先ごろ、銀座の老舗喫茶室『銀座ウエスト』(1947年創業)の公式Twitterで、「炎上覚悟で申し上げます」と冠し、子ども連れの客に対する苦言を呈したところ、もっともな主張だと2万以上の「いいね!」を記録、思わぬ反響を呼んでいる。

最近,在银座咖啡厅老店“银座WEST”(1947年创立)的官方推特上,出现了他们以“带着炎上的觉悟说这些话”为开头,向带着孩子到店的客人提出劝告的内容,人们认为其倡导的是合理主张,并由此创下了超过2万的点“赞”记录,引发了意想不到的反响。

注:炎上,日本网络用语。表示社交网络上,短时间内有很多人对某一内容发表意见。这些意见中反对和批评的消极声音占大部分。

△“银座WEST”呼吁带孩子入店的顾客注意孩子行为的推特内容

「炎上」というキーワードはネットではネガティブなイメージだが、不思議なことに「炎上覚悟で~」と冠した投稿が炎上することはほぼない。「炎上覚悟」は、逆に炎上を防止する“火消し”ワードであり、本音を言いづらいSNS上で唯一真摯な想い伝える名文句となっているようだ。

“炎上”这一词在日本网络上虽然带着消极的印象,但很不可思议的是,如果冠上“以可能会炎上的觉悟~”这样的开头发布内容,反而基本上不会有炎上的情况。“炎上觉悟”一词,反而成为了防止炎上的“灭火”词汇,也成为在难以吐真言的SNS上唯一一个能够帮助人们传递真挚想法的名词句。

· “逆張り”の手法で炎上防止

· 用“逆向”手法防止炎上

この「炎上覚悟」はネットではかなりの“流行語”となっており、「#いいね!の数だけ炎上覚悟で本音言う」とのタグがTwitterでも人気。反町隆史の歌ではないが、「言いたい事も言えないこんな世の中」をSNSでは「炎上覚悟」という“逆張り”の手法を用いることで嘆き、皮肉っているようなのだ。

这个“炎上觉悟”目前在日本网络上成了颇为受欢迎的“流行语”,在推特上加上“#只看点赞数,做好炎上的觉悟说真话”这个标签来发言的人也不少。虽说不是(打趣)反町隆史的歌,但将“在这个想说的话却无法言说的世上”(←反町隆史唱过的歌曲名),于SNS上以“炎上觉悟”这一“反向”手法来表示哀叹,真是有点让人啼笑皆非。

「#炎上覚悟」とともに、「#拡散希望」、「#共感したらRT」、「#RT希望」なんてハッシュタグも一緒に付けられていることが多く、そこからは最初に断わっておくことで反発の先手を打ち、“本音”を共有することを呼びかける意図も透けて見える。

除了“#炎上觉悟”,在SNS上还有“#请求扩散”、“#如果有同感请转发”、“#请求转发”这类主题标签也常常被一起加在发布内容中,可以明显地看出这么做就是为了让先发制人, 呼吁大家共享“真心话”,让别人接受本来马上就会拒绝的事。

そこで実際に共感を得ることに成功したのが先述の『銀座ウエスト』のツイートというわけだが、全文は、「小さなお子様をお連れの喫茶室ご利用のお客様へのお願い:炎上覚悟で申し上げます。大きなお声を出したり、走り回るなどのお子様の行為が周囲のお客様へ多大なご迷惑となっている場合がございますので、くれぐれもご注意の程何卒お願い申し上げます」ということだ。

其中,实际通过这一招成功获得共鸣的,就有前面提及的“银座WEST”的推特内容。其全文内容是“诚致带着小孩来咖啡厅的客人:(表达下述内容前)我们做好了被炮轰的觉悟。小孩子大声喧哗、走来走去等行为会对周围的顾客造成巨大的困扰,这样的情况拜托大家多加注意”。

普通に読めば至極まっとうな意見であり、「炎上覚悟」はちょっと大げさな気もするが、このツイートの後さらに、「昔銀座は特別な場所でした。銀座へ行く時のために、親が銀座ワシントンの靴とヤングエージの服をわざわざ買ってくれたのを思い出します。今銀座も特別な場所ではなくなってしまいましたが、ウエストはそういう場所になりたいと思っています」ともあるので、たしかに“上から目線”と捉える人たちもいるかもしれない。しかし実際は、「あたりまえの意見だと思います。お店の意見を支持します」、「よくぞ言ってくれました」といった好意的な反応が多かったのである。

读这一内容,会觉得这是极为正确的意见,说“做好被炮轰的觉悟”可能有点夸张了,但在这条推特之后,他们又发了“以前银座是很特别的场所。我记得那时候为了去银座,父母会特意给我买银座华盛顿的鞋子和YOUNG AGE的服装。虽然现在银座不再是特别的地方了,但我们WEST还是希望能成为那样的场所”,这样的内容确实可能会让一些人觉得银座WEST“自视甚高”。但实际上,“这是理所当然的意见。我支持店方的意见”、“说出这样的意见很好”这类善意的反响不少。

· 石田ゆり子ですら炎上対象に! 相手への配慮を示唆した“匂わせ投稿”は逆効果?

· 连石田百合子也成为炮轰对象!暗示对方注意的“暗示性内容”起了反效果?

△近年通过多部日剧而重获人气的女演员·石田百合子

一方、同じ様に、相手への配慮を示唆した投稿が、実際に炎上してしまったのが5月7日、人気絶頂の女優・石田ゆり子のインスタグラムの投稿。それは、「お店の接客問題はたしかに相性みたいなものもあるような気もします。それは~です それ、わたしも持ってます それは素材が~…と それはやはりちょっと疲れてしまうんですね。」というものだが、これも普通に読めば、その気持ちもわかるし、放っといて欲しいときだって確かにあるぐらいですむかと思いきや、「販売員の仕事を否定している」、「声かけが仕事なんです!」等々、接客側からと思われるコメントが殺到し炎上。

另一方面,5月7日,人气绝顶的女演员·石田百合子在Instagram上发出了类似的暗示对方注意的内容,却遭到了炮轰。所发内容是,“我觉得每个人对不同店铺待客的方式接受度不同。像 ‘这件商品是~’、‘这件商品我自己也买了。’、‘这件商品的材料是~...’之类的介绍,(听着)果然还是会让人觉得有点累”。这篇内容,读完大家应该也能理解她的心情,确实会有希望店员不要搭理自己的时候,哪曾想不少人站在店员立场上对这一内容进行了批判“(石田)否定了销售员的工作”、“向客人进行问询是店员的工作!”。

結局、石田ゆり子は、「色々考えましたが…。しかしわたしは接客すべてを全否定など全くしておりません。そういうことじゃなく日々のおもったこと書いただけなのですが。…きをつけますね。」として投稿を削除、さらに「インスタグラムはわたしにとっては日々の記録。もちろん女優という仕事柄影響力をもってしまうことはわかってはいるのですがそれでもやはり自分の言葉で思ったことを正直に綴る場でありたいです。」と釈明したのである。

结果,石田百合子发言表示,“我考虑了很多…。但我并没有完全否定待客的意义。我并不是那么想的,而是把每天的所思所想写下来而已。…(今后)我会注意的。”,并将之前的投稿删除,此外她还说明,“Instagram对我而言,就是每天的记录。当然,因为女演员这份工作的性质,使我的Instagram拥有一定影响力,但我还是希望这里是能让我诚实地写下自己所思所想的地方”。

今どきの芸能人にとっては、ツイッターやインスタグラムなどのSNSは自分をアピールしたり、広報・宣伝活動のためのツールともなっており、ときには過剰な演出やあざとい発信もあるわけだが、石田の場合はごく普通に日常をそのまま投稿しているだけ。こうなると「石田さんがSNS嫌いになりませんように…」という一般からのコメントにも頷けるものがある。

对于现在的艺人而言,推特、Instagram等SNS是宣传自己的地方,也是他们为了广告 · 宣传活动而存在的工具,所以有时也会出现过剩的表演和有点耍小聪明的发言,而石田则是将自己的日常原原本本地发布到SNS上。出现前面所述的情况后,“希望石田小姐不会因此讨厌SNS…”,这样的留言确实令人赞同。

·リスク承知の“ぶっちゃけ”に人は共感

· 明知有风险的“直言”让人有共鸣

つまり、こうしたさりげなくマウント(格付け)をしてくる“匂わせSNS”は嫌われる一方で、その対極とも言える「炎上覚悟」はむしろ「リスク承知でぶっちゃけている」として共感される傾向があるということだ。

也就是说,一方面,像这样不经意地操作(有点手段)的“暗示性SNS”会被人讨厌;另一方面,与这种做法可谓是完全相反的“炎上觉悟”,这种“在明知有风险的情况下仍直率发言”的内容,反而存在着让人产生共鸣的倾向。

それは、過去の失敗談を赤裸々に語る『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)のようなバラエティ番組や、“ネガティブモンスター”と呼ばれ、人見知りで女性不信を公言しているオードリー・若林正恭、日頃の鬱憤を日記帳に書き溜めているという南海キャンディーズ・山里亮太、『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)で、親友に「SOS」や“結婚への焦り”を送ったLINEを公開し、「誰かから必要とされたいんです!」と訴えた女子アナ・田中みな実などのキャラが確立したことによって、普通は隠してしまう“心の闇”をさらけ出したり、自虐っぽいノリの相手に対する抵抗がなくなってきたという背景もあるかもしれない。

这是因为,诸如赤裸裸地谈论过去失败经验的《失败老师 不要变成我这样!!》(朝日电视台系节目)这类综艺节目,以及被称为“消极怪物”、怕生且曾公言自己不信任女性的搞笑组合AUDREY成员 · 若林正恭,将平日的积愤写到日记本里的南海Candys成员 · 山里亮太,还有在《今夜比一比》(日本电视台系节目)中公开自己在LINE上对挚友发出“SOS”求救信号和“对结婚的焦虑”等内容,并倾诉自己“希望被谁所需要!”的女主播 · 田中美奈实等节目和人物形象,他们通过揭露平常隐藏的“阴暗内心”,人们不再抵抗自黑的对象,这样的背景使得人们会对“炎上觉悟”的发言产生共鸣。

今や“炎上覚悟”とひと言添えれば、その投稿に異議を唱えるほうが格好悪く見えてしまう印象もあるし、文字通り相手も覚悟を持ってぶっちゃけてくるだけに、受け取る側も萎縮してしまうケースも多いのではないか。

如今,在日本的SNS账号上发布内容时加上一句“炎上觉悟”的话,对这样的内容唱反调的人反而会给人留下“这人很逊”的印象,而且如字面所述那样,正因为对方是带着觉悟直言的,所以观者反而不敢接话,这样的例子应该也挺多的。

いずれにしろ、相手に“意見”をする場合は、表現方法は“上”からにしろ“下”からにしろ、断固として伝えるべきであり、自分を安全地帯に置いたままの曖昧な言い方では、何を言っても反発を受けるということなのだろう。

不论如何,向对方提出“意见”的情况下,表现方式是站在“上”的角度也好,站在“下”的角度也罢,都应当坚决地表达自己所言,如果是将自己置于安全地带的暧昧说法,可能无论说什么都会受到反对吧。

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