日语文学作品赏析《伊東から》
作者:芥川龍之介
来源:青空文库
2010-01-06 00:00
拝啓。小生は、元来新聞の編輯に無経験なるものに御座候 へども文芸上の作品は文芸欄に載 るものと心得居 り候。然るに四月十三日の時事新報(静岡版)は文芸上の作品を文芸欄以外に掲 げ居り候。それは「けふの自習課題」と申すものに之有 候。
小学四年。さくらの花はどんなくみたてになつてゐますか?
小学五年。花崗岩 はどんな鉱物から出来てゐますか?
小学六年。海藻 の効用をのべなさい。
これは勿論 詩と存じ候。殊に桜の花の「くみたて」などと申す言葉は稚拙 の妙言ふべからず候。何か編輯上の手違ひとは存じ候へども、爾来 かかる作品は文芸欄へお収 め下され度 、切望の至りに堪 へず候。右差し出がましき次第ながら御注意までに申し上げ候。頓首。
四月十三日伊東 にて
佐佐木茂索 様
二伸。小生と同じ宿に十二三歳の少女有之 、腎臓病 とか申すことにて、蝋 のやうな顔色 を致し居り候。付き添 ひ居り候は母親にや、但し余り似ても居らぬ五十恰好 の婦人に御座候。小生、今朝 ふと応接室へ参 り候所、この影の薄 き少女、籐 のテエブルの上へのしかかり、熱心に「けふの自習課題」を読み居り候。定めし少女も小生と同様、桜の花や花崗岩 や潮 の滴 る海藻を想 ひ居りしことと存じ候。これは決して臆測 には無之 、少女の顔を一瞥 致し候はば、誰にも看取 出来ることに御座候。小生は勿論「けふの自習課題」の作者に芸術的嫉妬 を感じ候 。然れども恍惚 たる少女の顔には言ふ可 からざる幸福を感じ候。御同様文筆に従ひ居り候上は一行 にてもかかる作品を書き度 、若し又新聞の文芸欄にもかかる作品のみ載 ることと相成り候はば、如何 ばかり快 からんなどとも存じ候。早早 。
小学四年。さくらの花はどんなくみたてになつてゐますか?
小学五年。
小学六年。
これは
四月十三日
芥川龍之介
二伸。小生と同じ宿に十二三歳の少女
(大正十二年四月)
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