クラスメートを「あだ名」で呼んだり「呼び捨て」にしたりせずに、「さん付け」するように指導する小学校が増えている。身体的特徴を揶揄するようなあだ名は、いじめにつながるケースがあるからだ。ただし、さん付けは円滑なコミュニケーションを阻むおそれもあり、有識者は「『さん付け』を求める場合は、きちんと理由を説明してあげてほしい」と指摘する。

如今,日本越来越多的小学教育孩子在班级里不要用“昵称”或者“不加尊称”地称呼同学,而要常用尊称。因为昵称经常是出于奚落对方某个身体特征而起的,可能会产生霸凌问题。然而,也有人指出,加尊称不利于同学们之间的顺畅交流,因此“在需要加尊称时,老师要给学生们一个明确的理由”。

お姉さん気分

大姐的感觉

「皆さんはお友達を『○○さん』と呼ぶことができていますか?」

“大家有没有在称呼朋友时加过尊称?”

5月19日、東京都江戸川区立葛西小で、1年1組の担任の千葉千央教諭(37)が、帰りの会で児童29人に呼びかけた。元気のいい返事を聞くと、「あだ名や呼び捨ては、相手を嫌な気分にさせることがあります。さん付けは、人を大切にする呼び方なのですよ」と続けた。

5月19日,东京都江户川区立葛西小学一年级一班的班主任千叶千央在放学前向29位儿童提出了这个问题。听到孩子们精神十足的回答后,她告诉大家“昵称或者不用尊称的话可能会让对方觉得不舒服。尊称是珍惜一个人的表达方式哦”。

幼稚園では「君」や「ちゃん」で呼び合っていたという女子児童は「お姉さんになった気分。呼ばれてうれしい」と、はにかんだ様子で話した。

一个女孩说,在幼儿园里大家都互相叫“~君”或者“小~”,她害羞地说“尊称有一种大姐的感觉,要是有人这么叫我会很开心”。

同小では、名字にさん付けするよう求めており、この取り組みは今年で6年目。内野雅晶校長(60)は「小さいうちから相手を尊重するという素地を育めば、人を攻撃するような行動は取らないはずだ」と話す。

该小学倡导学生们在称呼姓名时加尊称,到今年已经倡导了六年。校长内野雅晶(60岁)称:“如果能够从小培养孩子们尊重对方的素质,长大后他们可能就不会做出攻击别人的行为”。

校則に明記

记入校规

文部科学省の問題行動・不登校調査によると、全国の小学校でのいじめ認知件数は増加傾向だ。2020年度は42万897件の報告があり、このうち約6割が「冷やかしやからかいなど」だった。

据日本文部科学省的问题行动·拒绝上学调查显示,日本小学的霸凌事件正不断增多。2020年度有42,897件,其中将近六成是“被排挤或者捉弄”。

児童同士の呼び方について、文科省では指導はしておらず、担当者は「あだ名にはプラスとマイナスの両面がある。相手をどう呼ぶかは、相手がどう受け止めるのかに尽きる」とする。

关于儿童之间的称呼方法,文科省并没有给出明确要求,对此负责人解释道“昵称有正面影响也有负面影响。如何称呼对方关键也在于对方是如何理解这个称呼的”。

<友だちを呼ぶときは『さん』をつけます>。水戸市の私立水戸英宏小では校則にそう明記している。野淵光雄教頭(51)は「あだ名は身体的特徴や失敗行動など相手を蔑視したものが多い。呼び方だけでいじめを根絶できるわけではないが、抑止することにはつながる」とする。

“称呼朋友时用尊称”。水户市水户英宏私立小学有这么一条校规。教务主任野渊光雄(51)称“昵称大多数都是在调侃对方的身体特征或者失败行为。虽然光凭称呼无法杜绝霸凌现象,但的确有抑制效果”。

約160の公立小学校がある京都市でも、ある校長は「この10年で『さん付け』は半数近くにまで広がっている」と語る。

京都市有将近160所公立小学,其中某位校长也说“近十年来对孩子们‘用尊称’的教育已经渗透到近一半的小学当中”。

一方、埼玉県内にある小学校の40歳代の男性教諭は「さん付けは時代の流れであり、それを各校が取り入れることは理解できる。ただし、あだ名まで禁止すると円滑なコミュニケーションがとれないのでは」と語る。長野県で小学校の校長経験がある60歳代の男性も「昔は子供たちが愛称で呼び合った。その効果か、クラスはにぎやかだった」と振り返る。

另一方面,埼玉县内某小学40岁左右的男性教师则指出:“用尊称是顺应时代潮流的行为,各个学校针对这件事对学生进行教育也是能够理解的。但是,连叫昵称都被禁止的话是不是不利于孩子们之间的顺畅交流呢?”。曾在长野县某小学担任过校长的60岁左右男性也回忆道:“过去孩子们都是互相叫爱称的。这种称呼方式也让整个班级的气氛其乐融融”。

嫌な思い

负面回忆

日本トレンドリサーチが20年11月、社会人1400人に調査したところ、小学生の頃にあだ名があったのは69%。このうち36・7%が「嫌な思いをしたことがある」と回答した。

日本调查公司Trend Research在2020年11月对1400名成年人进行过问卷调查,结果显示,有69%的人曾经在小学时被叫过昵称,其中36.7%对这件事抱有“负面回忆”。

小学校の校則であだ名が禁止されることについては「賛成」が18・5%、「反対」が27・4%、半数超の54・1%は「どちらでもない」だった。

调查也显示,18.5%的调查者“赞成”禁止使用昵称的小学校规,27.4%“反对”,54.1%表示“都可以”,占整体的一半以上。

名古屋大の内田良教授(教育社会学)は「クラスメートをどう呼ぶのかは難しいテーマだ。教員が『さん付け』を一方的に求めるだけだと、なぜそうした呼び方をするのか子供は考えなくなってしまう。理由や背景をきちんと大人が説明し、考えさせることが大切だ」と指摘する。

对此,名古屋大学教育社会学教授内田良指出:“如何称呼同学这一问题一直以来就是一大难题。如果老师只是一味地要求孩子们‘用尊称’,孩子们就不会动脑思考为什么要这么称呼了。所以成年人应该好好地向孩子们说明这样做的理由和背景,让孩子思考这件事,这才是最重要的。”

「大切なのは敬意」

“最重要的是敬意”

大人の世界でも名前の呼び方に工夫が凝らされている

成年人的世界中也需要下功夫思考如何称呼别人。

東レ経営研究所(東京都)では、2020年から上司も部下も「さん付け」で呼び合うことを決めた。肩書での呼び方を改めて、一人ひとりを優秀な社員として尊重し合い、働きがいを持ってもらうことが狙いだという。ウェブコンサルティング会社「フォノグラム」(広島県)では、03年の創業当初から社員同士をあだ名で呼び合う。代表の河崎文江さん(47)は「河崎」を中国語読みした「ハーチィ」が呼び名として定着しており、「親しみを感じて話しやすくなり、会話から新たな仕事のアイデアが生まれる」と語る。

东丽经营研究所(东京都)从2020年开始要求上司也要对部下用尊称。公司内,所有人不再用头衔相互称呼,而是希望每位优秀的员工之间相互尊重,充满干劲地工作。网络咨询公司“phonogram”(广岛县)自2003年创设起就一直用昵称相互称呼。公司董事长河崎文江(47岁)在公司内一直被大家叫做中文的“heqi”,对此她觉得“很亲切,大家也能更好地交流,能够在交谈过程中迸发出新的灵感”。

日本サービスマナー協会認定マナー講師の吉岡由香さんは「呼び方一つで相手を不快にさせることもある。さん付けもあだ名も大切なのは相手への敬意。学校現場では、幼少期から相手を尊重することの大切さを教えてほしい」と話している。

日本service manner协会认定讲师吉岡由香称:“有时候一个称呼可能就会让对方觉得不舒服,无论是加尊称还是用昵称,最重要的是对对方的敬意。希望学校一线能够从幼儿时期就能告诉孩子们尊重他人的重要性”。

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