今年で没後10年、生誕90年という節目を迎えた日本SF小説界の大家・小松左京。彼の代表作の一つである「日本沈没」を原作にしたテレビドラマ「日本沈没 ~希望のひと~」が現在TBS系列の日曜劇場で毎週日曜夜21時より放送中だ。海底調査にあたる研究者たちを主人公に据えた原作から大きくアレンジした同作では、小栗旬演じる環境省官僚の奮闘を中心に、地震という自然現象を前に人間にはなにができるのかという問いかけを情緒たっぷりに描きだしている。本日放送される第6話からは、関東沈没という未曾有の災害からの復興に向けた物語がスタートする。

今年是日本科幻小说巨匠·小松左京逝世10周年及诞辰90周年。根据其代表作之一《日本沉没》改编的电视剧《日本沉没-希望之人-》正在TBS电视台日曜剧场(每周日21点)热播。小说围绕海洋地质研究员们展开,电视剧在原作基础上进行了较大的改编,以小栗旬饰演的环境省官员的奋斗为主线,细腻刻画了面对地震这一自然灾害时人们的危机情愫。从11月21日播出的第6集起,该剧将进入第二章讲述东京沉没后主人公们挽救危机的故事。

この「日本沈没」の原作小説が刊行されたのは1973年。まさにその年に森谷司郎監督、中野昭慶特技監督によって映画化されると、同年の邦画作品ナンバーワンの大ヒットを記録。その後も映画版と同時進行で制作されたテレビドラマ版や、草なぎ剛主演による2006年の映画版、湯浅政明監督によるアニメ版「日本沈没2020」など、あらゆる形で再構築が加えられてきた。その間にも阪神・淡路大震災や新潟中越地震、東日本大震災といった甚大な災害が次々と発生してきた地震大国・日本。大きな災害が来るたび、また「日本沈没」が映像化されるたび、多くの人々がそれぞれの未来へ向けた手掛かりのようなものをこの作品に求めているようにも思えてしまう。

小说《日本沉没》出版于1973年。同年被改编为电影搬上荧屏,影片由森谷司郎执导,中野昭庆担任特效总监,是当年年度票房No.1的大热作品。此后,各大公司以这个故事为蓝本又陆续推出了多部影视动漫作品。2006年由电视台与电影公司共同制作的同名大电影上映,影片由草彅刚主演。2020年由汤浅政明执导的动画作品《日本沉没2020》正式上线。日本是一个地震频发的国家,遭受过多次破坏性极大的灾害,包括阪神·淡路大地震、新泻中越地震以及东日本大地震。每当灾害降临时,每当《日本沉没》再度改编时,想必很多人都会去这部作品中寻求未来的归宿。

期せずして昨年、同じ小松左京原作のある作品が大きな注目を集めることとなった。それは「仁義なき戦い」シリーズで知られる深作欣二監督がメガホンをとり、ハリウッドのキャストも招いて制作された1980年代きっての超大作『復活の日』である。新種のウイルスが世界中で猛威を振るうという世界観の設定と、この原作小説が刊行されたのがオリンピックイヤーの1964年だったという因果も相まって、まるで2020年を予見していたのではないかという声が多く挙がり、急遽リバイバル上映も行われたほど。

去年,一部同样改编自小松左京著作的电影成为舆论焦点。该影片就是由凭借《无仁义之战》系列而家喻户晓的深作欣二导演掌镜,特邀好莱坞巨星参与拍摄的上世纪80年代巨制电影《复活之日》。该故事以一种新型病毒在世界各地肆虐传播为背景,原作又发行于1964年恰逢当年东京正在承办第18届夏季奥运会,许多巧合夹杂一起,让很多人认为该部作品是对2020年的预言,影院甚至开展了该片的复映活动。

東ドイツにある陸軍細菌研究所から新種のウイルス兵器が持ちだされ、事故が原因でウイルスが飛散。瞬く間にその脅威が世界中に蔓延していくことから物語が始まる『復活の日』。やがて南極大陸にいる863人を残し世界中の人類が死滅してしまう。その後、南極・昭和基地にいた地震学者の吉住は地球にさらなる危機が迫っていることを察知。それはアメリカを襲う垂直型地震によってミサイル報復システムが作動し、南極が爆撃される可能性があるということだった。数少ない人類の窮地を救うため、吉住はアメリカ隊のカーターと共に廃墟と化したワシントンへと向かうのである。

设立在东德的陆军细菌研究所研制出新型病毒武器,却不料意外泄露。威胁迅速蔓延到世界各地,《复活之日》的故事由此展开。灾难导致人类接近灭绝,仅有在南极大陆的863位科考人员幸免于难。随后,南极·昭和基地的地震研究员·吉住察觉到地球正面临着更大的危机—美国将发生大地震进而触发核导弹发射系统,南极洲很有可能遭到轰炸。为了拯救这些少数幸存的人类,吉住和美国南极探险队队员卡特决定一起前往早已化为废墟的华盛顿。

第二次大戦後の戦禍に少年時代を過ごした1931年生まれの小松と、1930年生まれの深作監督。両者の平和への強い願いや、人類の無常さと罪深さ、そしてそれでも生きようとする貪欲なまでの生への執着を、戦後の世界を大きな不安に陥れた核ミサイルの脅威を軸にして描きだした『復活の日』。それが原作の誕生から半世紀以上、映画化から40年という長い歳月を経て現代にも通じてしまうというのは、小松の先見性の高さに驚かされると同時に、あまりにも不幸な奇跡のようにも感じてしまう。人類の生死を左右する脅威に対してどのような対処を行うべきかというシミュレーションは、『日本沈没』で描かれる天災と同様、“その時”が来て初めて意味を持つ。

小松左京出生于1931年,深作导演出生于1930年,二人的童年时代都是在战火纷飞的第二次世界大战中度过的。《复活之日》以核导弹威胁为故事主线,展现了两位大师对和平的强烈渴望,人类的无常与罪恶,以及对生的贪恋和对活的执著。从原著出版至今已经过去了半个多世纪,电影版的首映也早已是40多年前的事了,但这部作品仍具有着现实意义,这既是作家超前预见性的体现也是现实的不幸与悲哀。正如《日本沉没》中描述的自然灾害那样,如何应对左右人类存亡的威胁,只有在“威胁”到来时才能体现。

(左:小松左京;右:深作欣二

この2作以外にも、日本のSF作品の領域を打ち破るスケールを有した小松作品は複数本が映画化されている。超能力を持つスパイが悪の超能力者集団に立ち向かう『エスパイ』(74)は少々変わり種としても、『首都消失』(87)は先述の2作品と同じく現実へのシミュレーション作品として興味深いものがある。突如として現れた“雲”によって東京の首都機能が完全に麻痺してしまう。これもある意味、昨年あたり現実に充分起こり得たシチュエーションに限りなく近いのではないか。

除了上述两部作品外,小松还有多部小说被改编为影视作品,这些小说都是日本科幻作品中的巅峰巨作。有题材另类的《E.S.P.Y》(1974年),讲述了拥有超能力的间谍与邪恶超能力者集团的各种对抗。1987年的《首都消失》则与上述两部作品类似,同样是科幻现实主义,蕴藉深厚。东京突然被莫名的“云”所笼罩,致使首都机能完全瘫痪。这样一看,这与去年的现实生活又再一次不谋而合。

また一国の危機を描いた『日本沈没』や『首都消失』、地球規模での危機を描いた『復活の日』よりもさらに大きい、宇宙規模で物語が展開した『さよならジュピター』(84)も忘れてはなるまい。太陽系にブラックホールが接近することを阻止するために、木星を爆発させる。なんとも突飛な設定ではあるが、劇中で描かれたいくつもの宇宙探査に関するディテールは、少なからず現実にも影響をもたらしたとも言われている。もしかすると、同作も近い将来に「現在を予見していた」作品といわれる時が訪れてしまうのかもしれない。

还有一部作品也值得一提,它的世界观比描写一国危机的《日本沉没》《首都消失》和讲述全球危机的《复活之日》更为庞大,该作就是将舞台设定为宇宙的《再见,朱庇特》(《再见,木星》1984年)。为了防止黑洞接近太阳系,人类决定引爆木星。虽然情节有些牵强,但作品中描写的有关宇宙探索的细节,或多或少也给现实研究带来了灵感。或许,该作品在不久的将来也会被看作是“神预言”呢。

11月19日より開催中の「角川映画祭」では、上で紹介した『復活の日』が上映されている。角川映画40周年の際に製作された4K修復版での上映で、その鮮明な映像は物語のリアリティを増幅させ、作品の持つ今日性をより一層高めている。また同作はAppleTVアプリの「MOVIE WALKER FAVORITE」チャンネルでも4K配信中なので、映画祭に足を運べないという人も自宅で楽しむことができる。この機会にいま再びの注目を集める小松左京作品に触れ、またいつやって来るかわからない“その時”へ備えてみるのも悪くないだろう。

“角川电影节”于今年11月19日开幕,电影节播放了刚刚介绍过的《复活之日》。片方借角川电影40周年之际推出了影片的4K修复版,画面清晰使故事的真实性大大提高,也更具有现实性。另外,为了满足无法到场参加电影节的影迷们的需要,app AppleTV“MOVIE WALKER FAVORITE”频道也上线了修复版影片。大家不妨借此机会观赏一下重新引起当下人们关注的小松左京的作品,为随时可能再次降临的 "危机"做好准备。

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