背もたれが裂け湾曲した座席、墜落時刻の午後６時５６分を指したまま止まった腕時計－。東京・羽田空港近くにある日本航空の「安全啓発センター」には日航ジャンボ機墜落事故の機体の残骸や乗客の遺品が展示され、ここで日航の全社員が「命をあずかる重み」と事故の教訓を改めて心に刻む。乗客乗員５２０人が犠牲となった事故から１２日で３７年。当時を知る社員がほとんどいなくなった今、いかに記憶の断絶を防ぐかが課題となっている。

椅背都弯曲断裂的坐席、手表指针停止在坠机时刻的下午6点56分。在东京羽田机场附近的日本航空“安全启航中心”，展示着日航大型喷气式客机坠机事故的机体残骸和乘客的遗留物。在这里，“托付生命的沉重感”和事故的教训再次深深地镌刻在日航的全体员工心中。牺牲了520乘客及机组人员的事故，至8月12日为止已经37年了。了解当时情况的员工也越来越少，如何防止这段悲惨的记忆不会消失成了重要的课题。

日航は当初、事故の残骸を廃棄する方針を示していた。だが、「事故のご遺族や（第三者機関の）安全アドバイザリーグループから残存機体の展示を提案され、会社の方針が転換した」と日航安全推進部運営グループ長の酒井宏彰さん（４３）が振り返る。

当时，虽然日航出台了废弃事故机体残骸的方针，然而日航安全推进部运营组组长的酒井宏璋（43岁）回顾到，“事故的遇难者家属和（第三方机构的）安全顾问团提出了展示残存机体的方案，公司这才改变了方针。”

平成１４年に旧日本エアシステムと統合後、日航では主脚部品の誤使用や管制の指示違反といった安全上のトラブルが続出。１７年３月には国土交通省から事業改善命令を受ける事態にまで発展した。事故から約２０年が経過し、安全運航への意識が落ちていることは誰の目にも明らかだった。

平成14年，日航与旧日本佳速航空合并后，其错误使用主要零件及违反管制命令的安全问题层出不穷。2017年3月，国土交通省对其下达了业务整改命令。从发生事故以来已经有大约20年，对于安全航行的意识显然有所下降。

空の安全を守る使命感を示す必要に迫られ、日航が安全啓発センターを開設したのは１８年４月。遺族も協力し、社員向けの講演も行われることになった。

为了加强守护飞行安全的使命感，日航在18年4月开设了安全启航中心。不仅得到了遇难者家属的协助，还举办了面向公司员工的演讲活动。

傷だらけの垂直尾翼、破壊された圧力隔壁、そして乗客らの遺品…。全ての展示物が事故の大きさと悲惨さを物語っている。

满目苍夷的垂直尾翼、被摧毁的压力墙，还有乘客们留下的遗物……所有的展示品都诉说着这场巨大事故的悲惨经过。

「パパは本当に残念だ」「本当に今迄は幸せな人生だったと感謝している」。乗客の男性＝当時（５２）＝は手帳に家族への惜別のメッセージを記し、客室乗務員の女性＝当時（２９）＝は「姿勢を低くしてタオルで口と鼻を覆って下さい」と不時着した際にアナウンスする内容をノートにまとめていた。

“爸爸真的很遗憾”“真的很感谢至今为止幸福的人生。”当时52岁的男乘客在给家人的离别手册上写下了这样的信息，当时29岁的客舱女乘务员则在笔记本上写着紧急降落时的广播内容：“请放低身体，用毛巾遮盖住口鼻。”

「命をあずかる重み。それを心で感じてほしいと思っている」と酒井さん。今月３日、センターを訪れた新入社員は、遺族らの手記をまとめた文集『茜雲（あかねぐも）』を読みながら涙を流した。

酒井表示，“希望能用心感受这种托付生命的沉重感。”本月3日，来访中心的新进职员在阅读遇难者家属备忘录文集《茜云》时，潸然泪下。

日航によると、全社員約１万４千人のうち事故当時在籍していた社員は２８４人（今年３月末時点）。約９８％の社員が、事故を話でしか聞いたことがないことになる。遺族も高齢化が進み、墜落現場となった「御巣鷹の尾根」（群馬県上野村）への慰霊登山ができなくなった人も少なくない。

根据日航记录，在大约1万4千人的全体公司员工中，事故当时在籍的员工只剩284人（截止至今年3月末）。大约98%的员工只是听说过这场事故。遇难者家属也都老龄化，渐渐越来越少人能前往坠机现场的“御巢鹰尾根”（位于群马县上野村）进行慰灵登山。

事故の教訓をいかに次世代に引き継いでいくかは喫緊の課題だ。日航では、事故直後、着の身着のまま現場に駆け付けたり遺体安置所で遺族に対応したりした社員や関係者らＯＢの声を映像記録に残し、安全意識の啓発に活用している。

事故的教训如何让下一代铭记于心已然是非常紧要的问题。日航还保留着在事故后不久，只穿着衣服就赶往现场，在遗体安置所接待遇难者家属的员工和前相关人士发声的影像记录，希望能在唤醒安全意识方面起到一定的作用。

酒井さんは力を込めて語る。「安全はどこか一つ欠けてもいけない。事故を教訓に、社員全員で安全を守っていくという意識を持たなければいけない」

酒井再次强调，“安全是一个百密无一疏的任务，不允许有任何可趁之机。公司全体员工必须要建立起守护安全的意识，将事故的教训铭刻于心。”

■日航ジャンボ機墜落事故　昭和６０年８月１２日午後６時５６分、乗客乗員５２４人を乗せた日航１２３便ジャンボ機が群馬県上野村の「御巣鷹の尾根」に墜落し、５２０人が死亡、４人が救助された。６２年、当時の運輸省航空事故調査委員会は、機体後部の圧力隔壁の修理ミスなどが原因とした報告書を発表した。

日航大型喷气式客机坠机事故：昭和60年8月12日下午6点56分，搭载着524名乘客及机组人员的日航123航班在群马县上野村的“御巢鹰尾根”坠机，520人死亡，仅4人获救。昭和62年，当时的运输省航空事故调查委员会发布事故原因报告书，表示是由于机体后部的压力墙发生修理错误等所造成的。

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