経済分野は元気をなくして久しいし、科学技術も予算が削られ苦しいようだ。サッカーはといえば、W杯での優勝なんて夢のまた夢。日本がいま、世界トップレベルで闘えるものって何かあるんだろうか。

经济长期不景气、科技领域也因预算削减而陷入困境。再说足球,要拿世界杯冠军更是异想天开。如今的日本,到底有什么是能够跻身世界一流水平的呢?

ひとつだけある。建築だ。

只有一样东西。那就是建筑。

▶世界の建築シーンをリードしてきたスター建築家たちの個性

▶走在世界建筑最前端的明星建筑家们的个性

戦後の日本建築は丹下健三にはじまり、谷口吉生、磯崎新や安藤忠雄、妹島和世らにいたるまで、常に高い評価を受けてきた。

二战后以丹下健三为首,谷口吉生、矶崎新、安藤忠雄、妹岛和世等日本建筑家一直评价极高。

世界の建築シーンを力強くリードしてこられたのは、スター建築家たちの個性に負うところがまずは大きい。くわえて独特な、あまりにオリジナルな道を歩んできた日本建築の伝統が、世界的に珍重される機運も手伝った。

日本建筑之所以能够走在世界建筑的最前端,很大成分得益于这些明星建筑家的个性。再加上从古至今一直坚持走独创之路的日本建筑传统,使其更为世界所重视。

古今の豊富な事例から、日本建築の歴史を丸ごと見ていこうとする展覧会が開かれている。「関東の人気美術館ランキング」にて1位に輝いた森美術館での「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」。

一个试图通过古今丰富的事例来再现日本建筑历史原貌的展览会正在对外开放。就是“建筑之日本展:遗传基因的继承之物”,举办于在“关东人气美术馆排行榜”中获得第一名的森美术馆。

▶9つのセクションで日本建築を丸裸に

▶9大部分还原日本建筑的真面貌

建築展の場合、実物を展示することはまず叶わない。そこで模型やパネル、設計図などさまざまなモノや資料を駆使して、建築がまとう特長、雰囲気、思想を浮き彫りにしていくこととなる。今展では模型と現物写真を中心に、あの手この手で各建築の全体像を描き出そうとしている。その足掻きっぷりが徹底していて理解が進むし、見応えありだ。

要在建筑展上展示实物是不可能的。所以人们会利用模型、展板以及设计图等各种素材和资料来呈现建筑的特点、氛围和思想。本次的展览会也正是以模型和实物写真为中心,通过多种方法来描绘各个建筑的全貌。其努力还原的成果十分便于理解、令人看得颇有感触。

広い会場では、縄文時代の住居から最新の建築計画まで、数千年の時を超えて総計100ものプロジェクトが紹介されている。時代順にずらりと並んでいても迫力はあったろうが、実際はテーマ別に9つのセクションに分かれ展示が構成されている。

从绳纹时代的住宅到现代最新的建筑计划,宽广的会场向我们展示了数千年积累下来的100个建筑项目。虽说直接按时间顺序罗列出来也足够震撼,但实际上它们是按照主题分成9大部分进行展示的。

このセクションの分け方が、なかなか秀逸だ。各タイトルを頭に入れながら建築例を追っていくと、日本建築の特質や実現しようとしてきたものが、すっと頭に入ってくる。

而这9大部分的分类方法也是颇有意思的。记住各个主题,再对照各自的建筑例子,很快就能理解日本建筑的特质和它们想要实现的目的。

ざっと順に見てみれば、まず「可能性としての木造」。森林で覆われた日本列島では、古代から木材を用いた技術が磨かれてきた。間近で見られる複雑な木組みの実例には感嘆しきりだ。

按照大致的顺序来看,首先是“木造的潜能”。被森林所覆盖的日本列岛自古便擅于运用木材。在近处看着这些复杂的木材结构真令人叹为观止。

続いて「超越する美学」。「もののあはれ」に代表される日本の美意識はもちろん建築スタイルにも及び、シンプルを極めた静けさが木造や打ち放しコンクリート建築に表れている。谷口吉生《鈴木大拙館》は模型からも凛とした静けさが伝わる。「安らかなる屋根」では、独自の屋根様式に着目。深い軒がつくる陰は、いつだって日本ならではの美を感じさせてくれる。

接下来是“超越的美学”。“物哀”这一具有代表性的日本美学思想会影响到建筑风格那是自不必说的,从极为简洁、静谧的木造和装饰混凝土建筑上就可以体现。谷口吉生的《铃木大拙馆》从模型上就能感受到它凛然的寂静。在“安稳的屋顶”中,将目光转移到独特的屋顶样式上。长长的屋檐所遮挡出的阴影,总能让人感受到日本特有的美。

自然を大胆にデザイン化するさまを見る「建築としての工芸」、繰り返しのリズムが人に美しさを感じさせる「連なる空間」、東洋と西洋のいいところ取りを難なくこなした例が見られる「開かれた折衷」とセクションは進む。なるほどこれらのキーワード、どれも日本建築を他地域のそれとはっきり画する要素だ。

将大自然进行大胆设计的“建筑之工艺”、从反复的旋律中体现美感的“连续空间”,以及将东西之精华完美结合的“开放的折衷”。顺着这些主题观赏下去,就能明白主题当中的关键词都是日本建筑不同于其它地区建筑的要素。

さらには「集まって生きる形」「発見された日本」「共生する自然」とセクションは続き、ひと巡りすれば日本建築はもとより、日本文化そのものを可視化して見せてもらえたような感触が得られる。そう、建築こそがその地域の文化のかたちであり、「美の基準」なのだと改めて知れる。

接下来的主题分别是“群聚生活的形状”“被发现的日本”“共生的自然”。浏览这几个主题,不仅能了解日本建筑,还能从中窥探到日本文化,并让人再次认识到,建筑正是地域文化的外在体现,是“美的基准”。

もうひとつうれしいのは、「観る」にとどまらず建築を体感できる展示があること。千利休の作とされる茶室《待庵》が原寸大で再現してあり、内部へ入り空間を味わえるようになっている。たった2畳の空間なのだけど、そこには日本の美が満ち満ちている。ぜひ実地に体験してみたい空間である。

此外令人高兴的是,该展览会不只供人“观看”,还设有供参观者亲身体验建筑的展区。他们将千利休所造的茶室“待庵”按原本的比例还原再现,让参观者能够进入内部感受建筑的氛围。其空间虽然只有两叠大小(约3平方米),但到处充满着日本之美,是一个十分值得亲身体验的空间。

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