霞が関の主な中央省庁の2022年度の残業代予算が、初めて400億円を超えた。前年度と比べて約18%と異例の大幅増で、昨夏に各省庁が出した概算要求額385億円を上回る「増額査定」となった。

据悉,中央省厅(位于霞关官厅街)2022年度的加班费预算首次超过了400亿日元。与上一年度相比,大幅增长了约18%,超出去年夏天各省厅提出的385亿日元预算上限,需要进一步“增额核定”。

22日に衆院を通過した22年度一般会計当初予算案に計上された「超過勤務手当」(残業代)を朝日新聞が集計した。全11省と内閣府、内閣官房が、外局や出先機関などを除く本省分として計上した予算の総額は約403億円で、前年度(補正予算を含む)より17・5%増えた。補正を除いた当初予算ベースでの伸び率は23・8%で、1~3%程度の伸びが続いた過去5年と比べても異例の幅だ。

朝日新闻社将在本月22日众议院通过的2022年度一般会计初步预算案中涵盖的“加班津贴”(加班费)进行了汇总统计。11个行政省、内阁府、内阁官房总预算约为403亿日元(不包含外局和驻外机构),比上一年度(含补充预算)增长了17.5%。在初步预算的基础上(不包含补充预算)增长了23.8%,而过去5年该增长率始终保持在1~3%左右,创下了历史新高。

予算編成では、財務省が厳しく査定して要求額を減らすことが一般的だが、この残業代は集計した13の役所のうち八つで要求額を上回る予算が認められていた。「財務省からは残業代を100%支払える金額にしろと言われた」(ある省庁の担当者)という。

一般情况下,财务省会进行严格审定压缩预算,但在上述的13个政府机关中有8个机关的加班费预算超过了预算上限。“财务省下达通知,我们要支付足额的加班费”(某省厅官员)。

■民間との待遇差、若者の「官僚離れ」に

■政府机构与民营私企之间的待遇差异过大,导致年轻人对官僚“敬而远之”

前年度と比べてもっとも増えたのは、新型コロナへの対応で長時間労働に拍車がかかった厚生労働省で、38・9%増の55・3億円。国土交通省の32・7%増の51・3億円が続き、内閣府と内閣官房は3割弱、環境と文部科学の両省も2割台の増額となった。

厚生劳动省因为要应对新冠疫情,工作时间有所延长,因此他们的加班费预算涨幅最大,增长了38.9%,为55.3亿日元。国土交通省紧随其后,增长了32.7%,为51.3亿日元,内阁府和内阁官方增加了3成,环境省与文科省则增加了2成左右。

菅前政権が昨年3月に決めた「人事管理運営方針」では、各省庁に職員の勤務時間の把握を求め、21年度の枠で足りない残業代は22年度に含めて要求するよう指示。これが大幅な予算増につながった。

去年3月,菅义伟首相在任期间下达了“人事管理运营方针”,要求各省厅控制好官员们的工作时间,并要求将2021年度未涵盖的加班津贴纳入到2022年预算中,这也直接导致了预算大幅度增加。

残業時間規制を厳しくする法改正もあり、民間企業では働き方改革が大きく進んでいる。国家公務員には労働基準法が適用されず、これまでは官僚側にも残業代は一定以上は出ないという暗黙の了解があったとはいえ、民間との待遇差が若い層を中心に「官僚離れ」につながっているという危機意識が背景にある。

此外,还进行了法案修正,严格规定加班时间,民营私企在工作方式方面也进行了相应改革。虽然国家公务员并不适用劳动基准法,但也心照不宣地设定了加班费的上限,政府机构与民营私企之间的待遇差异过大,导致了年轻人对官僚“敬而远之”。

霞が関では、国会の会期中や予算の編成時期などを中心に、深夜まで職員が残って業務をこなすことが珍しくない。特に、国会議員からの質問通告などに備えた長時間の待機や深夜の大臣答弁の作成など政治が絡む業務の負担が大きい。こうした働き方に疑問を持つ若手官僚の離職も増えている。

在霞关官厅街,政府官员们办公至深夜的情况并不少见,尤其是在国会召开和编造预算期间。他们需要长时间待命应对国会议员的各种疑问,在深夜准备大臣们的答辩稿等等,承担各种政治性工作,负担之重可想而知。对这种工作方式持怀疑态度的年轻公务员们的数量在逐渐增加,离职人数也越来越多。

財務省のある官僚は「国のために働くという『誇り』だけでは若い人たちをつなぎとめられない。今の労働条件を改善し、官僚の満足度を上げる取り組みが必要だ」と話す。

财务省的某官僚说道“为国家洒热血的‘自豪感’已经不足以支撑年轻人们的工作热情了。政府应该极力改善目前的工作条件,努力提高官僚们的满意度”。

■主な中央省庁の22年度残業代予算額

内閣官房 14.8億円(29.3)

内閣府 12.4億円(29.6)

総務省 24.3億円(16.1)

法務省 8.5億円(16.2)

外務省 30.8億円(8.7)

財務省 25.1億円(1.8)

文部科学省 17.0億円(22.1)

厚生労働省 55.3億円(38.9)

農林水産省 35.0億円(▼0.8)

経済産業省 28.0億円(17.4)

国土交通省 51.3億円(32.7)

環境省 10.6億円(24.4)

防衛省 89.7億円(11.6)

合計 402.8億円(17.5)

*金額は本省分。かっこ内は21年度予算(補正含む)からの伸び率(%)。▼はマイナス

■2022年中央省厅加班津贴预算

内阁官房 14.8亿日元(29.3)

内阁府 12.4亿日元(29.6)

总务省 24.3亿日元(16.1)

法务省 8.5亿日元(16.2)

外务省 30.8亿日元(8.7)

财务省 25.1亿日元(1.8)

文科省 17.0亿日元(22.1)

厚生劳动省 55.3亿日元(38.9)

农林水产省 35.0亿日元(▼0.8)

经济产业省 28.0亿日元(17.4)

国土交通省 51.3亿日元(32.7)

环境省 10.6亿日元(24.4)

防卫省 89.7亿日元(11.6)

合计 402.8亿日元(17.5)

*金额为本省部分。括号内的数字为同比增长率。▼表示下降

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