国家権力が闇に葬る犯罪を暴く勧善懲悪ドラマ最新版

揭露国家权力掩盖下的犯罪,劝善惩恶题材电视剧最新作品

コラムニストの矢部万紀子さんのカルチャー連載。今回は、2021年10月18日から月曜の夜10時に放送中のテレビドラマ「アバランチ」を取り上げます。

专栏作家矢部万纪子的文化连载。这次介绍的是自2021年10月18日起每周一晚10点播出的电视剧《雪崩》。

リアルタイムで見たい!手に汗握るストーリー

想实时观看!惊心动魄的故事情节

ドラマは録画して見ることが多いのですが、このドラマはリアルタイムで見ました。CMになり、ふっと息を吐き、「あ、私、手に汗握ってる」と思いました。「アバランチ」(月曜夜10時、カンテレ・フジテレビ系)、すごいドラマです。

电视剧我经常是录下来再看,但这部却是实时观看的。进入广告,我才松一口气,心想“啊,看得我好紧张”。《雪崩》(每周一晚10点,日本关西・富士电视台)真是部不错的剧。

ざっと説明すると、アバランチはグループ名です。構成メンバーは4人。2人は元警察官(綾野剛&田中要次)、あとは元自衛隊員(高橋メアリージュン)と天才ハッカー(千葉雄大)。4人を束ねるのが警視庁特別犯罪対策企画室で、そこにいる2人は元内閣情報調査室員(木村佳乃)と捜査一課から左遷されてきた巡査部長(福士蒼汰)。この2人プラス4人で、国家権力が闇に葬ろうとする犯罪を暴いていくというのが大きな枠組みです。

简略点来说,雪崩就是个组织名称,共有4名成员。其中2人曾是警察(绫野刚&田中要次 饰)、另外2人,1个曾是自卫官(高桥玛莉润 饰),1个是天才黑客(千叶雄大 饰)。将这4人凑在一起的是在警视厅特别犯罪对策企画室工作的前内阁情报调查室员(木村佳乃 饰)和从搜查一课被降职到此的巡查部长(福士苍汰 饰)。他们2人加上雪崩组织的4人共同揭露国家权力掩盖下的犯罪,是故事的大框架。

4人にそれぞれ得意分野があり、綾野剛&高橋メリージュンはとんでもなく強いです。田中要次は普段はおもちゃのお医者さんをしていますが、暴力団情報に精通した昔気質の元刑事です。

4人都有各自擅长的领域,其中绫野刚和高桥玛莉润是出乎寻常的强大。田中要次平时是一名玩具医生,实际上却是精通暴力集团情报且性格古板的前警察。

初回は巨大企業グループのトップ、2回目は大物政治家がターゲットになりました。初回、スマホで映像を見つめる人々が映り、ハッカーが「起きてるよ、雪崩」と言いました。アバランチはフランス語で雪崩。拡散する情報は後戻りさせられない、どんな権力者でも。

第一集的目标是大型企业集团的高层,第二集是政界大亨。第一集中,用手机观看视频的人们在画面中出现,下一秒就切到了黑客(千叶雄大)说:“雪崩正在发生唷”的画面。アバランチ在法语中的含义是雪崩。扩散出去的情报无法再收回,无论拥有多大权力。

早い展開のストーリーだけでなく映像が見どころ

不只是毫不拖沓的剧情,画面也是一大看点

これだけでも、なんだか面白そうですよね。早い展開、6人それぞれにありそうな秘密、すぐ隣のアバランチをつぶそうとする勢力……。これからますます面白くなる予感です。けれど私が一番ひかれたのは、映像でした。

光看第一集,就让人感觉很有趣了。紧凑的剧情,6人各自的秘密,想要摧毁隔壁雪崩组织的势力......有预感接下来会越来越有趣。不过,最吸引我的地方还是电视的画面。

視点の切り替わりが早く、ドキドキ感が増すのです。初回の冒頭を再現してみます。

视角切换迅速,增加了紧张感。下面试着还原一下第一集的开头。

ドローン映像で闇夜に浮かぶ古いビル、静かに1台の車が近づいています。何か不吉。と思った瞬間、車から人が出てくる映像に変わります。誰かが拉致されている。そうわかると、人質目線になります。古いビルの階段を、見ているこちらも上らされている。そういう気持ちでいると、ふいにビルの窓が映ります。視線がググッと動かされます。「情報通りです、奴らに間違いありません」という声がして、捜査している人がいるとわかった瞬間、画面は警察官が乗り込んでいるボックスカーの中に。そこにいる1人が綾野さん。

第一个画面是无人机视角,一辆汽车在缓缓靠近浮现于黑夜中的古旧大楼。正当我觉得有点不详时,画面就变了,车中出来几个人。有人被绑架了。刚明白发生了什么,画面又转换成了人质视角。在屏幕前观看的我也被迫跟着人质登上了古旧大楼的阶梯。才适应好,大厦的窗户忽然出现在了画面中。视线不停改变。“正如情报所言,就是那群家伙没错”一个声音响起,在我明白有人在搜查的瞬间,画面又变成了警察乘坐的面包车中。车内其中1人便是绫野刚。

と、こんな感じです。これは映画だなあ、と思いました。視点が広く、濃密です。で、調べてわかったのですが、このドラマには監督が3人いますが、そのうちの1人藤井道人さんは、あの映画「新聞記者」の監督でした。ドラマの最後のクレジットには「監修」として名前が出るので、全体を統括しているのでしょう。

观看时就是这种感觉。像是在看电影一样。视角广阔且细腻。后来一查发现,该剧共有3位导演,其中一位是藤井道人,就是那部电影《新闻记者》的导演。他在电视剧最后的演职员表中以“监制”的名义出现,所以应该是由他统括了全局吧。

映画「新聞記者」でも描かれた”権力の不気味さ”

电影《新闻记者》中也描写过的“权力的恐怖”

「新聞記者」はミニシアター系の映画ながら大ヒットし、数々の賞も受賞したのでご覧になった方も多いことでしょう。東京新聞・望月衣塑子記者の著書『新聞記者』を原案にした、社会派サスペンス映画です。私は元新聞記者なので、興味をもって見にいきました。新聞記者より、「権力」の不気味さを描いた作品だと感じました。都合の悪いことを隠す、それどころかなかったことにしようとする権力。その一員でありながら疑問を感じ、もがく官僚の葛藤が描かれていました。

《新闻记者》虽然是一部单馆系电影,但人气极高,曾获得无数奖项,所以观看了这部电影的人应该也不少。影片改编自东京新闻・望月衣塑子的同名小说,是社会派悬疑电影。因为我本人也曾做过新闻记者,所以颇感兴趣地去看了。比起新闻记者,我更感觉这是部描写“权力”有多恐怖的作品。隐藏掉不好的事,甚至让它们变成从未发生过的权力。影片描绘出了身在其中却感到疑惑,内心挣扎的官僚的纠结。

「アバランチ」も権力の不気味さを描いています。その象徴として内閣情報調査室が描かれ、そこで働く官僚たちが冷酷そうなのも一緒です。ただし「アバランチ」には、悪を懲らしめる痛快さもあります。もちろん「一件落着」にはならず、2話でもうアバランチをめぐる不穏な空気が流れ、ドキドキしています。

《雪崩》也描写了权力的恐怖。作为象征,该剧刻画了内阁情报调查室以及在那里工作的冷酷官员们。不过,《雪崩》还有坏人得到惩罚的情节,让人大快人心。当然事情没有就此结束,第2集中雪崩组织周围的气氛开始危险,紧张起来了。

暗めの画面が多い中、綾野さん演じる元刑事が時々「軽さ」も見せてくれます。若い刑事の福士さんを「おセンチなのかー、おセンチイケメンなのかー」とからかうセリフ、私は大好きでした。

剧中画面大多很昏暗,绫野刚饰演的前刑警有时也会露出“轻佻”的一面。我特别喜欢他调侃年轻刑警福士苍汰的那句台词:“你在走感性路线吗,感性帅哥路线”。

録画で見るよりドキドキしたのは、「画面の向こう」とつながっている感じなのだと思いました。録画機能などないテレビで、「太陽にほえろ!」を夢中で見た中学時代を思い出しました。今から思えば、ツッコミどころ満載の刑事ものです。でも大好きでした。遠い昔のドラマを、超今どきのドラマで思い出し、何だかちょっとおかしくなりました。

比看录播,实时观看更令我激动的是有一种和“画面对面的人”联系在一起的感觉。这让我想起了使用没有录像功能的电视机痴迷地看《向太阳怒吼》的中学时代。现在想来,那是一部槽点满满的刑警剧。但我以前非常爱看。久远的电视剧因为现在的电视剧而被记起,总觉得有些好笑。

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