電車にはまっている小学1年生の息子。駅名に使われている漢字を,小学校で習う漢字の一覧で調べるのが,今のマイブームだ。そんな息子から,「渋谷駅も祖師ヶ谷大蔵(そしがやおおくら)駅もあるのに,どうして漢字の『谷』には,『や』の読み方がないの?」と聞かれた。

小学一年级的儿子沉迷于电车。通过小学学过的汉字一览表来调查车站名中使用的汉字,是他现在所热衷的事。儿子问我:“明明涉谷站和祖师谷大藏站里面都有(谷),为什么汉字的「谷」没有「や」的读法呢?”

「いやいや,音読みでしょ? ママはね,最近,そういうお仕事をしているから,詳しいんだよ」。自信満々に,常用漢字表を確認したところ,載っているのは音読みの「こく」と,訓読みの「たに」だけ。「谷」と書いて,「や」と読むのは,国語の授業で習う読み方ではないことを初めて知った。

“不不不,是音读吧?妈妈呢,最近在做相关的工作,所以很熟悉哦。”我满怀信心地前去确认了常用汉字表,而上面只有音读的「こく」和训读的「たに」。我第一次知道,写作「谷」,读「や」不是在国语课上学到的读法。

「谷」が気になり,少し調べてみた。

我很在意「谷」,于是稍微调查了一下。

日比谷(ひびや)や谷中(やなか),保土ケ谷(ほどがや)など,関東には,「谷」を「たに」ではなく,「や」と読む地名が多いが,これは全国でみると一般的とは言えないようだ。『方言漢字』(笹原宏之著)は,「谷」がつく地名の読みを,「たに系」と「や系」に分けて,どちらが優勢かをまとめた地図を載せている。それによると,愛知,長野,新潟を含む東日本では「や系」が過半数を占めたのに対して,それより西では「たに系」が優勢だった。東日本には,古くから,湿地帯の地形を指す「やち」や「やつ」といったことばがあり,これが由来になったという説もあるそうだ。いずれにしても,「や」が,東日本に多い,いわば方言的な読み方であるとはおもしろい。

在「日比谷」(ひびや)「や谷中」(やなか)「保土ケ谷」(ほどがや)等关东地区,「谷」不念「たに」,而是念作「や」的地名很多,但这在全国看来并不普遍。《方言汉字》(笹原宏之著)将带有「谷」的地名的读法分为「たに系」和「や系」,并列出了一幅总结了哪一方占优势的地图。根据调查,包括爱知、长野、新泻在内的东日本,「や系」占了过半数,而在西边「たに系」则占了优势。据说东日本自古以来就有指代湿地地形的「やち」、「やつ」,有说法称这是它的由来。不管怎么说,有趣的是「や」在东日本比较多,可以说是一种方言的读法。

地域によって読み方が分かれる漢字は,地名だけではない。私,「中島(なかじま)」にも思い当たることがある。NHKに入局し,最初に赴任した大分県。初対面の人には,ことごとく「なかしま」さんと呼ばれた。あまりにも多くそう呼ばれたので,途中から,「『なかしま』という響きもいいな」と,訂正するのをやめてしまったぐらいだ。一方,東京では特に説明しなくても,「なかじま」さんと呼ばれることが多い。

按照地区的不同读法也不同的汉字,不只有地名。我对「中島(なかじま)」也有同感。进入NHK,最初赴任大分县。初次见面的人,都叫我「なかしま」女士。因为被太多人这样称呼,所以从中途开始,甚至觉得‘「なかしま」这个名字听起来也不错啊’,并停止了纠错。另一方面,在东京即使不作特别说明,多数时候也都被叫做「なかじま」女士。

ひととおり調べて,やっと説明する準備ができた。「谷を『や』と読むのはね,おうちの近くの駅の名前などでは普通だけど,少し特別な読み方なんだよ」。息子,「ふーん,じゃあさ,どうして東急世田谷線の『谷』は,『や』と読まないで,一つの漢字で『がや』って読むの?」。

经过彻底的调查,我终于做好了(向儿子)解释的准备。“把山谷读作「や」,在我们家附近的车站名字里是很普通的,不过是读法有点特别。”儿子说:“嗯,那为什么东急世田谷线的「谷」不读「や」,而用一个汉字读「がや」呢?”

母の漢字の勉強は終わらない。

母亲的汉字学习永无止境。

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