今年女優歴25周年を迎えた麻生久美子。今期ドラマのなかでもストーリー性とキャスト陣の好演で高い評価を得ている『MIU404』(TBS系)でも好演だ。男たちのバディドラマだが、その中で彼女が紅一点の華として存在感をいかんなく発揮。

今年迎来出道25周年的女演员麻生久美子在本季凭借极强故事性和演员精湛演技获得很高评价的《MIU404》中有出色表现。虽然是男性警察搭档为主人公的刑侦剧,麻生久美子作为主要演员中唯一的女性,在剧中充分发挥出她的存在感。

『半沢直樹』は大衆を、『MIU404』はコアファンを魅了…麻生久美子の存在感がキーに

《半泽直树》吸引着广大观众,而《MIU404》则吸引了核心剧迷...麻生久美子的存在感是其中关键

今期ドラマでは日曜劇場『半沢直樹』(TBS系)が視聴率で抜きんでている。放送のたびにSNSやネットニュースは同作の話題であふれる。そうしたなか、同作に勝るとも劣らない支持を得ているのが『MIU404』だ。ドラマ視聴者の満足度を調査したオリコンの「ドラマ満足度ランキング」では、2作ともに満点を獲得し、1位タイを記録している。

[cn]本季日剧中,周日剧场《半泽直树》(TBS)的收视率一骑绝尘。并且每次一播出,社交网络、网络新闻上就全是该剧的相关话题。而在这种情况下,《MIU404》获得了和《半泽直树》相当的支持率。在调查电视剧观众满意度的Oricon“电视剧满意度排行榜”中,这两部日剧都获得了满分,并列第一。

オリコンの視聴者アンケートには「主人公の上司役の麻生久美子さんの凛とした姿が印象的」(女性50代・埼玉)、「コメディでない麻生久美子さんが意外にはまっている」(男性50代・東京)など、麻生の存在感を挙げる声が目立つ。

在Oricon的观众问卷调查中,一些关于麻生久美子在剧中存在感的评论十分引人注目,“饰演主角上司的麻生久美子女士,她干练帅气的模样令人印象深刻”(女性50代・埼玉)“不看惯了出演喜剧的麻生久美子,没想到意外地非常适合这个严肃的角色”(男性50代・东京)等等。

截图来自追新番字幕组

麻生が演じるのは、男社会の部隊をまとめる「機動捜査隊」初の女性リーダー。麻生は現場には出動せず、本部から隊員を見守る役柄。自身の存在を際立たせつつ、対照的な主人公たちのキャラクター性をくっきりと浮かび上がらせる。そこには、麻生が醸し出す彼女ならではのにじみ出る艷っぽさも作用している。

麻生久美子在《MIU404》中饰演的是成员均为男性的“机动搜查队”首位女队长。她不用去现场调查,而是要在总部管理指挥队员。她在彰显自身存在感的同时,还衬托出了主角们迥异的个性。这也得益于她流露出的独特且自然的性感。

また、本作における麻生の存在は、視聴者側にとって別の役割もある。脚本、演出、主題歌が『アンナチュラル』チーム、キャストは『コウノドリ』チームで制作される本作において、どちらにも属さない異分子として存在することでドラマのカラーを偏らせることなく中和し、視聴者がその一歩引いた演技から“内輪感”を感じずにいられるのだ。

此外,对于观众而言,剧中麻生久美子的存在还有另一个作用。本剧的编剧、导演、主题曲均来自《非自然死亡》团队,主角又来自《产科医鸿鸟》,在这部剧中,麻生久美子就像是异类,不属于任何一方,她的存在使得整部剧的风格不偏向以上任何一部剧,观众从她退一步的演技中能感受到两个剧组成员的融合。

映画女優として名監督たちに愛された麻生…転機となった“三日月くん”でコメディエンヌとしても開花

作为电影女演员受到知名导演们青睐的麻生...凭借“三日月”一角,展现喜剧才华迎来事业转机

麻生は、1995年に哀川翔が監督・主演を努めた映画『BAD GUY BEACH』で女優デビュー。本広克行監督の『7月7日、晴れ』(1996年)など映画出演が続き、1998年に今村昌平監督の『カンゾー先生』で柄本明と共演。麻生は万波ソノ子役として、体を張った好演で一躍注目を集め、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、新人俳優賞をはじめとする数々の映画賞を受賞。女優としてのターニングポイントとなる作品となった。

麻生久美子1995年在哀川翔担任主演及导演的电影《BAD GUY BEACH》中作为演员出道。出道后陆续出演了本广克行导演的《7月7日,晴》(1996年)等电影,1998年在今村昌平导演的《肝脏大夫》中与柄本明合作。电影中她饰演女主角万波园子,全身心投入的演技使其一跃成名,备受瞩目,获得了日本奥斯卡最佳女配角奖、新人奖等多个电影奖。这部作品成为了她演艺生涯的转折点。

その後も、黒沢清監督の『ニンゲン合格』(1999年)『回路』(2001年)などに主要キャストとして起用されたほか、行定勲監督の『ひまわり』(2000年)『贅沢な骨』(2001年)、北野武監督の『アキレスと亀』(2008年)、佐々部清監督の『夕凪の街 桜の国』(2007年)『日輪の遺産』(2011年)など、その演技が名監督たちに好かれ、海外映画祭でも評価される作品などへの出演が続き、映画を主戦場にしながらキャリアを積み重ねていった。

之后,她作为主要角色出演了黑泽清导演的《生存执照》(1999年)和《回路》(2001年),还出演了行定勋导演的《向日葵的声音》(2000年)、《奢侈的骨》(2001年)、北野武导演的《阿基里斯与龟》(2008年)、佐佐部清导演的《夕岚之街樱之国》(2007年)《太阳的遗产》(2011年)等多部电影,她的演技受到知名导演们的青睐,接连出演了多部在海外电影节备受好评的电影,麻生久美子以电影为主战场,积累这作为演员的资历。

そんな麻生のさらなる飛躍への転機となったのが、連続ドラマ『時効警察』(テレビ朝日系/2006年)の三日月しずか役だ。独特なボケを連発しながら、オダギリジョー演じる霧山修一朗との掛け合いでしっかりと爪あとを残し、彼をいじり倒しつつ叱咤激励する三日月の姿は視聴者をヤミツキにした。それまで硬派な映画女優というイメージだったところから、脱力感を伴うキュートさがアピールとなる真逆のポジションで、広く一般層へ人気を拡大した。

让麻生久美子的演艺事业更上一层楼的契机是在日剧《时效警察》(朝日电视台/2006年)中饰演三日月静一角。用独特的装傻方式不断抛梗,麻生久美子和小田切让饰演的雾山修一朗的对手戏让观众印象深刻,在欺负雾山修一朗与鞭策鼓励雾山修一朗之间反复变幻的三日月迷倒了观众们。三日月这个角色也使麻生久美子在观众心中的形象发生了180度转变,从之前的硬派电影女演员形象变成有些脱力感的可爱形象,大大提升了在普通观众中的人气。

近年は、映画をベースにしながら、テレビドラマ出演も重ね、25年の女優歴で培ってきた演技力をいかんなく発揮。バランスのよいメディア露出で自身のポジションを確立し、エンタテインメントシーンの第一線で活躍を続けている。

近几年,她在出演电影的基础上,也参演了一些电视剧,将25年演员生涯中磨练出的演技发挥得淋漓尽致。依靠适当的媒体曝光确立了自己的地位,持续活跃在娱乐圈第一线。

順風満帆ではなかった25年の歳月

25年的演艺岁月并非一帆风顺

順風満帆な人生を歩んできたわけではない麻生は、複雑な家庭事情があるなかで芸能界を志して厳しい競争の世界に飛び込み、芸能活動をしながら成人。現在では家庭を持っている側面もある。しかし、自身の苦労は意に介さず「もちろん大変な時はありました。でも、今はそんな(どん底の)経験も笑い飛ばせるところまできています。つらい時や大変な時ほど無理やり笑うようにしています」とする。そんな人生観と芸能活動を通して見せる素顔や生き方が、現代を生きるさまざまな立場の女性たちの共感を広く得ているのかもしれない。

麻生久美子的人生并非顺风顺水,家庭状况复杂的她立志成为演员进入了竞争残酷的娱乐圈,在进行艺能活动的过程中长大成人。如今她已经拥有了属于自己的家庭。但她并不介意自己经历的辛苦“生活中当然有过感到难熬的时候。但现在已经到了对那种(底层)经历一笑而过的地步了。越是艰难、辛苦的时候越会尽力微笑面对”。大概就是这样的人生观,和她在演艺活动中展现出的真实一面以及生活态度广泛获得了在现代社会以各种立场生存的女性的共鸣。

節目の年を迎え、研鑽を重ねた女優歴25年の貫禄と余裕をにじませる麻生には、「自然、温和、柔和」という言葉がよく当てはまる。『MIU404』では、主演2人を引き立てつつ、“紅一点”という色香をにじませながら、一歩引いた演技で、出すぎず埋もれもしない。自身の立ち位置や与えられた役割を冷静に理解したうえで絶妙の距離感を保つているのだ。

不断钻研演技,积累经验,迎来25周年这个关键节点的麻生久美子已有了威严和从容,“自然,温和,柔和”这三个词用来形容她再适合不过。在《MIU404》中,她在衬托2位主角的同时,散发着“主要演员中唯一一名女性”的魅力,用后退一步不冒进的演技,使自己不过分显眼又不至于毫无存在感。冷静思考自己的立场以及被赋予的角色,保持绝妙的距离感。

主演を務めた『怪奇恋愛作戦』(テレビ東京系/2015年)の制作発表では、「深夜ドラマですが、私は視聴率が欲しい」と内に秘める熱き心も垣間見せていたが、『MIU404』においてもベースは同じだろう。

在她主演的《怪奇恋爱作战》(东京电视台/2015年)的制作发布会中,她说“虽然是深夜剧,但我想要高收视”,这句话让人窥探到她深藏于内心的热情。想必出演《MIU404》的她也是这样想的。

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