原宿で若者たちを中心に人気を集めるアパレルショップ「ウィゴー(WEGO)」原宿本店が店舗前道路の拡張工事のため閉店することを公式ツイッターで発表し、SNSでは「道路拡張はしょうがないけどショック」「なくなってしまうのはさびしい」など閉店を惜しむ声が多く上がった。「ウィゴー(WEGO)」は、今ではテレビですっかりお馴染みとなったぺこ&りゅうちぇるのアルバイト先だったことでも有名で、ブレイク前の彼らは“カリスマ店員”と呼ばれ原宿に集う若者から多くの人気を集めた。

在原宿受众多年轻人喜爱的服装店“WEGO”原宿总店因店前道路扩张施工而停止营业。该消息在官方推特上一经公布,便在SNS上引来了一波如“既然要道路扩张那也无可奈何,但还是很受打击”、“店没了不开心”等对关店一事表示可惜的声音。“WEGO”作为电视节目常客Peko和Ryuchell之前打工的地点而广为人知,两人在爆红之前曾被称为“招牌魅力店员”,并受到许多原宿年轻人的追捧。

「ウィゴー(WEGO)」をはじめとするアパレルショップは、他にも人気者を多数輩出している。とまん、ゆうたろう、こんどうようぢといった中性的な美しさが特徴のカリスマたちは“ジェンダーレス男子”と呼ばれ、2015年頃からイケメンの新ジャンルとして、タレントやモデルとしても活躍。当初はその華やかな見た目ばかりが先行して注目されたが、現在彼らを取り囲む環境や考え方はどのように変化しているのか。“ジェンダーレス男子”というジャンルを浸透させた立役者で、芸能事務所・レキシントンをプロデュースする丸本貴司さんに話を聞いた。

而以“WEGO”为首的各家服装店,也是红人辈出。如Toman、裕太郎、近藤耀司等以中性美为特征的流行领袖。他们被称作“无性别男子”,从2015年起作为新一类的帅哥,活跃在艺人及模特领域。起初,他们以华丽的相貌备受注目,而如今,他们的周围环境与想法又有哪些变化呢?针对此问题,我们采访了“无性别男子”的幕后推手、艺能事务所·LEXINGTON制作人——丸本贵司先生。

■そもそもジェンダーレス男子とは?

■无性别男子到底是什么?

ジェンダーレス男子と聞いて、「中性的な男性」という漠然としたイメージを思い浮かべる方も多いのではないか。その定義を丸本さんに改めて教えてもらうと?

说到无性别男子,想必很多人只会模糊地想到“中性的男人”吧。那么丸本先生是怎么定义它的呢?

「ジェンダーレス男子とは、オシャレするときに“男は男らしく”、“女は女らしく”という固定概念を取っ払って、“男でも美しく”、“男でもキレイに”というような、なりたい自分になるために“ジェンダー(性)”から自由になった男子のことを言います」(丸本)

“无性别男子,指的是在打扮自己时,抛弃‘男人要像个男人’‘女人要像个女人’这样的固有概念,认为‘男人也能变美变漂亮’,为将自己塑造成理想的自己而从‘性别’的束缚中解脱出来的男性”(丸本)

メディアに取り上げられるようになってから数年が経過し、以前ほどスキャンダラスな存在ではなくなってきていると丸本さんは感じている。ひとつのジャンルとして確立され、主に10代を中心に一般化してきているのだ。その背景には、SNSの存在が大きく影響しているのだという。

丸本先生认为,自媒体宣传以来已有数年,无性别男子确实正在逐渐脱离报道热点。如今它已被确立为一个新的分支,以十多岁的年轻人为中心,日益成为普遍现象。而SNS就在其中起到推波助澜的作用。

「例えばジェンダーレス男子が学校に1人しかいないマイノリティーなカルチャーだったとしても、今ならSNS上で声を上げることで、世界中のどこかにいる共感者が見つかります。“あなたの価値観、ファッションに共感します”という声は、マイノリティーにとって“自分は間違ってない”という思いを貫くための重要な後押しになるのです」(丸本)

“就算无性别男子是少数到整个学校只有一人的小众文化,只要在SNS上发出自己的声音,就能在世界的某个角落里找到与自己有共鸣的人。一句‘我赞同你的价值观,你的流行风格’是少数派坚定自己‘并没有做错’的重要支柱。”(丸本)

■美容に月3万、女性を凌駕する圧倒的美意識

■美容费用每月3万,超越女性的强烈的爱美意识

モデル、歌手、さらにはファッションデザイナーとして大いに存在感を発揮するこんどうようぢと、アパレルショップ「ウィゴー(WEGO)」のショップ店員としてカリスマ的人気を持ちモデルとしても活躍するまきのたつやもジェンダーレス男子のアイコン的存在のひとり。中性的なビジュアルとともにメイクやファッションに対する感性の高さが多くのファンを惹きつけている。そんな彼らの美へのこだわり、好きなタイプについても話を聞いてみた。

同时拥有模特、歌手,甚至时尚设计师的身份,并能够在这些领域中大展身手的近藤耀司,以及既是服装店“WEGO”的店员又是模特,且广受追捧的牧野辰哉,都是无性别男子中的代表人物。两人凭借中性的外表形象和对美妆时尚的高度敏感吸引了一大批粉丝。下面我们对两人围绕对美的追求,以及他们喜欢的类型进行了采访。

「19歳頃からメイクを始めた」という、こんどうは母・姉・妹の影響で早い時期から抵抗なくスキンケアに力を入れていたのだとか。「今はエイジングケアも意識して美容液やアイクリームで対策、保湿のために毎朝&隔晩のパックは欠かさずしています。ファッションに関しては、毎月10冊程の雑誌を読んでいます」とこだわりを話してくれた。また、「韓国のアーティストを見て美を意識するようになった」という、まきのも「メイクやファッションにかけるお金は月3万円ほど」という。

“19岁开始化妆”的近藤受母亲、姐姐和妹妹的影响,很早便毫无抗拒地开始花功夫护肤。他谈到:“现在会用精华液和眼霜对抗肌肤老化,为了保湿每天早上&隔晚必敷面膜。至于衣着时尚,每个月都会看10本左右的杂志。”此外,他还提到:“看到韩国的艺人后开始有意识地追求美。”牧野也表示“每个月花在美妆和衣着上的金额大概是3万日元”。

女性と同等、それ以上に美への強いこだわりをもつ彼ら。続いて、好きな女性のタイプについて聞いたらどれだけ厳しい答えが返ってくるのかと想像したが、その結果は意外とシンプルな回答に。こんどうは「口が悪くない子。『お前』とか『食った』と言う子は苦手です。あとは無邪気で、たくさん笑う子が好きです。僕は口数が少ないほうなので、たくさんお話しをしてくれる子がいいなと思います」と話し、まきのは「大人っぽい人です!」とタイプの女性を教えてくれた。

他们对美的追求堪比女性,甚至超越女性。在问到两位喜欢什么样的女性时,本以为他们会给出一个十分严格的答案,结果却出人意料地简洁。近藤回答道:“喜欢讲话斯文的女生。我不太擅长应付那种爱说‘お前’或‘食った’(偏男性用语)的女生。”而牧野则表示喜欢“成熟的女性”。

■美意識を高めているのは、自身のコンプレックス

■注重美,是出于自卑

反対に「女性から言われるとうれしい言葉」を問われると、「何でもうれしいです。褒められることにそこまで慣れてないので、対応に困っちゃうというか信じられないというか、難しいです」(こんどう)、「『かっこいい』とともに『美しい』という言葉をかけられると喜びを感じます。自分のコンプレックスを隠すためにもっときれいになりたいという考えが認められたような気がするんです」(まきの)と回答。

当问到“被女性说自己什么会感到高兴”时,近藤答道:“说什么都会感到高兴。我还不是十分习惯被人夸赞,既不知道该怎么回应又觉得难以置信,很伤脑筋。”而牧野则回应说:“要是有人夸我‘帅气’并且‘漂亮’的话我会很开心。感觉自己为了隐藏自卑而努力变美的想法被肯定了。”

美を追求し続けている彼らの“褒められるのに慣れていない”“自分のコンプレックスを隠す”といった発言は意外なようにも思えるが、この発言に垣間見える「自分に対する自信のなさ」は、ジェンダーレス男子の考えを持つ男性のほぼ全員に当てはまることではないかとレキシントンの丸本さん。

没想到为追求美丽坚持不懈的两人会说自己“不习惯被人夸奖”“隐藏自卑”。LEXINGTON的丸本先生认为,从这些发言中窥探出的“不自信”几乎可以用来形容所有持“无性别男子”思想的男性。

「彼らが美意識の裏に抱えているのは、間違えなく自身へのコンプレックスだと僕は思っています。僕自身もイケメンではないので、少しでもイケメンに近づくために化粧をしたり、ダイエットをしたりしています。肌荒れを防ぐためのスキンケアや脱毛も、根本をたどっていくと自分は努力しないとイケメンになれないっていうコンプレックスに行き着くんです」(丸本)

“我认为,他们之所以追求美丽,毫无疑问都是源自于他们怀有的自卑感。我自己也不是什么帅哥,所以为了尽可能地接近帅哥,我会去化妆、去减肥。为了防止皮肤变差而去护肤,还有脱毛等等。说到底,这些都是出于‘不努力就不会变帅’的自卑感。”(丸本)

彼らの美意識の根本には“コンプレックスの克服”というキーワードがあったのだ。これは女性がメイクを研究したり、ボディケアを実践したりする理由と共通点があり、納得もしやすい。

他们执着于美其实是为了“克服自卑”。这与女性学化妆、护理身体的原因有着相通之处,确实也不难理解。

■価値観にとらわれず自分をプロデュースする時代へ

■挣脱固有价值观,走向打造自我的时代

ジェンダーレス男子をはじめ、性にとらわれない美意識や価値観を大切にする男性たちが増えつつある。彼らをとりまく環境は、今後どのように変化していくのだろうか。

以无性别男子为首,越来越多男性开始挣脱固有的性别观念,注重自身形象。他们周围的环境今后将会产生什么变化呢?

「SNSの普及によって色々なタイプの人気者が生まれているなか、人気者になるための源泉が“ルックスがイケメン、美女”の時代から、“内面”も問われるようになってきました。特に動画や配信SNSに関しては見た目的には“?”な人でも、内面、人間性にファンがついている人が増えています。今後はさらにその傾向が強まり、自分の美意識や価値観を大切にしている人が人気になっていくのではないでしょうか」(丸本)

“随着SNS的普及,各式各样的红人层出不穷。从前,要成为红人就必须具备‘颜值’,而如今越来越多受众开始关注他人的‘内心’。特别是一些视频或直播SNS,虽然他们的外表要打个‘?’但凭借自己的人格魅力依然吸引到不少粉丝的人正日益增加。这一倾向在今后将会变得越来越稳固,注重形象和自我价值观的人或许更能获得大众的支持。”(丸本)

SNSによってさまざまな価値観に触れる機会に恵まれ、より柔軟な考え方ができる若者が増えている現代。女性らしさや男性らしさではなく、“人間としての美しさ”をいかに表現していくかが大切なアイデンティティーのひとつになっていきそうだ。

现代社会,越来越多年轻人能够透过SNS接触各种各样价值观,自己的思想变得更为灵活。抛弃所谓的“女人样”和“男人样”,如何将“人类的美”表现出来,才是未来个性的一个重要体现。

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