又到一年樱花季,赴日旅游的人数将迎来春节后第一个高峰。而近来,一些日本人也渐渐察觉到,赴日中国旅客正呈现出不同于以往爆买团体客的新面貌。

颠覆日本人“中国游客=暴发户”的印象

先日京都でタクシーを拾った際、運転手に最近のインバウンドの様子を尋ねると意外な答えが返ってきた。

前几天在京都坐出租的时候,向司机探听了最近来日外国旅客的情况,得到了出乎意料的回答。

「このまえ乗せた中国人のおっさん、片言の日本語で京都は6回目です、と言うてました。驚きますなあ。そのあとずうっと、あの寺がええ、この寺のなにに感動しただの、まあ詳しいこと」

“之前坐我车的中国大叔,只会几句日语,却已经是第六次来京都了。真是让人吃惊。之后也一直在说,这座寺庙多么好,那座寺庙哪里让他感动了。那叫一个了解。”

中国人観光客の中でも、個人客が急増中で、2015年には団体客を追い抜きましたね。16年は個人客6.5割、団体客が3.5割というのが全国平均ですが、北京や上海などの大都会に限定すれば、個人客が8割を超えています。

中国旅客中,自由行的人数正急剧上升,在2015年就已经超过了团体客。2016年中国自由行人数占65%,团体客占35%,而在北京和上海这些大城市,自由行的比例则要超过80%。

中国人の海外旅行者数は世界一で、16年の出国者数は約1億2200万人。人口が14億人もいるので、全体の8.7%に過ぎません。その中で個人旅行ができる人はまだ一握りです。

中国出国旅行的人数是世界第一的,2016年达到约1亿2200万人。但因总人口有14亿,则这个数字不超过整体的8.7%。而能在海外自由行的更是其中极少一部分人。

日本では、マスコミの影響からか、中国人のお金持ち=「成り金」だと極端にイメージしてしまう人もいるかと思いますが、そういう人々は、たとえ個人旅行であっても「日本の老舗」にはあまり興味を示さないでしょう?文化や伝統を大事にする、新鮮な感覚の持ち主が増えてきているんですよ、ということがいいたかったのです。

不少日本人受媒体影响,有中国有钱人=暴发户这样极端的印象,觉得这些暴发户即使是自由行,也不会对日本的老店感兴趣。但事实上,看重文化和传统,并能从中感受到新魅力的人正在增加。

「深度游(シェンドゥヨウ)」という中国語があります。深みのある旅行という意味です。ゴールデンルートの数日間、駆け足で回るような表層的な旅は嫌だ、日本の社会や文化を掘り下げて知りたいと彼らは思っているのですね。

中文里有“深度游”这样一个词,是指有内含、有深度的旅行。这些人不喜欢黄金周几天休假里跑马观花似的浮于表面的旅行,而是想要深入了解日本社会和日本文化。

地方のシブいところやマニアックなところにも出かけていますし、私が知らない地名を中国人から聞かれてビックリ、ということもよくあります。日本人にとってごく普通のことに感動してくださるので、驚くと同時に、日本人としてありがたく、うれしくなってしまうのです。

这些人会去到日本地方有古韵或是狂热爱好者才知晓之处,甚至好几次我从中国人那里听到自己都不知道的日本地名吓了一跳。而作为日本人,看到中国人因为对于日本人来说极为普通的事而感动,在吃惊的同时,也是感激且高兴的。

彼らの価値観や行動パターンは、おそらく日本の一般の方々がイメージしている中国人観光客の姿とは、大きくかけ離れているのではないかと思います。

而这些人的价值观和行为模式,可能和大部分普通日本人设想的中国观光客有着极大的不同。

各人定义不同的“这就是日本”

由于赴日游客对日本文化的了解程度参差不齐,每个人对所谓的“日本特色”定义不一,呈现为自由行时行程安排,景点选择上的极大不同。

中国の一部の都市ではPM2.5など公害が問題になっていますが、そんな街から日本にやってくると、空気のよさは感激ものです。地方の温泉に出かけたときなど、露天風呂で自然と空を見上げるんですよ。

中国一部分城市为空气污染问题所苦,从那里来到日本,深感日本空气的清澈。到地方享受温泉时,也会很自然地抬头仰望天空。

また、3年前、北海道に爆買いの取材に行ったとき、観光関係者の方から、「中国の方は雪合戦をして、雪景色を見て、ソリに乗っているだけで十分喜んでくれる」というお話を聞いてました。

此外,三年前我去北海道采访当地爆买情况时,听观光方面相关的工作人员说“中国游客打个雪仗、看看雪景、乘上雪橇就已经很开心的样子了。”

山口でも、「明治維新もの」が外国人にイマイチ受けないいっぽうで、最近同県の長門市油谷にある元乃隅稲成(もとのすみいなり)神社の人気が徐々に上がってきているという。

而在山口县,明治维新相关的景点并不受外国人喜爱,最近则是县内长门市油谷的元乃隅稻成神社逐渐成为人气景点。

これは海岸の断崖に向かって赤鳥居が延々と100mほど続くその姿がインバウンド客に口コミなどを通じて広まっているものだが、神社の歴史は浅く、謂れとしては白狐のお告げによって昭和30年に島根県の津和野にあった神社を分霊したにすぎないものが、インバウンド客の目からは「ニッポン的な風景」に映るらしい。

朝着海岸边断崖延伸,有100米长的红色鸟居成为了访日外国游客口口相传的景点。其实这一神社的历史很短,因为白狐的启示,昭和30年(1955年)从岛根县津和野某一神社请神至此而建。而这一神社在访日外国游客眼中却是极具日本风格的景色。

旅行サイトであるトリップアドバイザーが調べた外国人が行きたい日本の観光スポットを見ると、京都にある「嵐山モンキーパークいわたやま」や長野にある「地獄谷野猿公苑」といったところのニホンザルは大人気だし、新宿にある「ロボットレストラン」、大阪の「ビデオゲームバースペースステーション」など日本人のほとんどは耳にしたことがないようなスポットが上位にランクインすることには驚きを禁じ得ない。

在旅游网站tripadvisor调查的外国人想要参观的日本景点中,和人气极高的日本猴相关的景点有京都的岚山岩田山猴子公园和长野的地狱谷野猿公苑。此外,还有日本人几乎没听说过的新宿的东京机器人餐厅和大阪的Video Game Bar Space Station等名列前茅,让日本人吃惊不已。

つまり、インバウンド客の中には日本に対する一定のイメージがあらかじめ備わっているともいえ、そのイメージに現実がぴったりあてはまると彼らは喜びの声を上げ、「おう、ニッポンって素敵、ワンダフル」になるのだ。

也就是说,访日外国游客心中一开始就有对日本的一定印象,当现实和想象一致时,他们就会欢呼雀跃“哦!日本好棒!wonderful!”

爆买新对象出现,归根到底还是穷?!

星级餐厅、理发美容、医疗保健等等,日本这些服务正成为中国游客爆买的新对象。除了高性价比之外,炫耀的小心思也必然存在。而为了这非日常的奢侈货比三家绞尽脑汁,归根到底可能还是穷。

訪日中国人が「日本のミシュランは安い!」と感じているというところ。ミシュランで星がつくような高級店は、上海より断然安くてお得だと……。

赴日的中国旅客似乎觉得“日本的米其林餐厅便宜”。一样是获得米其林星级评定的高级餐厅,收费比上海便宜许多,所以很划算。

たとえば、ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション。ラトリエはロブションのカジュアル版ですが、日本では1万円以内でコース料理が食べられます。ところが、上海ではサービス料などを入れると1人2000元(約3万4000円)は確実にかかってしまいます。また、上海ではミシュランで星のつく日本料理店はありませんが、高級店で2万5000~4万円はします。しかも、ネタの新鮮さは日本のほうがはるかに上。日本では、ミシュラン3つ星の日本料理店でも3万円程度で食べられますから、クオリティの差まで含めると、安く感じられるのです。

比如L'ATELIER de Joel Robuchon。在日本,1万日元(600元人民币左右)就能吃到轻简版的套餐料理。而在上海,加入服务费后一人要花费2000元(3万4000日元左右)。另一方面,上海没有米其林星级评定的日本料理店,而在相对高级的店里要花费2万5000~4万日元(1500~2400元人民币左右)。而且,日本这边店家食材的新鲜度明显更胜一筹。在日本花费3万日元左右(约1800元人民币)就可以吃到米其林三星的日本料理店,算上质量在内,确实感觉比上海划算。

中国に大衆点評という、日本の「食べログ」のような、非常に有名なクチコミグルメサイトがあります。これを見ていると、客単価2~3万円もするお店に、レビューが100件以上も書き込まれています。その背景には、メンツを重視する中国人の性格があります。「私はこんな高級店に行ける人間なのだ」とSNSで自慢したい、という気持ちがあります。

中国的大众点评是像日本的“食べログ”一样非常有名的美食点评网站。可以看到里面,人均2-3万日元(1200-1800人民币左右)的餐厅也有100多条点评。造就这一现象的是中国人看重面子的性格。想要在社交网络上炫耀“我是能去这么高级饭店的人。”

「まだ中国で知られていない日本のレストランを自分が最初にクチコミした人になりたい、という欲求もある」という話を聞いてビックリしました。日本旅行中に大衆点評に投稿している人も多く、それを見た別の中国人旅行客が、またそこに訪れるという相乗効果もあると。中国のSNSのすさまじいパワーを感じましたね。

“另外,人们也想成为第一个给还没有人去过的日本餐厅点评的人。”听到这点也让人有些震惊。还有很多中国游客在日本旅游时在大众点评上留言,看到这一评价的其他游客也会想去那家店,产生相乘效果。从中可以感受到中国社交网络超强的商业能量。

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