日本文学振興会は1月20日、第164回芥川龍之介賞・直木賞の選考委員会を都内で開催し、直木賞に西條奈加さんの『心淋し川』が選ばれました。江戸の片隅でどこか心にわだかまりを抱えながら暮らす人たちを主人公にした、6つの短編からなる連作の時代小説です。

1月20日,日本文学振兴会在东京都内举办第164届芥川龙之介文学奖·直木文学奖选拔会,作家西條奈加(さいじょう なか)凭借《心淋し川(うらさびしがわ)》获得直木文学奖。这是一部由6个短篇故事构成的时代小说,以住在江户一隅,对生活有些不满的人们为主人公,讲述他们的故事。

西條奈加さんは北海道池田町出身の56歳。東京英語専門学校を卒業したあと貿易会社に勤め、平成17年(2005年)に『金春屋ゴメス』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビューしました。時代小説を中心に多くの作品を発表し、直木賞は今回、初めての候補での受賞となりました。

作者西條奈加出生于北海道池田町,现年56岁。从东京英语专业学校毕业后任职于一家贸易公司,平成17年(2005年)凭借《金春屋ゴメス》获得日本奇幻小说大奖,作为作家出道。西條奈加发表的作品多为时代小说,这是她首次被提名并荣获直木文学奖。

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日文书名:心淋し川

中文书名:暂无官方译名

作者:西條奈加

类型:时代;情感

本书简介:

心淋し川(うらさびしがわ)

酒びたりで定職に就けない父と一日中愚痴ばかり言っている母。父の代わりに針仕事で生計を立てるちほは、色街の仕立て屋で絵師職人の男と恋に落ちた。こんな町から早く抜け出したいと強く願い、男との結婚を心待ちにしていた。しかし、なかなか結婚を切り出さない彼にやきもきするちほの元に、ある日父が彼に殴りかかったという報せが入り・・・。

父亲嗜酒成瘾整日游手好闲,母亲只会怨天尤人。为了生存女孩千穗靠做针线活代替父亲养家糊口。千穗爱上了风俗街裁缝店里的画师。她一心想要尽快远离这个小地方,并期待着与画师结婚。但千穗却迟迟没有等到画师的回应,因而倍感焦急,有一天她听说父亲殴打了画师…。

閨仏(ねやぼとけ)

青物卸の大隅屋六兵衛は、一つの長屋に妾を四人も囲っている。その一人、一番年嵩で先行きに不安を覚えていた妾は、幼いころから不器量と言われていた。たまにしか来ない六兵衛を待つだけの日々だった。ある日、六兵衛が持ち込んだ張形をながめているうち、悪戯心から小刀で仏像を彫ってみると・・・。

大隅屋六兵卫是个蔬菜批发商,他在一处长屋里养了四个妾侍。四人中年龄最长的那个,从小被旁人嘲笑不好看,对将来感到不安。她终日盼着六兵卫前来,但希望大多落空。某日,她看着六兵卫带来的性具,恶作剧心起,用小刀将之雕刻成了一尊佛像…。

はじめましょ

与吾蔵は裏長屋で飯屋を営む。ある日根津権現へお詣りに行くと、手酷く捨ててしまった女がよく口ずさんでいた唄を歌う少女に出会う。思わず声をかけると・・・。

与吾藏在小路上的长屋里经营着一家饭馆。某日他去根津神社参拜,遇到了一位在哼唱歌曲的少女,那是他曾无情抛弃的女人经常挂在嘴边的歌。与吾藏情不自禁地上前搭讪…。

冬虫夏草(とうちゅうかそう)

以前は日本橋の薬屋の女将として切り盛りしていた吉。訳あっていまは心町の長屋に住んでいる。吉には足の不自由な息子がおり、息子の我儘にも文句を言わず世話をしていた・・・。

阿吉以前是日本桥一家药店能干的老板娘。因为一些原因,她现在住在心町的长屋里。阿吉有一个腿脚不便的儿子,她毫无怨言地照顾着,满足他所有任性…。

明けぬ里

ようは口達者で勝気な元女郎だ。売られた女郎屋からようやく出られたというのに、心にもやがかかり気の晴れない。桐八と所帯をもったのだが、毎日変わらず夫婦喧嘩をしている。そんな時、ようより少し前に女郎屋から出たナンバー1花魁の明里と再会する・・・。

よう曾是个风尘女子,能说会道,争强好胜。虽说她终于离开了被卖身的妓院,但心头总有忧虑并不愉快。和桐八成婚后,也每日吵得鸡飞狗跳。就在这时,よう遇到了比她稍早离开妓院的前头牌花魁明里…。

灰の男

心町で差配(大家さんの意)をする茂十は、気立てのよさで住民たちから慕われていた。しかし、本当は心に深く沈む闇を抱えている。毎日根津権現の楡の木で物乞いをする楡爺(にれじい)に優しく声をかける茂十であったが、本当は・・・。

茂十是心町的房东,因为脾气好受到居民们仰慕。但实际上,他内心有着深不见底的阴暗秘密。茂十每日都会和气地与在根津神社榆树旁乞讨的榆树爷爷打招呼,然而他其实是…。

推荐理由:

この物語で描かれるのは、心淋し川と同じように淀んだ暮らしであっても、自分なりに必死に生きている人々の姿である。誰かが淀みから救ってくれるのでもなく、様々な葛藤の末に自分のいまいる場所を受け入れていく人々の姿が心を打つ。

故事中人们的生活就像“心淋し川”一样淤塞,但他们依旧尽全力过着每一天。没有人能救赎他人,书中主人公们经历种种苦恼挣扎,最后接受自己现在所处位置的模样让人触动。

貧しい長屋の住人達の物語が語られるが、少しづつ話がつながっており、最終話へ至る。それぞれとても重い話ながら、しみじみとした気持ちで読み終われる。さらに最終話での意外な結末が、この6つの短編をまとめる役割を持っている。過去と現在に苦しみながらも、明日と向き合う人々の営みが美しく思えた。

这一作品讲述了居住在长屋中贫穷的人们的故事,虽然由6个短篇构成,但这些故事之间有丝丝联系,进而引出最后一个故事。每个故事的基调都很沉重,读后会有一种悲凉。最后一个故事有着出人意料的结局,巧妙地将这6个故事汇总到一起。无论是过去还是现在,生活都是艰难的,但始终向往明天的人们的努力是美好的存在。