第163届芥川奖候选小说推荐:石原燃—《踢赤砂》
作者:鱼儿 整译
来源:沪江日语
2020-09-13 00:00
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社会派作品で評価の高い。劇作家・石原燃による小説デビュー作にして、第163回 芥川賞候補作—『赤い砂を蹴る』!
颇受赞誉的社会派小说。剧作家·石原燃小说处女作,第163届芥川文学奖候选作品—《踢赤砂》!
劇作家の石原燃が手がけた初の小説『赤い砂を蹴る』は、死を超えた母と娘の邂逅を描く。舞台はブラジル、赤い砂が舞う地だ。
剧作家石原燃执笔的首部小说《踢赤砂》,讲述母女二人跨越生死的命运邂逅。故事发生在巴西,那片赤砂飞扬的热土。
日文书名:赤い砂を蹴る
中文书名:暂无官方译名,直译为踢赤砂
作者:石原燃
类型:社会;情感
本书简介:
赤い砂を蹴るは、主人公の千夏がブラジルのサンパウロにあるミランドポリス行きのバスに揺られているシーンから始まります。
小说以主人公千夏乘坐巴士从巴西圣保罗前往巴西米兰多波利斯为开篇。
ブラジルという異国の地の旅に同行しているのは、千夏の母の友達、芽衣子です。
与她一同前去巴西旅行的是母亲的好友芽衣子。
なぜ二人はブラジルを訪れたのか?
二人为何相约巴西?
さかのぼること2年前、母子家庭で育った千夏は、苦楽を共に過ごした母恭子を肺がんで亡くします。
这就要从2年前谈起,千夏出身于单亲家庭,与她相依为命的母亲恭子不幸身患肺癌去世。
恭子は、画家でした。
恭子本人是一位画家。
ある日アトリエで転び、骨折してしまった恭子の手伝いにと紹介されてやってきた芽衣子といつしか仲良くなり、芽衣子の故郷であるブラジルに二人で行くのが夢だったのです。
某日,恭子不慎在画室摔倒受伤骨折,请来的陪护便是芽衣子。接下来的日子里二人渐渐交心成为朋友,相约以后一同飞往芽衣子的故乡巴西游玩。
夢かなわずしてこの世を去ってしまった恭子の代わりに、芽衣子に連れられてブラジルを訪れた千夏。
千夏为了却恭子的心愿,决定代替母亲陪芽衣子前往巴西。
2人がブラジルを訪れた目的はそれぞれ違いますが、お互いに影響し合い、旅をきっかけに親子や夫婦という「家族」のあり方に向き合う様子をえがく物語。
尽管千夏与芽衣子到访巴西的目的大不相同,但本书所讲述的正是二人相互影响,在旅途中重新感悟“家人”的定义,究竟何为亲子、夫妇的故事。
推荐理由:
石原燃さんは、かの有名な作家太宰治の孫にあたります。石原燃さんのお母さんは、作家の津島祐子さんで、2016年に肺がんで亡くなっています。『赤い砂を蹴る』の主人公、千夏も母恭子を肺がんで亡くしており、もしかしたら石原さんは、作品の中の登場人物と自分の家族を重ねているのかもしれませんね。
本书作者石原燃是著名作家太宰治的外孙女,其母亲是作家津岛佑子,2016年因罹患肺癌逝世。小说《踢赤砂》中主人公千夏的母亲恭子也是因肺癌过世,想必作者将对家人的思念寄托在作品当中了吧。
画家でシングルマザーだった母・恭子を亡くした「私」は、母の友人だった芽衣子と2人、芽衣子の生まれ故郷であるブラジルのミランドポリスへ旅に出る。
身为画家的单亲母亲恭子离世后, “我”和母亲的朋友芽衣子一同前往芽衣子的故乡巴西米兰多波利斯旅行。
芽衣子とブラジルに行きたがっていたのは母だった。だが母は癌で逝き、「私」は母の代理のような形で芽衣子の帰郷に同行する。その芽衣子もまた、アルコール依存症の夫を喪ったばかりである。芽衣子は夫に長い間苦しめられた。
约定和芽衣子一同前去巴西的是母亲恭子,但母亲彼时已经无法兑现承诺,作为女儿的“我”代替母亲陪同芽衣子回乡。芽衣子在不久前刚刚丧夫,一个嗜酒如命的男人,她多年来备受折磨。
ミランドポリスには戦前、日本人が移住した。芽衣子もそこで育った。母親は次女で、相手の男は妊娠が分かると逃げてしまった。芽衣子は祖父母に育てられたのだ。そんな芽衣子と「私」の共通点は「父の不在」である。それは「私」の母・恭子も同じで、彼女も幼いとき父を亡くしていた。
战前,很多日本人都移居到了米兰多波利斯。芽衣子就是其中一员。她的母亲是家中的次女,心上人得知其怀孕后便抛下她们母女二人失踪了。芽衣子是祖父母一手带大的。这和“我”一样,成长路上都没有父亲的陪伴,幼年丧父的母亲恭子也是这样。
『赤い砂を蹴る』というタイトルの隠喩も明らかになってくる。死者との邂逅の末に、ブラジルの赤い砂を勢いよく蹴って、新たな歩みを踏みだそう。
小说的书名《踢赤砂》的隐喻随着故事的发展愈来愈鲜明。在与死者邂逅后,用力踢踏脚下的巴西赤砂,迈出人生新的一步。