人気アニメやゲームの世界を実写で再現する「2.5次元作品」。舞台作品の人気ジャンルとなったが、男女で盛り上がりには差があるようだ。週に100本以上(再放送含む)のアニメを見ている“オタレント”で「2.5次元作品」への出演経験もある小新井涼さんが独自の視点で分析する。

“2.5次元作品”,即在现实中再现热门动漫或游戏世界的作品。虽然2.5次元舞台剧已成为舞台作品中的热门类别,然而男性与女性的热忱度却有落差。每周看动画超过100集(含重播)并曾出演过“2.5次元作品”的“阿宅艺人”—— 小新井涼桑以其独特视角分析了其中的原因。

「マギアレコード」や「魔法先生ネギま!」「刀使ノ巫女」など、近頃は男性に人気の作品が女性キャストメインで2.5次元化されることがずいぶん多くなりました。

近来,像《魔法纪录》、《魔法先生》、《刀使巫女》等受男性欢迎,启用以女性为主的演出阵容的2.5次元舞台剧多了起来。

ところが、いくら数が増えたとはいえ、ファン層の厚さや盛り上がりを比べてみると、まだまだ“2.5次元といえば女性向けの文化”というイメージが強いと思います。男性人気の作品だけでなく、「ダンガンロンパ」や「Fate/Grand Order」など、男女共に人気の作品も、これまで数多く舞台化されてきました。それにもかかわらず、男性ファンはなかなか女性ファンほど2.5次元には熱狂しにくいようにみえるのです。この温度差は一体なぜ生じているのでしょうか。

然而笔者觉得,尽管作品数增加,但从爱好者层的广度及热忱度上来说,“2.5次元果然还是女性向文化”的印象更为深刻。不仅是受男性欢迎的作品,包括男女人气都很高的作品,如《弹丸论破》、《Fate/Grand Order》等作品,至今也有不少被改编为舞台剧。然而,看起男性爱好者还是很难像女性爱好者一般对2.5次元表现出强烈热情。这种温度差究竟是如何产生的呢?

まず原因として考えられるのは、男性ファンと女性ファンとの“舞台版キャストの受け入れ方の違い”です。女性人気の高い作品では、舞台版キャストが2.5次元作品への出演をきっかけにブレークしてファンクラブができるなど、原作の声優さん並みに人気が出ることも珍しくありません。

笔者首先想到的原因是男性爱好者与女性爱好者 “对舞台版演员的接受方式不同”。在受女性欢迎的作品中,舞台版演员因为出演2.5次元作品声名大振,成立个人粉丝俱乐部,人气不输原作声优的情况已不稀罕。

ところが、男性に人気の作品では、2.5次元作品への出演をきっかけに原作の声優さん並みに人気が出た舞台版のキャストはあまり聞いたことがないのです。これには古くは「サクラ大戦」から「Wake Up,Girls!」や「プリパラ」、舞台化の方が先ですが「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」まで、男性人気の作品では、声優さん自身がそのまま舞台版でも同じキャラを演じることが多いのが、少なからず関係しているように思います。舞台版で全く別のキャストがキャラを演じることへのハードルが、より高くなってしまうと考えられるからです。転じて、男性向け作品の2.5次元化で、出演前からある程度の支持が見込めるアイドルやタレントを起用することが多いのも、作品のファンというより、そのアイドルやタレントのファンを見込んでいるからではないでしょうか。

然而,在受男性欢迎的作品中,笔者基本没听说过有因出演2.5次元舞台这一契机获得不亚于原作声优人气的舞台演员。从早期的《樱花大战》到《Wake Up,Girls!》、《美妙天堂》,到舞台化早于动画化的《少女☆歌剧 Revue Starlight》,受男性欢迎的作品大多是原作声优在舞台剧中扮演同一角色,难以出现通过舞台剧走红的演员和这一情况多少有关。可想而知,在这样的情况下,舞台剧要启用完全不同的演员难度有多高。换句话说,男性向作品的2.5次元化从一开始就会起用拥有一定粉丝的偶像和艺人,舞台剧的目标受众并不是原作粉,而是出演的的偶像及艺人的粉丝。

もう一つの原因として考えられるのは、男性ファンと女性ファンとの“布教力”の違いです。鑑賞した作品のレポートや、「面白かった! おすすめ!」といった感想をSNSやブログで公開するのは男女ともに変わりません。ところが、作品の素晴らしさや、この感動をもっと多くの人に味わってほしいという気持ちが、単なる作品の応援を超えて“懇願”にまでなってしまうのは、女性ファンの方が圧倒的に多いように感じるのです。何よりそれを物語っているのは“初回無料キャンペーン”と称して、決して安くないチケット代を自腹で負担してまで作品をおすすめする“布教方法”です。「お金は出すから見て!」と、ここまで必死に布教する光景は、男性人気の作品ではなかなか見かけません。2.5次元文化が女性ファンを中心として一大ジャンルにまでなったのも、こうした強い布教力によって、“沼”に引きずり込まれる女性ファンが連鎖的に増えていった結果なのだと思います。

笔者想到的另一个原因就是男性爱好者和女性爱好者的“传教力”不同。不管是男女都会在SNS和博客上发布“超有趣!强推!”这样的观剧感想。但想将作品的优秀之处及感动传达给他人的心情超过单纯的应援,甚至到达“恳求”这一程度的女性爱好者数量是极多的。其中最能体现出这一面的就是“初次免费宣传”——哪怕自己要承担高额票价也要卖安利的“传教方式”。“我出钱请你看!”这种极力传教的场面很难在受男性欢迎的作品中见到。笔者认为,2.5次元文化之所以成为以女性爱好者为中心的一大类别,就是由于这种强大的传教力,如同被拖下沼泽的女性爱好者成连锁增长。

また、こうした違いに加えて、男性に人気の作品は、女性人気の作品のように、シリーズ化できるような2.5次元作品が生まれにくいのも大きいと思います。女性に人気の作品では、2.5次元ブームの黎明期ともいえる2000年代からここ15年程で、「テニスの王子様」や「戦国BASARA」、「弱虫ペダル」に「忍たま乱太郎」、「刀剣乱舞」の刀ミュ・刀ステなど、今でも新作が公演されるほどの人気シリーズが次々と生まれてきました。一方、男性に人気の作品として「セーラームーン」や「けものフレンズ」はあるものの、公演頻度も少なく、まだまだ女性向けのものほど盛り上がっている人気シリーズがあるとはいえない状況です。これは上に挙げた2.5次元作品への温度差に加えて、もともと男性に人気がある作品には、セットに予算がかかりそうな異世界ものや、逆に舞台映えさせにくい日常系など、舞台化が難しいジャンルが多いのも、シリーズ化できるほどの人気作品を作るのが難しい一因なのかもしれません。

在上述差异之外,笔者认为还有一个很重要的原因,那就是受男性欢迎的作品很难像受女性欢迎的作品那样推出成系列的2.5次元舞台作品。自2.5次元热潮的黎明期——2000年代开始至今约15年间,受女性欢迎的作品中《网球王子》、《战国BASARA》、《飚速宅男》、《忍者乱太郎》、《刀剑乱舞》的刀音、刀舞等,至今仍有新作上演,人气舞台系列不断出现。另一方面,受男性欢迎的《美少女战士》、《兽娘动物园》,公演频率不高,目前尚未出现如女性向作品一般高人气的系列舞台剧。在上述针对2.5次元作品的温度差之外,受男性欢迎的作品中需要在舞台背景上花费许多预算的异世界题材作品,或是相反很难用舞台表现的日常系作品较多,或许也是难以制作人气系列舞台剧的原因之一吧。

今では女性に大人気のシリーズ作品でも、当初は舞台版への批判や声優以外のキャストは認めないという声も多く、今ではチケットが取れないシリーズでも、初演では空席が目立つ公演があったといいます。それでも、シリーズ化するほどの人気作品がいくつも生まれることで、ファンの中で舞台版への信頼が蓄積されていき、2.5次元作品おなじみのキャストさん自身にも根強いファンが付くようになっていきました。また、同じシリーズを定期的に公演してくれることで、一度限りの公演と違って、初演は見送ったけど周りの評判がよくて気になっていたという人や、布教されて後から興味を持った人にも、観劇するチャンス、つまり作品にハマれるチャンスを何度も与えてくれます。

即便是如今在女性中人气超高的系列作,当初对舞台版的批判、不承认声优以外演员的意见也很多;如今申票难度超大的系列作在初演时也有空席很刺眼的时候。即便如此,由于得以制作系列作的热门舞台剧逐渐诞生,爱好者们对舞台版的信赖不断增加,2.5次元舞台常见的演员也有了稳固的粉丝群。此外,同系列舞台定期公演与限定公演不同,多次给了当初静观其变但因周围评价很高而起意的人,以及被安利后产生兴趣的人观剧、掉坑的机会。

こうして人気シリーズをメインに観劇を続けていくうちに、それだけでは物足りなくなった人が、推しのキャストが出る他の作品にも手を出し始めるというサイクルができたことも、女性ファンに2.5次元文化が根付いていった一因だと思います。そう考えると、いくら男性向けの2.5次元作品が増えていっても、シリーズ化するほどの作品がなく、毎回単発の盛り上がりで終わってしまううちは、2.5次元文化が男性ファンに根付くのはまだまだ先のことなのでしょう。

就这样,在观看热门系列舞台剧的过程中,有些人会觉得没看够,又开始盯上喜欢演员出演的其他舞台,这个循环也是2.5次元文化根植于女性粉中的原因之一。这么考虑的话,哪怕男性向2.5次元舞台再增加许多,没有能系列化的作品,每次热度一过就结束的话,2.5次元文化要在男性粉中扎根大概还有很长的一段路。

実は、私自身「らき☆すた」や「ドリームクラブ」といった男性に人気の作品の2.5次元舞台に出演経験がありますが、やはり当時は2.5次元化やキャスト発表時の作品ファンからの反発が今よりも激しかったのを覚えています。

实际,笔者本人就曾出演过《幸运星》、《梦幻俱乐部》等受男性欢迎作品的2.5次元舞台,如今也还记得2.5次元舞台化的消息及演员发表时,原作粉的反对比现在要激烈许多。

しかし、その分制作陣は原作をリスペクトし、世界観の再現に本気で注力していたので、最初はネガティブな印象を抱いていた原作ファンの方々も、うれしいことに「実際に観劇してみたら面白かった!」と言ってくださる方がほとんどでした。ただ、そうして実際に観劇しにきてくださる方はいいのですが、2.5次元化にネガティブな印象を持っている人の多くは、そもそも「試しに観劇してみる」こともないので、結局いつまでも2.5次元化に反発されたまま公演が終わることも少なくありませんでした。

不过正因为如此,制作组越发注重原作,致力于再现作品世界观。绝大部分最初对2.5舞台怀有负面印象的原作爱好者在观剧之后会评价“实际去看了后,发现还挺有趣!”,真的让人很欣慰。然而,实际来观剧的人还好,大部分对2.5次元舞台有负面印象的人根本没想过“试着去看看”,直到公演结束始终对2.5次元舞台持反对态度。

前述の通り、まだまだ男性ファンに2.5次元文化が根付くのは先にはなりそうです。でもかつて当事者だった私としては、良い悪いの評価の前に、まず食わず嫌いをせず実際に劇場へ足を運んでみる人が増えるだけでも、男性ファンの2.5次元作品への印象は大分変わるのではないかと思っているのです。

如上文所述,2.5次元文化要在男性爱好者心中扎根还需要一段时间。不过对于前当事人的笔者来说,在评价作品优劣之前,只要先别怀着偏见去剧场观剧的人能有所增加,男性爱好者对2.5次元作品的印象就会发生很大变化了吧。

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