4月12日に開かれた東京大学入学式。来賓として参加した映画監督の河瀬直美さんの祝辞が波紋を呼んでいる。

4月12日,东京大学入学典礼召开。电影导演河濑直美的嘉宾致辞引发热议。

河瀬監督はウクライナ侵攻について「ロシアという国を悪者にすることは簡単」「悪を存在させることで安心していないだろうか?」と新入生に問いかけた。

针对乌克兰战争,河赖导演向新生提出质疑“简单将俄罗斯视为恶人”“是否因为恶的存在才能感到安心”。

この祝辞について、国際政治学者から批判の声が相次いでいる。東京大学の池内恵(いけうち・さとし)教授は「侵略戦争を悪と言えない大学なんて必要ないでしょう」と大学の存在意義への疑問を呈するほどだった。

针对这段致辞,国际政治学家纷纷表示批判。东京大学池内惠教授质疑大学存在的意义,称“不认为侵略战争是恶的大学也什么存在的必要吧”。

河瀬監督「ロシアという国を悪者にすることは簡単」

河赖导演“将俄罗斯视为恶人太轻易”

河瀬監督の祝辞は、東京大学公式サイトに全文が掲載されている。それによると河瀬監督は、奈良県吉野町の金峯山寺(きんぷせんじ)の管長と対話した際のエピソードを紹介。管長が本堂の蔵王堂を去る際に「僕は、この中であれらの国の名前を言わへんようにしとんや」とつぶやいたと明かした。

河赖导演的致辞全文刊登在东京大学的官网上,其中介绍了河赖导演与奈良县吉野町金峰山寺院长之间的对话故事。院长离开正殿藏王堂时轻声呢喃,“我尽量不在这里提及那些国家的名字”。

この言葉の真意を正したわけではないとした上で、河瀬監督は菅長の思いについて以下のように想像していると話した。

河赖导演并未辨别询问这句话的真正含义,但对于院长的想法她是这样理解的。

<例えば「ロシア」という国を悪者にすることは簡単である。けれどもその国の正義がウクライナの正義とぶつかり合っているのだとしたら、それを止めるにはどうすればいいのか。なぜこのようなことが起こってしまっているのか。一方的な側からの意見に左右されてものの本質を見誤ってはいないだろうか?誤解を恐れずに言うと「悪」を存在させることで、私は安心していないだろうか?>

“例如,简单将‘俄罗斯’这样的国家视为恶人,但如果该国的正义与乌克兰的正义发生冲突,这时该如何制止呢?为什么会发生这种情况?我们是否被片面观点所影响,误判了事情的本质?换句话说,是否因为‘恶’的存在,我才能感到安心?”

こうした見方を紹介した上で「自分たちの国がどこかの国を侵攻する可能性があるということを自覚しておく必要がある」と新入生たちに訴えた。「自制心を持って」侵攻を拒否することを促していた。

在介绍这一观点后她呼吁新生,“我们需要意识到我们自己的国家也有可能侵略其他国家”,她敦促大家需“自我约束”,拒绝侵略。

国際政治学者から批判が相次ぐ。「重要な感性の何かが欠けているか、ウクライナ戦争について無知か」

国际政治学家相继批评。“是否欠缺某种重要的感性?是否对于乌克兰战争一无所知?”

この祝辞に関して国際政治学者からは批判の声が相次いでいる。

针对致辞国际政治学者纷纷表示批评。

慶應義塾大学の細谷雄一教授は、ロシア軍がウクライナの一般市民を殺戮している一方で、ウクライナ軍は自国の国土で侵略軍を撃退していると解説。

庆应义塾大学的细谷雄一教授解释说,俄罗斯军队杀害乌克兰普通市民,而乌克兰军队是在击退入侵本国国土的侵略军队。

河瀬監督の祝辞を念頭に「この違いを見分けられない人は、人間としての重要な感性の何かが欠けているか、ウクライナ戦争について無知か、そのどちらかでは」と厳しく批判した。

他严厉批判河赖导演的致辞,“无法区分这其中的区别的人,是否欠缺了作为人的某种重要的感性?不知道是否是对乌克兰战争一无所知?”

今回の祝辞があった東京大学の池内恵教授も「通俗的な理解するとこうなるという例。新しい学生が変えていってください」とTwitter上で批判。「侵略戦争を悪と言えない大学なんて必要ないでしょう」と、東京大学の入学式のあり方にも疑問を投げかけた。

此次发表致辞的东京大学池内惠教授也在推特上表示批判,“这是典型的通俗理解方式。新生们大家要转变思想尽情发声”,并对东京大学入学仪式应有的状态表示质疑,“不认为侵略战争是恶的大学没有存在的必要”。

東京外国語大学の篠田英朗教授は、前述の池内教授のツイートを引用した上で「『どっちもどっち』論を、超越的な正義として押し付けようとする人々が、この社会で力を持っている」とTwitterで警告を発した。

东京外国语大学的篠田英朗教授引用了前文池内教授的推特并发出警告,“对于把‘半斤八两’言论当作越线正义强加别人的人,这个社会会有力回击”。

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