貧富の格差が広がる中国で、国家公務員の人気が加速している。2022年度採用試験は、平均競争率が100倍を超す地域や、競争率が史上最高の2万倍弱に達した職位もあり、話題を集めた。例年志望者が多いIT業界をはじめ、民間企業に対する政府の統制強化や、中国経済の減速が背景にあるとみられる。

在贫富差距扩大的中国，国家公务员的热度飞速上涨。2022年度招聘考试中，有的地区岗位平均报录比超过100：1，也有的岗位报录比创历史新高，接近20000：1，引发广泛讨论。以往年热门的IT行业为代表，可以看出政府对私营企业加强管理以及中国经济增长放缓的大环境。

中国メディアによると、11月下旬に筆記試験が行われた22年度採用試験には、中央政府の75部局と23直属機関の3万1242人の募集枠に対し、前年比約35％増で過去最多となる約212万3千人が受験資格審査をクリア。全国の平均競争率は約68倍となった。09年年度採用試験以降、出願者は14年連続で100万人を超えているが、今回初めて200万人の大台を突破した。

据中国媒体报道，2022年度招聘考试于11月下旬进行笔试，共有中央政府75个部门以及23个直属机构参加，共计招录3.1242万人，约有212.3万人资格审核通过，与去年相比增加35%，创历史新高。全国平均报录比约为68：1。自从2009年招考以后，申请人数连续14年超过100万人，今年首次突破200万人大关。

採用地域別では南部の広東省や首都の北京、東部の山東省が人気で、北京の平均競争率は103倍。職位別では、チベット自治区にある阿里地区郵政管理局の「一級主任科員以下」（募集1人）が全国トップの1万9236倍だった。専攻不問など出願条件が少なかったためとみられる。

从招聘地区来看，南部广东省、首都北京、东部山东省热度最高，北京的平均报录比为103:1。从岗位来看，西藏自治区阿里地区邮政管理局“一级主任科员以下”（招1人）的报录比为19236:1，居全国首位，可能是因为不限专业等申请条件限制少。

出願後、競争率の高さに受験を断念する人も多く、今回は約70万人が辞退。筆記試験を受けた約142万2千人の結果は来年1月に発表され、面接試験を経て合格者が決定する。

申请后很多人因为竞争激烈放弃考试，今年约70万人弃考。参加笔试的约142.2万人的笔试成绩将于明年1月公布，再经过面试后确定录用者。

公務員人気の過熱について、北京の経済アナリストは「都市部だけでなく農村部でも格差が広がっている。新型コロナウイルス禍や不動産業界の苦境もあって中国経済が減速傾向にある中、安定した身分や収入への期待が強まっている」と話す。習 近平指導部が格差解消を目指す「共同富裕」を掲げ、大手企業の締め付けや富裕層への課税で「富の再分配」を断行するを鮮明にしていることも影響しているようだ。

针对公务员过热现象，北京经济分析师表示“不仅城市地区差距大，农村地区的差距也在扩大，再加上新冠肺炎疫情以及房地产业的困境，中国经济呈增长放缓趋势，大家更希望获得稳定的地位和收入。”而且习 近平领导集体旨在消除贫富差距，实现“共同富裕”，约束大型企业、向富人征税，明确坚决实行“财富再分配”的态度，大家可能也受到这部分的影响。

ただ、消防局や鉄道警察、統計局調査隊など127職位157人の募集枠は出願者がゼロだった。北京の女性会社員（29）は「国家公務員でも、給料が安い割に危険だったり、きつかったり、権力を得る機会が少ないような仕事は人気が低い」と話した。

但是，消防局、铁路警察、统计局调查队等127个岗位157个招聘名额，却无人应聘。北京的一位29岁的女性上班族说，“即使是国家公务员，但工资低却比较危险、紧张、掌权机会少的工作也是无人问津的。”

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