日本にテレビアニメが登場して50年以上。キャラクター造形やファンタジックな物語、声優の演技など独自の発展を遂げ、世界で「クールジャパン」ともてはやされている。

日本电视动画的历史已经有50多年了。无论是角色的造型,充满幻想的故事,还是声优的演技都开辟了一条属于自己的发展道路,被世界各国赞为“Cool Japan”。

ルーティンともいうべき方程式に沿って、作られるようになっている。自分も方程式を作った当事者の一人であり、過去を否定するわけではない。しかし今、世界中がギシギシと音を立てて動いている。社会システムも生活様式も大きく変化しようという時に、アニメだけが変わらずファンタジーを作り続けるのは無理。別の方向に進む時に来ている」

“现在制作动画变得像走程序做方程一样按部就班。自己也是这个方程式的制造者之一,说这话并没有否定过去的意思。但是,如今的世界正如一辆快速行驶的列车在不断前进。在这个社会体系和生活方式发生巨大变化的时代,只有动画还和过去一样只做幻想的东西是行不通的。转型的时代已经来临。”

二郎の人物像は、観客の共感を拒むところがある。ゼロ戦を生み、結果的に戦争に協力したわけだが、それを二郎がどう考えていたのか、この映画は、分かりやすい説明をしない。彼の両義的な生き方をイデオロギーで加工することなく、生のまま描き出したようにみえる。

二郎这一人物形象很难引起观众的共鸣。出于对飞机的热爱他发明了零式战机但在结果上还是促成了战争,他对此有何想法在这个电影中并没有简单地做出说明。我们对他这种两面性的生活态度并没有做意识形态上的加工,而是按照事实描写。

「僕も若い頃は、戦争責任があるかないかという見方をしていた。しかし後の世から断罪するのは簡単。一方で、ゼロ戦を作った優秀な技師として二郎を祭り上げる動きもあります。いずれも、あの時代の空気を肌で感じようとしていないと思う」

“我年轻的时候,也会去讨论是否要对战争付责任。但是,后世的人们要去给这种事定罪却是那么简单的事。另一方面,人们对制造出零式战机的优秀技师二郎也有推崇备至的。其实大家都没有切身感受过那个时代的氛围。”

ある時代を生きる人間は必然的にその時代の矛盾を抱え込む。現代を生きる自分たちもそうだという。

生活在某个时代的人们必然带着那个时代的矛盾性。活在现代的我们也是如此。

「一つの時代を遠くから見て、灰色だとか決めつけることは間違っている。もし、二郎の責任を問うのなら、飛行機を生む素地となったモダニズムそのものを断罪すべきです」

“从远处看一个时代,断定它就是阴暗的这种想法是错误的。如果要向二郎问罪的话,应该去追究给飞机的诞生提供基础的现代主义的罪责。”

技法的にも方程式を壊す様々な試みがなされている。例えば二郎の声をプロの声優ではなく、俳優ですらなく、「エヴァンゲリオン」シリーズの庵野(あんの)秀明監督に演じさせた。

在技术层面上也做了许多尝试突破方程式的做法。例如二郎的声音不是由职业声优更不是演员,而是由《EVA》系列的庵野秀明导演来演绎。

「海外ドラマの声優たちの、手慣れたしゃべり方は聞くに堪えない。二郎の声には角が取れていない人がいいと思いました。庵野の声は人を信用させるところがあるんです」

“海外电视剧的声优们那种娴熟的说话方式不适合。二郎的声音用演技青涩的人比较好。庵野的声音就让人感到信任。”

音声をモノラルにしたのも、現代の方程式からはずれている。「耳のそばで突然変な音が聞こえたりすることがなく、音がずっと豊かになった。ただ、今、モノラルで録音するのは手間であることも知りました」

声音用单声道处理也不合现代动画制作的方程式。“不是在耳边突然听到声音,而是让声音一直保持丰富的状态。但是,现在用单声道录音还挺花时间的。”

エンディングで流れる荒井由実の「ひこうき雲」には、LPレコードの音を使った。「雑音が入るのがいい。音響監督が針を落とす音も拾ってくれました」。プロペラ音や地鳴りなど様々な音を人間の声で再現したのも面白い挑戦だ。

荒井由实的《飞机云》那密纹唱片的声音在片尾缓缓流入。“有杂音也没关系,音响导演连针落地的声音也收录了。”用人类的声音再现螺旋桨和地声之类的声音是非常有趣的挑战。

方程式を一度崩して、新しい地平へ向けて一歩踏み出した宮崎監督。「今回は準備期間を含めて5年も考え抜いたから、次に進む方向が見えるかと思ったけれど、まだ何も見えていません。あっという間の5年でした。年を取るのは簡単ですね。茫然(ぼうぜん)としています」

宫崎导演打破方程式向新的天地迈出了一步。“这次加上准备期间整整思考了5年,以为能看到进展的方向了,但是什么也没看到。一眨眼5年就过去了,添岁数还真是件容易的事。真是让人茫然。”

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