オッドタクシー、見ましたか?昨今まれに見るクオリティをもった良作でしたね。

你看过《奇巧计程车》吗?是最近看过的质量比较高的好作品呢。

何故こんなにも面白い作品が出てきたのか?今回はその作品の背景に解説。

那么是如何做出那么有趣的作品的呢?这次就来分析一下这部作品的背景。

まず、オッドタクシーはなぜ面白いのか?

首先,《奇巧计程车》为何有趣?

それはもちろん、脚本がよくて演出がよくて、キャラデザインがとっつきやすく、提供される楽曲は親しみやすく、会話は小気味よく、とにもかくにもトータルで高品質だったからです──などと言ってしまうと身も蓋もありませんけどね。

当然,剧本、导演自不必说都是好的,角色设计也很容易给人留下印象,配乐也非常有亲和力,对白令人心情舒畅,总而言之是一部整体高品质的作品——但要是直接这么说的话,就太煞风景了。

すべての要素は、間違いなく高度に噛み合っていましたが、重要なのは、それが、ワンクールのアニメーションで提供された、ということの方だと思っています。

所有要素都是高度配合,相辅相成的,但最重要的是出现在同一个周期的动画片里。

客観的に見て、オッドタクシーの脚本というのは、子供向けではありませんよね。少なくともハイティーン以上で、なんなら中高年層もターゲットに入れうる幅の広さを保っています。で、本来、こういう作風というのは、昔はTVドラマの独壇場だったわけですよ。

从客观上来说,《奇巧计程车》的剧本不适合孩子观看。至少是面对青少年以上的年龄层,必要的话,将中老年都作为目标群体,保障受众的广泛性。而原本这样风格的作品,过去是电视剧方面独占的舞台。

かつてアニメーションというのは完全に子供向けであり、子供だましであり、ドラマや映画の実写のほうは、大人を騙して──楽しませるための作品が溢れていました。

过去的动画片完全是面向孩子的,哄娃的作品居多,而电视剧、电影等由真人演出的,大多是取乐于成年人的作品。

しかしオッドタクシーは子供向けではない、構造的で面白いドラマです。オッドタクシーのドラマの脚本というのは、「実写より」の、丁寧な構成です。ワンクールを通して、各話にキャラクターを配置し、伏線を張り、それらを丁寧に回収していく。

然而,《奇巧计程车》却是一部并非面向孩童的,结构层次意味深长的电视剧作品。《奇巧计程车》的剧本比“真人版”的结构更细致。通过完整的故事情节,在每一集中设置角色,铺下伏笔,再一点一点地揭露回收。

こういう重層的な物語構造をちゃんとやっているアニメというと、過去においてはまどマギとか、中村かずき脚本の作品とか、最近だと体操ザムライとか、あとは連載ものなのになぜか重層的やれてしまっている進撃の巨人とかあるんですけど、アニメだとどちらかというと稀です。

像这样具有多层结构故事的动画作品,过去有まどマギ、中村かずき编剧的作品。最近的话,有《体操武士》,还有明明是连载却拥有多层结构的《进击 的 巨人》等,不管怎么说,都是比较少见的。

それは、そういう作品が求められていなかったから&ちょっと通常とは違うスキルが求められたからというのがあります。で、旧来でいうと、こういう重層的でかつ社会性もあるお話はTVドラマの仕事だったりしたのです。

那是因为这类作品并不被需要,或是要求与一般作品不同的技术。而在以往,这样多层结构且具有社会性意义的故事,大多是由电视剧来承担的工作。

ですが、TVでは久しく、こういった物語はつくられなくなってきています。最近は刑事モノか恋愛モノか、コミック&小説スピンオフのミステリかというくらい。ありものを加工する流れですね。オリジナルはずいぶんと減ってきている。

然而,电视台却已经很久没有制作像这样的作品了。最近大多是刑侦剧、恋爱故事,要么就是喜剧或小说续集的悬疑推理剧罢了。不过是加工了一下已有的作品,而原创作品却大幅度减少了。

さて、なぜTVで良質なオリジナルドラマが作られなくなったのか?

那么,为何电视台不再制作优秀的原创作品了呢?

TVでちゃんとドラマを作るというのは、アニメと同じかそれ以上にお金がかかるものなんですが、昨今はTV局が弱っているので、チャレンジ精神溢れるものが作れないんですよね。

电视台要制作好的电视剧,和动画片一样,需要花费大量的资金。而最近,电视台疲软不振,已经无法制作充满挑战的作品了。

それにTV局というのは、予算以上に面倒くさい話があります。それは、どのタレントを使ってドラマをつくるのか? という話です。

还有,对于电视台来说,还有比预算更麻烦的问题。比如,要请哪一位艺人来拍呢?

実写ドラマのキャスティングというのは、出資者とスポンサーに絡む形で芸能事務所というのも強く関わってきます。これが、日本のドラマ制作を身重なものにしている側面があるんです。予算があれば、そういった状況でもゴリ押して、ドラマを売り切ることが出来ましたが、今は強引なキャスティングに低予算だと、滑った時の局のダメージがでかい。

真人版电视剧的选角,是与投资方、赞助商联通,并与艺人事务所息息相关的。这也是日本电视剧制作所背负的重大包袱。如果有预算,那么这种情况还可掌控,电视剧也能走红,但如果现在用低预算勉强凑角色,那么遭遇滑铁卢时,对电视台的打击是非常巨大的。

だから、実写ドラマではオリジナル作品や野心的・実験的作品のチャレンジがしづらい、という状況があります。

因而,真人版电视剧就很难去挑战原创作品或野心勃勃的实验性作品。

ところがアニメーションだと、キャスティングの制約が低く、さらにお金がかかる舞台設定にも自由度があります。オッドタクシーのラストで高速道路から海にタクシーが落ちますが、あんなものTVだと、許可も大変ですしお金もかかりすぎて撮影できないですからね(なお、昔はたぶんやれていました。西部警察とかね)。

于是,如果是动画片制作,那么在演员方面的制约就会降低,而在需要花钱的舞台设定上自由度也更高。《奇巧计程车》最后的镜头,计程车从高速道路上掉入海里,如果是电视剧拍摄的话,要获取批准恐怕就不容易,而且资金成本高,基本就没法拍了(不过以前还是拍过很多的,比如《西部警察》啥的。)

つまりは、日本においてはメディアの構造上の話から、良質な大人も楽しめるドラマが──というか良質な映像作品を創りたいクリエイターが、アニメーションに流れてくるというのは、必然の流れ友言えます。

换言之,从日本的媒体组织结构,到优秀的成年人也能享受的电视剧——想要创作这一类优质影视作品的创作者,可谓必然要走向动画片制作的。

ええ、クリエイターはいるんですよ。今も昔も。そして市場の構造変換が昨今起こっている。世代交代も進んでいる。

无论如何,创作者们依旧存在,不管现在还是过去。而最近的市场机构发生了变化,时代也不断在新老交替。

昨今の日本においては、急激に実写の市場はシュリンクし、アニメーション方面は逆にマネタイズのチャンネルが増えている。ようするに、幅広いコンテンツが提供できる環境が、アニメーションの側にも揃ってきているのですよね。それもあって、TVというジャンルに拘泥する必要がない。そういう環境においてオッドタクシーというのがポッとでてきた。

在当下的日本,真人版市场急速萎缩,动画片方面反而还增加了收费频道。总而言之,动画片市场已经具备了能够提供广泛内容的环境。那么,其实就没必要拘泥于电视剧这一范畴。在这样的背景下,才诞生了《奇巧计程车》。

さらにこの作品は一つの成功例を示しものになっています。これは本当に素晴らしい結果だったなと思うのです。これを皮切りにして、今後もさらなる良質なアニメ発のドラマの発生が予想されます。

而这部作品,已然作为一个成功的案例展示于人。我觉得这真的是一个非常好的事情。以此为开端,预计今后将会出现更多优秀的电视剧类型的动画片。

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