◆「子どもの貧困」は相対的なもの

◆“儿童贫困”是相对现象

2012年の子どもの貧困率は16.3%と、過去最高を記録しました(厚生労働省「国民生活基礎調査」)。法律が作られて施行されてきた効果か、2015年は13.9%、2018年は13.5%とやや低下してきています。

2012年的儿童贫困率达16.3%,创下了历史最高纪录(厚生劳动省《国民生活基础调查》)。许是受到了相关法律实施保障的影响,儿童贫困现象近年来略有好转,2015年降到了13.9%,2018年为13.5%。

「子どもの貧困」と聞いても、なかなかピンとこない人もいるでしょう。周囲を見回しても、ストリートチルドレンのような姿はどこにもありません。それもそのはず、国ごとの「相対的」なものだからです。

对于某些人来说,即使听说过“儿童贫困”这个词,也未必理解其含义。毕竟,在我们的周围(日本),根本没有街头流浪儿的存在。这也表明了各个国家的“儿童贫困”现象是相对的。

子どもの貧困とは「その国での『当たり前の生活』が送れない」状態を指します。貧困のラインの線引きとしては、世帯の1人当たり可処分所得の中央値(少ない順に並べたときの真ん中の値)の半分が基準です。この基準以下の家庭で暮らす子どもが該当します。

儿童贫困是指,儿童的“『正常生活』在本国无法得到保障” 。日本贫困线的划分标准是等价可支配所得均值的二分之一(以家庭为单位)。可支配所得低于这个标准的家庭的儿童便被认为是贫困儿童。

現在、日本の子どもの7人に1人が相対的貧困の状態にあるとされています。

目前,在日本每7位儿童中就有1人处于相对贫困状态。

◆子どもの貧困は目に見えにくく、気づかれにくい

◆儿童贫困问题缺少关注度

日本での子どもの貧困は、前述のように飢えや家がないといったことではなく、すぐそばにいても気づきにくいのが特徴です。例えば、次のような子たちとみられます。

在日本,儿童贫困并不是体现在饥饿或者无家可归,而是一些伴随在我们身边的难以发现的生活细节。例如以下情况。

「朝ごはんを食べずに登校。歯並びが悪く、虫歯も多い。入浴や着替えが毎日でないときもある」

“没吃早餐就去学校上课。牙齿发育情况欠佳,排列不齐且满口龋齿。无法做到每日洗澡或更换衣物”

「習い事やスポーツ、部活などもあまりしない。他の子が持っているようなゲームなどもなく、話題に入れないことも。修学旅行も行かない」

“未能参加学习活动、运动、社团活动等。没有其他孩子拥有的游戏,与其他人没有共同话题。不参加修学旅行”

「親の収入が不安定で、不安やストレスの中で育ってきたためか、自己肯定感が持てず、何でもすぐにあきらめてしまう」

“因父母收入不稳定,成长在焦虑和压力下,导致自卑,容易妥协放弃”

「塾に行くお金がなく、成績が悪くても改善できない。成績が悪いのは頭が悪いからだと思い込み、自信が持てない」

“没有钱去上补习班,即使成绩不好也没有机会补习。将成绩差归咎于脑子笨,没有自信”

「中学卒業後に働く子や、働きながら定時制高校に通う子も。大学進学率は低い」

“有些孩子初中毕业后就早早进入社会挣钱,还有些孩子一边打工兼职一边上定时制高中。大学升学率不乐观”

周りがみんな貧しかった時代には何でもなくても、生活水準が上がっている中では、みんなと同じにできないことは辛いことです。

如果处于大家都不富裕的时代,这些并不算什么。但随着生活水平普遍提高,生活无法达到平均水平的话便会显得很艰辛。

◆子どもの貧困が増えてきた2つの理由

◆儿童贫困现象恶化的两个原因

子どもの貧困は、育てる親の低所得や生活困窮が主な原因といわれています。親が貧困状態にあるため、子どもも貧しい暮らしになります。

儿童贫困主要是由于父母收入低和生活困难造成的。因为父母贫穷所以孩子只能跟着一起过苦日子。

子どもの貧困が増えてきた理由は主に2つ挙げられます。

导致儿童贫困现象恶化的原因主要是以下两个。

1つは、90年代後半以降に派遣社員など非正規雇用が増え、経済的に不安定になったこと。不景気と相まって、大きな要因として指摘されています。

一方面,从上世纪90年代后期开始,像派遣制员工这类的非正规合同工增加,导致经济不稳定,再加上经济大环境不景气。

もう1つは、ひとり親世帯、特に収入の低い母子世帯が増えたことが挙げられます。2016年時点の母子世帯は推計123万世帯で、就労収入は平均約200万円と低いままです(厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」)。

另一方面,单亲家庭数量增加,尤其是低收入女性维持的单亲家庭。截止2016年,预估有123万个由女性维持的单亲家庭,单亲妈妈们的收入平均不高,仅为200万日元(厚生劳动省《平成28年全国单亲家庭情况调查》)

前出の「国民生活基礎調査」によると、2018年の子どもの貧困世帯は、子どもがいる現役世帯(世帯主が18歳以上65歳未満)のうち「大人が1人」の世帯が48.1%と、諸外国と比べかなり高いことがわかります。

根据前文提到的《国民生活基础调查》,2018年,在存在儿童贫困问题的家庭中,单亲家庭占48.1%(户主为18岁以上65岁以下),这一比例远远高于其他国家。

▼海外のひとり親世帯の相対的貧困率

▼其他国家单亲家庭的相对贫困率

・アメリカ:46.3%

・イタリア:37.0%

・ドイツ:29.6%

・オランダ:29.5%

・フランス:25.9%

・イギリス:23.2%

・OECD平均:32.5%

・美国:46.3%

・意大利:37.0%

・德国:29.6%

・荷兰:29.5%

・法国:25.9%

・英国:23.2%

・经济合作与发展组织平均:32.5%

(出典:OECD Family database “Child poverty” 2020年7月1日閲覧)

(参考:OECD Family database “Child poverty” 2020年7月1日发布)

◆国の対策はどうなっている?

◆国家的对策是?

子どもの貧困の問題には政府も力を入れています。関連する法律や制度も整備されてきました。

政府正在努力解决儿童贫困问题。制定并完善了相关法律和制度。

●子どもの貧困対策法(子どもの貧困対策の推進に関する法律)

●生活困窮者自立支援法(生活困窮者の自立をサポート)

●子ども・子育て支援制度

●高校生向け給付型奨学金の拡充

●低所得向け大学の給付型奨学金

●幼児教育の無償化

●ひとり親家庭の生活・就労支援

●民間資金を核とする基金創設「子供の未来応援国民運動」(学習や生活の支援団体を助成)

●儿童贫困对策法(关于推进儿童贫困对策的法律)

●生活贫困者自立支援法(支持生活贫困者自立的法案)

●儿童及育儿支援法

●扩大面向高中生的給付型奖学金的覆盖面

●开设面向家庭困难的大学生的給付型奖学金

●幼儿教育的无偿化

●向单亲家庭提供生活·就业支援

●以民间资金为主体的基金创设“孩子的未来应援国民运动”(向帮助贫困家庭孩子学习生活的支援团体提供补助)

「教育支援」「経済支援」「生活支援」「就労支援」と幅広い支援が行われています。子ども食堂や学習支援ボランティアなども広がりました。

国家在“教育支援”“经济支援”“生活支援”“就业支援”等各方面做出了相应举措。儿童食堂以及志愿者的队伍都在不断扩大。

◆コロナ禍直撃の影響は?

◆受新冠疫情的影响?

改善のためのさまざまなメニューがそろいつつあり、昔に比べ、少しずつ親の負担は軽くなってきた矢先に、コロナ禍が非正規雇用などを直撃した形です。

各项改善举措齐头并进,与先前相比,父母的育儿负担正一点点减轻,而就在此时,新冠病毒席卷全球,疫情对非正规合同工等方面造成了直接打击。

さまざまな緊急支援もありましたが、Withコロナ時代にどのような影響となるのか、2022年に発表される「国民生活基礎調査」が気になるところです。

目前政府已经推出了一系列的紧急支援举措,在新冠疫情时代是否会带来些许改善呢,期待2022年发布的《国民生活基础调查》。

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