだけ親の銀聯カードを使わせてもらっている」と話していた人が多かった。

笔者想起了10年前,也就是2014年的时候。当时很多中国年轻人来到日本会带着在中国很常用的银联卡,很多人说“只有买大件的时候才会用父母给的银联卡”。

一度もアルバイトをしたことがない学生まで

还有从来没有打过工的学生

ある留学生が池袋にある『アニメイト』(アニメグッズ専門店)に買い物に行くというので同行すると、そこで10万円分ほどのフィギュアなどを親の銀聯カードで買っていた。

笔者陪同一位留学生到池袋“animate”(动画周边店)购物,这位留学生在店里用父母的银联卡买了10万日元左右的手办。

「家電製品など生活必需品ではないのに、こんなに買うなんて、時代はすっかり変わった」と感じたものだったが、そうした留学生ばかりではなく、当時はまだアルバイトをしている留学生も多かった。苦学生というわけではなかったが、居酒屋や中華料理店、コンビニなどで店員をしている、という人が少なからずいた。

这让笔者感叹:“又不是家电之类的生活必需品,居然花了这么多钱,时代真的是变了啊”。但并不是所有留学生都是这样,当时还是有很多留学生会在课余打工赚钱。虽然他们说不上是贫苦学生,但还是有不少人会去居酒屋、中华料理店、便利店等地方做店员打工。

だが、ここ数年、中国人留学生の「裕福度」は格段に上がった。それと同時に、その行動パターンや思考もかなり変わってきた。彼らは確かに日本に住んではいるのだが、リアルな「日本」への関心は薄くなり、「日本人」との接点も大幅に減ってきているのではないか、と感じている。

然而近几年,中国留学生的“富裕度”已经到了新的层面。与此同时,他们的行为模式和想法也发生了剧变。笔者深刻感受到,他们虽然生活在日本,但对真实的“日本”并没有那么关心,和“日本人”的接触机会也大幅减少。

最近出会った上海出身の留学生は「アルバイト?一度もしたことありません」と話していた。この留学生は、午前中は日本語学校に毎日通い、夕方からは週に3回、高田馬場にある中国人向け大学受験予備校に通っているが、金銭的に余裕があるので、余った時間はもっぱら留学生仲間と食事に行くか、中国に住む友だちとネットでおしゃべりするか、ゲームをするか、推しのアイドルのイベントに行くか、だと話していた。日本に2年以上住んでいるのに、日本語の日常会話はおぼつかなかった。

最近笔者遇到的一位上海留学生说“打工?我从来没打过工”。这位留学生说自己每天上午到日语学校学习,每周有三天下午会去高田马场一家面向中国人的大学考试预备学校学习。因为不愁金钱,其余的时间会和留学生好友一起去吃饭,和中国的朋友网上聊天打游戏,或者去追星。明明已经在日本住了两年多,但还是不能很顺畅的用日语进行日常交流。

日本人との接点は、日本語の授業を受けるときだけで、日本人の友人や知り合いもほとんどいないといっていたので、当然だろう。

毕竟只有在上日语课的时候才能与日本人有所接触,平时也几乎没有日本朋友和熟人,日语说不好也不奇怪。

中国語だけで生活ができてしまう

光靠中文也能生活

日本語教師をしている日本人の友人にこの話をすると

一位做日语教师的日本友人说过:

「かつては、日本人の友だちができなくとも、学校の勉強以外に、日本のテレビ番組を見て日本語の言い回しを覚えたり、日本人の考え方などを学んだりしたし、アルバイト先で日本語を話す機会がありました。でも今は1日中、中国のSNSを見ているので、生の日本語に触れる時間がとても短い。そのため、話すことだけでなく、ヒアリング力も弱いと思います。むろん、そういう学生ばかりというわけではなく、個人差がありますが」と話していた。

“以前留学生就算交不到日本朋友,也能在学校学习之外,通过看日本电视节目练习日娱,学习日本人的思考逻辑,然后在打工的时候有说日语的机会。但现在他们整天都在刷中国的社交媒体,接触日语的时间非常短。所以他们不仅口语弱,听力也不行。当然也不是所有学生都这样,还是有个体差异的”。

前述の上海出身の留学生は「日本のアニメやゲーム、日本人のアイドルが好きなので日本に来ました」と話しており、日本の大学への進学を目指している。中国人向け大学受験予備校に通って「受験ノウハウ」を学べば、日本の大学に進学することは可能だろう。

上文中的上海留学生说:“我是因为喜欢日本的动画游戏,喜欢日本偶像才来日本的”,他的目标也是考入日本的大学。只要在面向中国人的大学考试预备校好好学习“考试技巧”,考入日本的大学可能性还是很高的。

だが、日本語をしっかりマスターできないまま、ノウハウだけで日本の大学に合格すれば、日本人と親しくなることは難しく、キャンパスにも溶け込めない可能性があり、引き続き、中国人同士でつるむことになるかもしれない。

然而,若不能熟练掌握日语,单凭技巧考入日本的大学的话,可能很难和日本人拉近关系,很难融入校园生活,说不定到最后还是只能和中国留学生玩在一起。

※本文译文为沪江日语原创,未经授权禁止转载。