いよいよ国が「緊急事態宣言」を発出する中で、SNSで拡散されたある写真に、若者たちが怒りの声をあげている。その写真とは4月4日、「おばあちゃんの原宿」として知られる「巣鴨地蔵通り商店街」で撮影されたもの。毎月4のつく日に開催されている恒例の縁日に、多くの高齢者が訪れて、楽しそうに商店街を歩いているのだ。「外出自粛に従わないで出歩く若者がウイルスを撒(ま)き散らしていると叩かれているのに、このジジババたちはいいのかよ」。

日本终于要发表“紧急事态宣言”的情况下(“紧急事态宣言”已于4月7日发布),在社交网络上扩散的一张照片引发了年轻人们的愤怒。这张照片是4月4日在以“奶奶的原宿”闻名的“巢鸭地藏街商店街”拍摄的。按照惯例每月4日举行的庙会,会有很多老年人参加,兴致勃勃地逛商店街。“明明那些不听从‘不要外出呼吁’的年轻人都被喷到处散播病毒了,大爷大妈们就可以随意外出吗?”

“因为今天4月4日有庙会,所以就来了。”

上面两张图截自新闻报道,除了老年人,年轻人也不少的样子。

現在、国、自治体、そして医療関係者が「医療現場が悲鳴を上げているからこれ以上、感染を広げないように外出を自粛して」と喉を枯らして訴えている。しかし、これに従わない「バカ者」もいる。政府や東京都の説明ではこれは、主に学校が休校になったことで、渋谷に遊びに行くような十代や、繁華街で飲みに行っている若い世代だという。事実、クロス・マーケティングが3月27~29日にかけて、全国の20~69歳の男女計2500人にWeb上でアンケートを取ったところ、商業施設への買い物、外食、旅行、トレーニングという主に外出が伴う活動11項目で全てトップなのは60代で、20代のほうが圧倒的に外出自粛していることが分かっている。「老いも若きも外出自粛に従っていない」というほうが実態に近い可能性があるのだ。

目前,日本政府、各地方自治团体以及医疗相关人士竭尽全力在呼吁大家:“医疗一线已近奔溃,为避免病毒进一步扩散,请尽量不要外出。”但也有一些不听从这一呼吁的“蠢货”。根据日本政府和东京都政府的说明,不听从呼吁的主要是学校停课后去涩谷游玩的十几岁青少年,及在繁华商区喝酒的年轻人。但事实上,Cross Marketing 在3月27~29日期间,在网上对全国20~69岁男女共2500人进行了问卷调查,结果显示,商业设施涉及的购物、餐饮、旅游、锻炼等主要的11项外出活动中,参与人数都是60多岁的占首位,反而是更多二十多岁的人在控制外出。“老年人和年轻人都没有听从不要外出呼吁”可能更接近实际情况。

「ここ日本は、とても規律正しい人たちばかりだ。彼らは、大規模イベントを3月中旬までに中止するよう求める政府の要請に応じている」(Football ZONE web/3月15日)そんな規律正しい人々なら、「不要不急の外出は控えて」という要請にも素直に応じるはずなのだが、現実はそうなっていない。トイレットペーパーやマスクのために開店前からドラッグストアにきれいに並ぶようなマジメさがあるのに、「外出を控えて」の呼びかけはなぜかガン無視。この差はいったいどこからくるのか。

“日本人大多是非常遵守规则的。他们正响应政府要求,到3月中旬为止停止大规模活动。”(Football Zone web / 3月15日)如果日本人都像报道里说的那样遵守规则,他们应该也会遵守“控制不重要不紧急的外出”的要求,但现实却不是这样的。明明为了买卫生纸和口罩可以在开店前非常认真地在门前排队等候,却为何对“不要外出”的呼吁视而不见?这差距到底在哪里?

まず、考えられるのは「もし感染しても自分は重症化しないでしょ」と甘く見ている人が多いということだろう。他国でも当初このウイルスを、高齢者や基礎疾患のある人々だけが気をつければいいものだと捉えていた傾向があったので、日本でも同様の誤解が広まっていると考えられるのだ。そこに加えて、ネットやSNSで情報を入手している人たちの場合、「新型コロナより経済活動が停滞するほうが怖い」という考えに基づいて、過度な自粛を控えている可能性も高い。このような緊急事態下で、政府や自治体のスタンスを正確に報道しなくてはいけないテレビや新聞というマスコミではほとんど大きく扱われないが、実はネットやSNSでは、「外出自粛なんてやり過ぎだ」という意見も少なくない。そのような主張をする方たちの論拠はざっとこんな感じである。

首先,能够想到的原因是很多人都天真地认为“即使感染了,自己的病情也不会很严重”。出现疫情的其他国家最早也倾向于认为只有高龄者和有基础疾病的人需要注意,所以同样的误解在日本也传播开来。(请不要随意甩锅)再加上,通过网络和社交媒体获取信息的人,基于“相比新型冠状病毒,经济活动的停滞更可怕”的想法,也很可能不去过度控制外出。在这样的紧急情况下,电视和报纸等媒体必须将政府和地方自治团体的立场准确报道出来,所以并没有大幅报道网络和社交媒体上相当普遍的“控制外出做得太过了”的意见。提出这种主张的人的论据大致如下。

・毎年インフルエンザで万単位の人が死んでいるのに、それほど死者の出ていない新型コロナを大騒ぎし過ぎ。
・BCGを接種している国は症状が軽いので、日本も欧米のように大量の死者がでるわけがない。ロックダウンはもちろん、外出自粛など必要ない。
・外出を自粛して経済活動をストップさせたら、つぶれる店や企業が大量に出て、失業や収入源でコロナよりも死者が増える。

・每年都有上万人死于流行性感冒,就因为没有那么多死亡病例的新型冠状病毒搞成这样也太夸张了。
・接种卡介疫苗的国家,疫情都相对稳定,所以日本也不可能像欧美那样出现大量的死亡病例。封城自不必说,控制外出也没有必要。
・如果控制外出,停止经济活动,倒闭的商店和企业会大量出现,因失业和失去收入来源而死亡的人数会比新冠肺炎还要多。

「新型コロナ報道」に疑問

对“新型冠状病毒报道”的质疑

感染拡大を食い止めるため不眠不休で働く医療関係者の人たちが聞いたら卒倒しそうな主張かもしれないが、ネットやSNSではこのような仮説が盛んに唱えられており、それなりに支持を集めている。ただ、そこまで理屈っぽく物事を考えているのは少数派で、大多数の人々は「なんとなく大丈夫かなと思った」とか「みんな普通に出かけてるから」というふわっとしたムードで外出をしている。

这些让为了防止疫情扩散而不眠不休工作的医疗工作者们听了可能会气晕过去的主张,这样的假说在网络和社交媒体上被大肆宣扬,并得到不少支持。不过事实上,会按照一定道理去思考问题的都只是少数派,大多数人都是觉得“总之应该不是什么大问题”、“大家都很平常地出门了,不会有事的”这样轻率的想法出门。

今天为什么来涩谷?来吃松饼。

对政府不要外出的呼吁是怎么考虑的?没什么想法。

“其实不觉得疫情对自己会有什么影响”

提问:不觉得去俱乐部玩有危险吗?

回答:不过,跳跳舞,病毒就飞走了。

我们今年大学四年级,马上要踏上社会了

说实话,还是想最后玩一玩。

人々の行動に影響

(报道)对人们行动的影响

「そりゃあ報道のおかげで危機意識が高まって、外出を控えるようになるんじゃない?」と思うかもしれないが、現実はむしろその逆で、このように考える人たちが増えていく。「なんだ、週末は外出自粛とか言ってただけど、たくさんの人が出かけてるじゃん。だったらウチも本格的にロックダウンとかなる前に、出かけられるうちに出かけておこう」

“看到电视里(批评那些随意外出的人)的报道,自己的危机意识会有所提高,减少外出吧?”有人可能会这样想,但现实却恰恰相反,“什么嘛,明明说周末不要外出,但还是很多人都出去了。那我们也在正式封城之前,趁着能出去的时候先出去玩玩吧。”这样想的人越来越多。

つまり、マスコミが警鐘を鳴らそうと「禁止行為」を取り上げることで、「禁止行為」に踏み切っている人間が世の中にはわりと多いんだな、という誤解を人々に与えて、「禁止行為」の心のハードルを下げてしまったというわけだ。

也就是说,媒体为敲响警钟而报道“被禁止的行为“,却让人产生原来“践踏规则’的人在世上还挺多”的误解,因此在人们心中“被禁止的行为“的严肃性就降低了。

社会の混乱や不安を「ショー」として

把社会的混乱和不安当作“表演”

日本で外出制限に強制力がないという事態になるのは、国家権力を警戒する傾向があまりにも強いからである。それは敗戦の後遺症であるといってよい。今回、新型ウイルスとの戦争でも、テレビなどのマスコミは大きな役割を果たすはずだが、今のところ、トイレットペーパーパニックをあおったりと国民の足を引っ張ってばかりいる。日本のマスコミは社会の混乱や不安を「ショー」として消費する傾向があるためだ。

日本之所以会出现“限制外出的呼吁没有强制力”的情况,是因为二战战败后,对于过强国家权力的警惕。在这次与新型冠状病毒的战争中,电视等媒体应该起到很大的作用,现在却助长了抢卫生纸的恐慌,只是在拖国民的后腿。日本的媒体有着将社会的混乱和不安当作一场“秀”来消费的倾向。

4月7日“紧急事态宣言”发布后,情况有所改善。当然这其中也有各地确诊人数上升,引发人们重视的原因。

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