2012年に韓国の李明博大統領（当時）が島根県・竹島（韓国名・独島）に上陸し、日韓関係が冷え込んでから22年で10年。

2012年，韩国总统李明博（当时）登上岛根县竹岛（韩国名独岛），日韩关系陷入僵局10年后的2022年。

韓国では大統領選を経て5月に新政権が発足するが、相互不信が常態化し、「元通りにはならない」（専門家）との声も聞かれる。

韩国虽然经过大选将于5月成立新政府，但相互间的不信任已成为常态，因此也有专家表示“不会恢复原状”。

◇途絶えた首脳外交

◇中断的首脑外交

李氏は竹島上陸に続き、「（天皇が）韓国を訪問したいのなら、独立運動で亡くなった方に謝罪すべきだ」と発言し、感情的対立はエスカレート。朴槿恵政権下の15年12月の慰安婦合意で関係修復が図られたものの、米オバマ政権の圧力による部分も大きく、長続きしなかった。

李氏登上竹岛之后发言：“（天皇）如果想访问韩国的话，就应该先向在独立运动中死亡的人道歉。”双方对立感情进一步升级。朴槿惠执政时期的2015年12月，双方达成了慰安妇协议，试图修复两国关系，但由于受到美国奥巴马政府的压力，未能维持太久。

両国首脳が相互に単独訪問する「シャトル外交」は11年12月が最後。元徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じた韓国最高裁判決後、19年には日本が対韓輸出管理強化を発動し、韓国で日本製品不買運動が起こった。20年以降は、国際会議を利用したものを含め首脳会談は行われていない。

两国首脑最后一次单独外交访问是在2011年12月。韩国大法院在征用劳工诉讼中命令日本企业进行赔偿后，2019年日本发动了加强对韩出口管理的措施，韩国也发生了抵制日货的运动。2020年以后，没有在举行包括利用国际会议在内的首脑会谈。

韓国のシンクタンク「東アジア研究院」の孫洌院長は「韓国人は日本全体が右傾化したとみるようになり、日本人は韓国と価値観を共有できないと考えるようになった」と指摘する。

韩国智囊团“东亚研究院”院长孙洌指出：“韩国人开始认为日本整体右倾化，日本人开始认为日本人与韩国没有共同的价值观。”

◇劣等感ない若年層

◇没有自卑感的年轻人

文在寅大統領は19年8月、韓国の経済力や国際的地位の向上を背景に「二度と日本に負けない。日本経済を超えることもできる」と強調。与党「共に民主党」の大統領候補、李在明前京畿道知事も昨年10月の演説で「日本を追い越し、世界を先導する国をつくる」と対抗意識をむき出しにした。

文在寅总统在2019年8月，以韩国经济实力和国际地位的提高为背景，强调“不会再输给日本，甚至可以超越日本经济”。“共同民主党”总统候选人、前京畿道知事李在明也在去年10月的演讲中表示“要超越日本，建设引领世界的国家。”表露出对抗意识。

一連の言及は「日本への反発と劣等感」（孫氏）の裏返しだ。孫氏は「既存の世代には、日本に学び、追い付かなければならないという意識が強い。李在明氏らの発言はこうした思考パターンから出たものだ」と解説した。

这一连串的发言是“对日本的反抗和自卑感”（孙氏）的反证。孙氏解释说“在现有的一代中，学习日本，必须追赶上日本的意识非常强烈。李在明等人的发言就是出自这种思考模式。”

一方、「若い世代は日本と経済的な差を感じておらず、劣等感がない」と語る。今の若い世代は韓国が1996年に経済協力開発機構（OECD）入りしてから物心が付き、経済的に停滞する日本の姿しか見ていない。対抗意識が薄い代わりに、協力の必要性も感じにくい層が増えたと言える。

另一方面，他说“年轻一代感觉不到经济上与日本的差距，也没有自卑感”。现在的年轻一代是在韩国于1996年进入经济合作与发展组织（OECD）后开始懂事的，他们只看到了在经济上停滞不前的日本。虽然对抗意识淡薄，但很难有合作的必要性感觉的阶层增加了。

◇大統領候補は協力強調

◇总统候选人强调合作

とはいえ、現状を放置できるわけではない。元徴用工訴訟で日本企業が実害を被る「現金化」に至れば、さらに深刻な対立に陥るのは必至。三菱重工業に続き、昨年12月30日には日本製鉄の韓国内資産にも売却命令が出された。

虽说如此，也不能对现状置之不理。如果在原征用工诉讼中，日本企业遭受实际损失实行“现金化”，必然会陷入更加严重的对立。继三菱重工业之后，去年12月30日，日本制铁也接到了出售韩国国内资产的命令。

李在明氏は12月27日、相星孝一駐韓大使と会い、「未来志向で協力するのが望ましい」と訴えた。保守系最大野党「国民の力」候補の尹錫悦前検事総長もシャトル外交復活などを表明。孫氏は、韓国の若い世代で反日より反中感情の方が強いことを挙げ、「中国への対応が韓日を近づける重要な要因になるのではないか」と期待を示した。

李在明12月27日会见韩国驻韩大使相星孝一时，表示“希望双方在未来合作”。“国民力量”保守派候选人、前检察总长尹锡悦也表示将恢复外交访问。孙氏举出在韩国年轻一代中，反中情绪比反日情绪更强烈，并期待说“对中国的应对措施将成为拉近日韩关系的重要因素。”

しかし、李氏は「日本の謝罪が重要」とも主張している。同氏ではなく尹氏が当選しても、国会の議席は共に民主党が圧倒的多数で、政権基盤は弱い。日韓関係筋は「どちらが大統領になっても、各論に入れば解決が容易でないのは同じ。楽観していない」と語った。

但是，他还主张说:“日本的道歉非常重要。”即使是尹氏当选，国会议席也是共同民主党的压倒性多数，执政基础薄弱。日韩有关人士表示“无论哪一方当选总统，如果进入争论阶段，解决起来都不容易，不容乐观。”

本翻译为沪江日语原创，未经授权禁止转载。

相关阅读推荐：

日媒网评：日本政客奇葩言论年度大赏